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ある魔法使いの旅路 〜儚げな公爵令嬢だと思っていたら、ただのチート主人公でした〜  作者: 大貞ハル
異世界から召喚されし勇者アナスタシアちゃん14歳さん
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2-25 ワーウルフ

モフモフ分補充回

「わんわん?」

「違いますっ!!」




廃墟と化していた砦はわずかな期間で修復され人や馬、物資が集まり、周辺の街との連絡や物流も確保されて行った。


「なんだかのんびりしてしまいましたが、私はそろそろ旅の続きに…」

アナスタシアが身近な人にそろそろ旅に出ようと思っている事を告げる。

ここで再会したのはあくまで偶然という事になっているのだ。

「え?」

「は?」

「何を言っているんですか?」

メイドや王女は驚きを隠せない。

このままここに篭城するものだと思っていたのだ。


「えと、私はそもそも竜の谷に観光に…」

「今、この国は戦争中なのですよ?」


「えと、私も戦わされたりしちゃうんです?」


「あ…」

なぜか心の拠り所にしていたが、アナスタシアは部外者である事に気がついて気落ちする王女。そもそも戦闘用の魔法も使えなければ、剣を持って戦えるような身体でもないアナスタシアに何を期待していたのかと。


「じゃあ、私もついて行こうかな…」

静まり返る中、勇者で有る命が同行を言い出す。

命も人間相手に勇者の力を使う気はないと前々から公言している。


アナスタシアはまだ戦争が身近な世界から来ているが、命は戦争はおろか人殺しとは縁がない世界から来ている。


「私も行きます」

シリアナも宣言する。

「あなたはダメでしょ。ここに居ないと」

アナスタシアは騎士の1人を見ながら断った。

「いえ、別にもう帰ってこないわけでは無いんですよね?」

「一応そのつもりというか、ゆっくりしても10日くらいだろうけど…」

「それこそ、馬で行けばすぐですし、ぱっと行ってぱっと帰ってきたら良いんですよ」

と満足げな顔で笑うシリアナ。

「ぱっと行けたとしても、出来ればその分向こうでのんびりしたいかな」

苦笑する。


「命様は馬は?」

「乗った事はないけどスキルが有るから大丈夫じゃないかな? ここに来てやってる事はほぼスキル任せで、実際うまく行っているからね」


結局馬を2頭借りて命とアナスタシア、メイド2人で二人乗りして出かけることになった。

王女まで行きたいとか言い出さないかと心配したが、流石に自重したようだ。

なんだか少し可哀想ではある。




森を抜ける道を馬で走っていると、命が急に馬を止め、後ろを付いてきたシリアナも減速させ隣に並んで止まる。

「どうしました?」

シリアナが命に声をかけると命の視線の先に毛むくじゃらの何かが居るのに気がついた。


アナスタシアは馬から降りて、その毛玉に近づいて行こうとする。

「ちょ、ちょっと、アナスタシア様…」


命がアナスタシアを呼ぶと、毛玉が起き上がった。

「ほう、そいつがアナスタシアか。俺は随分とついているようだな」

立ち上がると2m以上は身長がある狼男だった。


耳や尻尾が生えているだけの獣人とか亜人とかそう言うのではなく、狼寄りの怪物。


全身を覆う毛はアナスタシアに近い銀色で、その瞳は金色に輝いていた。

上半身はモフモフの毛を見せたいわば裸だが、下半身は革のズボンを履いている。

見た目は獣だがどこか人間的な精神を捨て切れていないのかもしれない。言葉も喋るし。


「勇者だか聖女だか知らねえが、俺が血祭りにあげてやる」

「な、なぜ?」


 勇者はともかく聖女は名乗ってないし、それらしい行動も取っていないはずなのに、なぜここに来て聖女呼ばわり?!


全く見当違いなところに狼狽してしまうアナスタシア。


「さあな、俺は俺で都合があって手柄を立てないといけねえんだよ」

獣人が顔を近づけて睨んだ。


「おー、もふもふだ」

「てめえ、俺様をなんだと思ってやがる」

獣人が牙を剥き出して凄む。

「わんわん」

「犬じゃねえ、狼だ」


命やメイドに緊張が走るがアナスタシアは平気な顔で一言。


「お手」

思わず差し出された手に自分の手を乗せてしまう狼男。

「な、なんだ?」

気がついて後ずさる。

「お座り」

「キャン」

思わずその場に正座してしまう。


アナスタシアは狼男をもふもふしながら、人間には聞き取れない波長で話しかける。

「君はとても運がいい」

「?!」

「人間よりも高い能力が、秘めた本能が力の差を感じ取っているのさ。私とまともにぶつかったら確実に死ぬ、ってね。まあ、君が人間だったら違う理由で死んでいるんだけどね、今頃は」

「な、なんだと…」

「一つ注告してやろう、私にはある神の呪いがかかっていて、私に敵対した()()は死ぬ。間違いなく、距離も物理的な障害も魔法の結界も無視して確実に死ぬ。だが、私に刺客を送ってなお生きている奴がいる。この意味が分かるか?」

「…!」


さっと人には見切れないほどのスピードでアナスタシアから離れると。

「きょ、今日のところは見逃してやる」

そう言って森の中に消えてしまうのだった。


「さよなら、もふもふ…」

アナスタシアが残念そうに呟いた。


「な、なんだったの? 今のは…」

「…」

「…」




「また来てくれるかな、わんわん」

「いや、来られても困るから!」

そんなこんなで馬に揺られていると、森を抜ける道の終わりが見えてきた。

目の前に街を囲んでいると思われる石壁がそびえ立っている。

アナスタシアの異世界観光は別としてもやはり竜の谷を見に来たり、探索を目的に立ち寄る冒険者なども居たようで、竜の谷の周辺には大小幾つかの街があった。


わんわんがなんで働いているかとか考えるのめんどいので適当に妄想して(オ

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