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第5話 白い魔王

とうとう白い魔王が登場します(棒読み

と言うかもう1人に正体も分かる人には分かるのではないでしょうか(棒読み

「とりあえず、これに替えて」


遠くに街が見えて来た頃、少年が黒いマントを差し出す。

「え? 何? って、これ男物じゃ…」

明らかに大きすぎるマントを掲げるアナスタシア。


「一度インベントリにセットして、交換で行けるはず」

「えーっと、こうかしら?」

受け取ったマントが消える。

アナスタシアの前に現れた魔法の窓を操作すると、着ていた白いフード付きマントがアナスタシアの体型に調整された黒いマントと切り替わる。

「なにこれ、ワンピースの色も黒になってるんだけど」

アナスタシアは白基調のワンピースにブーツにマントと言う服装だったが、全体的に黒基調になっている。


「ああ、うん、そう言う事もある」

「そう言う事もあるって…」

腰を捻って自分の服装を確認するアナスタシア。

「むしろ、その方が都合がいいかも」

「…?」




東端のダンジョンの街を出た2人は山に入り魔物を狩りながら移動していた。

「ふう…」

歩き疲れたと言うか、魔導書が重くて疲れたアナスタシアが、よっこいしょと魔導書を持ち直す。

「疲れた?」

「…ええ、ちょっと。でも大丈夫よ」

アナスタシアは右手で左肩を揉みながら、苦笑いしてごまかそうとする。

「別に急ぐわけでもないし、休憩しよう」

そう言って少年は木の根に腰掛けて、どこからか取り出した携帯飲料を飲む。

例の魔法の支援物資箱に入っていた奴だ。

栄養価も高いらしくて、非常時は食事を取らなくても大丈夫になる優れものだ。


「便利よね、それ」

アナスタシアは肩掛け鞄から同じ物をとりだす。

割と大きめの鞄だけど魔導書は入らない。


「それ、とは?」

「その『物を出し入れする魔法』よ」

アナスタシアが両手の人差し指で自分の前に四角を描く。


「んー、これは魔法とかスキルでは無いっぽいし、その気になれば君も使えるんじゃ無いかな?」

「え? どうやるの? 教えて教えて」

アナスタシアが興奮して食いつく。

「たぶん『見た事も聞いた事もないから使おうと思わない』だけだと思うから、自分でも出来るって信じてみて」

両手で制しながら少年が答える。


「んぬぬぬぬぬ〜」

目を瞑って念じている。

「はあっ。なんつて。知ってた、結局出ない、のよ、ね…」


アナスタシアの前に半透明の四角い板が浮いていた。



「武器とかそう言うアイテムは別で設定する」

「ふんふん」

「君が使えるアイテムは、他に〜、鈍器とナイフと魔法銃かな」

余っているアイテムを出してアナスタシアに渡す。

「魔法銃!」

アナスタシアが魔法銃に食いついて笑う。

「何よ」

「いや、魔法使えるのに魔法銃に食いつくから」

「そう言えばそうね」

魔法銃を構えて片目をつぶって狙い定めたりしている。

「正確には魔法とだいぶ違うから良いんだけどね」

「そうなんだ」

「周辺の魔素を取り込んで弾に変換する銃だから、作成済みの弾が有れば魔法が使えない時でも使える」

「なるほど〜」


たぶん分かってない。


「そうすると、こんな風に武器が切り替えられる」

目の前で武器を切り替えて見せてくれる。

「よいしょ、んしょ」

慣れないアナスタシアが身体をくねらせながら武器を変更する。

「ナイフなんかは鞘に入った状態で腰に付くから、普段はナイフにしておけば良いんじゃないかな」

「そうね。ありがとう」




少年と黒いマントに着替えたアナスタシアは近くの街に入った。

宿に入り1人部屋を2つ取ると、宿の食堂で食事をする事に。

いちいち部屋に荷物を置きに行かないで済むので楽ちんだ。

「はぁ、久しぶりにまともな食事が出来るね」

「そうだね」


注文した品を待っていると、他の客の声が耳に入った。

「とうとう魔王が復活したらしいぞ」

「なんだって? それじゃ王都や西の方は大変だろ」

「いや、それが東端のダンジョンに出たらしい」

「なんだって? なんであんなところに」

「なんでも、麓の街に来た討伐隊50人が一瞬で全滅したらしい」

「ほんとなら間違いなく魔王だなそりゃ」

「んで、どんな奴だったんだ?」

「なんでも真っ白なマントの女だったらしい」

「白い魔王か…」


「んんんんんんん?」

「…」

「ま、魔王ですとーっ」



周りの客に謝って席に着くと料理が出て来たので食べながら話す事にする。

急に叫びながら立ち上がったので食堂の客全員の注目を浴びてしまったのだ。

「別に聖職者を目指してたわけではありませんが、魔王とは…」

「…」

「でも、やらかした事は完全に…」

ぐぬぬとなりながらも食事は続ける様子に思わず呟いてしまう。

「意外と平気みたいだね」


「あまり実感がないんですよ。一応手持ちの魔法が適応されるみたいだけど、それは魔導書に記されているってだけだし、スキルだから魔力が消耗するわけでも無いですし」

「アレだけのことをして魔力を消費しないのは凄いなぁ」

「もともとデバフは範囲系が多いから、人数とかは関係ないと思いますけど…」

実際には20以上の魔法が発動しているので、普通の魔法使いが本当に唱えたら途中で魔力切れを起こす規模だし、対象者が多ければ一人当たりの効果は下がる。


「とりあえず、魔王として活動するとき以外はそれを着ていた方が良さそうだね」

「魔王の活動とかしませんから」

「なんですとー」とか叫んで終わりたかった

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