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3-12 悪役令嬢とミーティング

悪役令嬢と取り巻きの女子が勉強会をする回(そうか?

「わざわざ私の部屋に来てもらってしまってごめんなさいね」

「何を言ってらっしゃいますの? 同じ建物内ではありませんか」

「そうですわ」

「ふふ、ありがとう」


今日は休日ではあったがいつもの3人でアナスタシアの部屋に集まって勉強会をしていた。

学生寮と言っても大きなお屋敷で、生徒の部屋は普通の屋敷の客室同様の作りであり、広いリビングにはフカフカの絨毯が敷き詰められ立派なソファーとローテーブル、食事なども出来る椅子とテーブルなどが置かれている。


テーブルで勉強をしていた3人がそれぞれ集中力も途切れた辺で休憩することにして、ソファーに移った時のこと。


「アーニャが「ただでさえお世話できる時間が減っているのに休日まで出かけられたら〜」とか言って拗ねるのよ」

「アーニャさんはアナスタシア様が大好きですよね」

「いまだに校門の前まで送り迎えに来てらっしゃいますよね」

最初の数日こそ荷物などがあって従者を連れている者が多かったが、寮から校舎までの距離はさほどない事もあってほとんどの生徒が1人で登校している。


「あ、あの、私の話はその辺にしてくださいまし」

お茶を出したアーニャが狼狽ているのを3人でニヨニヨしながら眺める。


「だから一緒に寝たらこれまで以上に一緒にいられると言っているのですけれども、それは聞き入れてくれないのよ」

「さすがにそれは〜」

「私もびっくりですわ」

「ええー」


今度はアナスタシアを奇異の目で見るマーガレットとラダにアナスタシアが驚きの声を上げる。


「あのすべすべな肌を撫で回しながら眠ったら気持ち良さそうだと思ったのですが…」

「「ガチですか」」

「がち?」



「ところで、ちょっと気になっていたのですが」

マーガレットが壁際の家具の上に飾られた良い感じの棒に目を向ける。

さっと立ち上がったアナスアシアはその棒を手に取り席に戻る。


「これは魔法の杖ですわ」


2人がへーっと言う顔をした。


「私は伝説の聖剣でしたわ」

マーガレットが呟く。

「と申しましても、家の中に持ち込むと捨てられてしまうので庭に隠しておりましたが」


今度はアナスタシアとラダがへーっと言う顔をする。

アナスタシアはあまり建物から出してもらえなかったが、小さな子供でも庭に出るくらいは普通らしい。


「私はアーニャに持って来てもらったんだったと思うわ。5歳、いえ、6歳の頃だったかしら」

「宝物なのですね」

ラダが母親のような顔をする。

「私は庭師のジョンに頼み込んで貰いましたわ。落ちてたとしてもすぐに片付けてしまうんですもの」

「小さい頃は活発なお子様だったのですね。いまでは木の短剣も振れないのに…」

「ううう、言わないでください」

マーガレットが手で顔を隠してしまった。

今が恥ずかしいのか、良い感じの棒を振り回していた子供の頃が恥ずかしいのか。


「ラダはそう言うのありませんでした?」

ただでさえ小さいマーガレットがますます小さくなってしまったので、話をラダに振るアナスタシア。

「私は、その、勇者パーティーではなく、お姫様に憧れてましたので…」

ラダまで真っ赤になって小さくなってしまった。マーガレットもびっくりである。


 ((可愛い))


「ところで、お二人は魔力ってなんだと思います?」

魔法の杖を窓の外に向けてかざしつつ、アナスタシアが話を変える。


「アナスタシア様もお話をお書きに?」

「うーん、お話を書くところまで行くかは分かりませんが、世界を()()()()するのになんと言うか…」

言葉を濁すが、他の2人は魔法のことなど知らないので、物語の中の話だと考えていた。


「そうですわね、こう、むーんと念じると体の中から出てくる、力、かしら」

マーガレットが手をかざして念じる振りをする。

「でも、それだったら念じると物を燃やせたりする心の力、で良くないですか?」

「魔の力、である必要はないですわね」

「確かに。そもそも呪文って必要? と思ってしまいますね」


「「「うーん」」」


なにやら魔法が発動できそうだ。


「でも、こう、空気みたいにどこにでもあって見えない何か、だと、凄い魔法が使える人と普通の人との違いはなんなの?って言う話になってきますよね」

ラダが空中にある何かを持ち上げる素振りをする。


「と言うか、そんな当然の存在が魔の力ってどう言うことなのかしら」

「この世界が魔界みたいですわね、そう言われると」


「「「魔とは…」」」


「魔と言えば、学園の側でもちょこちょこ魔物が見つかっていて、近くに巣があるのではないかと言う話を聞きましたが…」

マーガレットがちょっと楽しそうに話を変える。

「学園の周りには衛兵なども控えているので大丈夫だとは思いますが、ちょっと心配ですね」

ラダは不安げだ。


「そう言えば、そう言うものもありましたね…」


「「…?」」


それはそもそもアナスタシアが設置したダンジョンであり、学園の周辺に魔物が集まらないように考えられた物なので、変に突入でもしない限り影響はないはずではあるが、そう言った噂が立てば放ってはおけないのが人のサガと言う物だろう。


「面倒なことにならなければ良いですわね」


然程気にする様子もなく呟くアナスタシアだった。

魔法が無い世界にきてしまったアナスタシアがアレコレする、と言うコンセプトも考えていたはずなので、ちょこちょこ差し込んでるんですが、あまり魔法を使うシチュエーションが無いのが悩みどころ(

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