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ある魔法使いの旅路 〜儚げな公爵令嬢だと思っていたら、ただのチート主人公でした〜  作者: 大貞ハル
異世界から召喚されし勇者アナスタシアちゃん14歳さん
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2-12 魔道具

打って変わってほのぼの回です(待て

アナスタシアは北の森の中を抜ける細道を歩いていた。

一人旅は久しぶりかも知れない。


南門まで出れば広い街道を使えるのだが、それはそれで気を使わないといけないかと思い、獣道に毛が生えた様な道を歩いてきたが、そろそろ夜営の支度をすべきかと道を逸れた。


「じゃーん。たらい〜」

アナスタシアの目の前に大きなたらいが出てくる。収納魔法の類ではなく、本来はアイテムや武器を切り替える機能なのでは無いかと思われるが、物を謎空間に仕舞えるので便利なのだ。


たらいは予め魔法を組み込んだ魔道具になっている。


靴を仕舞ってたらいの上に立つ。服や靴などはちょっとした収納魔法っぽい物に仕舞うことができる。魔法のたらいに魔力を通すと周りに中が見えない上に強靭な防御フィールドが展開する。衣服を格納してマッパになると、さらにたらいに組み込まれた魔法を作動させ、天井近くの空中から雨の様に適温のお湯が吹き出す。命には悪いが一足先にシャワー魔法を堪能させてもらう。たっぷりのお湯を浴びられるのはなかなか気持ちが良い。


「さすがにバスタブをもらってくるわけにはいかないと思ってたらいにしたけど、バスタブに魔石とかから魔力を供給出来る様に改良したら人にも教えても良いかな? バスタブに水を溜めるなら水圧で壊れない様にする強化と、床が抜けない様にする魔法も必要か」


温風の魔法で乾かしたら服を着る。服を着るのは一瞬で完了だし、一度格納した服は清潔になっている。


「一人旅が快適過ぎる…」




仮設救護所に金色の光のドームが発生した。

切り落とされて地面に落ちた手首や流れた血が光になって舞い上がる。

シリアナの傷が何事もなかったかの様に消えて無くなり手首も生える。

それどころか、服まで元通りになってしまった。


「…」

シリアナを抱きかかえて号泣していたリョナの顔から表情が消え、シリアナを放す。

「痛い」

急に放されて頭をぶつけるシリアナ。

「ちょ…」

「シリアナ、怪我人をこの光の中に放り込め。いや、遺体もだ」

一瞬にして理解したシリアナが飛び起きて走り出す。

2人で周りの怪我人や乱入した兵士に殺された人たちを次々に光に放り込む。


入り口の外に騎士が倒れているのに気がついたリョナが担いで運ぼうとするが、膝がガクガクするばかりで持ち上がらない。と思ったら急に軽くなる。先に光に放り込んだ連中だった。


リョナごと光に放り込まれ傷や鎧が再生した、ちょうどその時展開していた魔法陣が一際眩しく光り、消えてしまう。光を失いつつも残った宝石の様な石をリョナが拾って大事そうに胸に抱いた。


「それはなんだったんだ?」

回復した騎士が尋ねる。

「アナスタシア様が作った魔法道具だ」

「あの人か…」

「それは、使い切りなのか?」

驚きつつも今後のことを考える余裕はある。何しろ怪我は完全になくなっているのだ。

「そうみたいだ。あと二つあったが…、持っているのは王女様と命様だ…」

「………」

2人とも既に王都を発った後だ。


「ポ、ポーションがある。地下の酒蔵に…」

シリアナが思い出したかの様に呟いたが、一同、ポーションかよ、と言う顔をする。

それに対してシリアナは自信満々な笑顔を返す。

「そ、それは…」

「そう、アナスタシア様が作ったポーションだ」

みんな一斉に立ち上がる。

「何はともあれ酒蔵に行ってみよう。話はそれからだ」

「全員で行っても仕方なくないか?」

「どれぐらいあるんだ」

「200以上は…」

「………」




アナスタシアの夕食はお弁当だ。出る時に持たせてもらった。

これを食べてしまったら、後は自作の携帯食料しかない。

前の世界のダンジョンの様にアイテム収集とか出来たりするのだろうか。

そもそも、道中の街で何か買えたりとかするのかも分からない。


「さすがに料理は出来ないのよね」


栄養的に問題ないとしても、食事が出来ないのは寂しい。

だが、料理ができたとしても今度は食事の支度をする際に火を焚かなければいけないので、別の意味でも問題があるわけだが。


アナスタシア自体は気温の影響を受けないので、夜間焚き火の必要はない。

気温の影響を無効化し、隠密化してしまえば、たとえダンジョン内で寝てても問題ないのだ。


「普通の人の野宿はどんな風か、調べておけば良かったかしら」


人の気配に身を隠す。まあ、余程の事がなければ目の前を通られても気が付かれる事はないのだが。

そもそも道から離れている上に焚き火などをしているわけでもないのだ。


「城から来た追手と、それを追ってきた集団と、さらにそれを追ってきた集団? なにこれ…」




「…あの人は、一人で戦争の準備でもしていたのか?」

酒蔵に各種ポーションとスクロール、それにあの復元フィールド魔道具が備蓄されていた。

ポーションやスクロールにはそれが何の薬か、何の魔法か記された付箋がきちんと付けられていた。


「どうする?」

「どうすると言っても、我々は城を捨てるわけには…」

「でも、王女様は王都から出ているよ」

「…」

「実は王も城にはいない」

「…」

「市民を守ってる勇者様はどうしてるかな」

「勇者と合流して市民を誘導しながら王女を追う、べきか?」


「ここにこれだけの物資が残っているって事は、アナスタシア様は?」


「………」



魔法の可能性をちゃんと決めてないので突然変なアイテムとか出てきますが、アナスタシアのスクロールや魔道具は高位の魔法使いが大勢集まって何日もかけて行う儀式と同じ性能があると言う設定なので、かなり無茶な事になっている、と言う事にしておいてください(オ


それから、アナスタシアのアイテム周りの能力はゲームキャラの物を持てる設定をネタにした感じなので、何だか良く分からないけど持てるキャパがある、と言うような事を最初の方の話で書いてたと思うんですけど、それが他の世界でも使えます

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