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ある魔法使いの旅路 〜儚げな公爵令嬢だと思っていたら、ただのチート主人公でした〜  作者: 大貞ハル
異世界から召喚されし勇者アナスタシアちゃん14歳さん
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2-9 廃城

割とファンタジーっぽくドタバタする話、だと良いなぁ(

「へー、この国ではお城が変形してゴーレムになるんだねぇ」

アナスタシアの目の前で石造りの城が人の形に変貌していく。


「そんなわけないですから!!」




馬車が王都の南門を潜って外に出ると、そこは森だった。

と言っても、広い道が続いているので、北門の様に、出たらいきなり森の中、と言う感じではない。

道は南西と南東方向に伸びていて、南西方向の道はそのまま先で西に向かい、南東方向の道は少し先で南と東に枝分かれしているらしい。


南西方向にしばらく行った先で脇道に入り、小高い土地に登っていくとそこには古いお城があった。

崩れかけたそのお城を南の森を探索する間の拠点にすると言う。


「ここに泊まるのね。私のせいで慣れないことをさせてしまって悪いわね」

「いえ、私たちは大丈夫ですから、お気になさらず」

珍しくリョナが返答する。シリアナは当然だと言う顔で笑っている。


勇者や騎士、何人かの文官は早速森の中に入るらしい。

どの程度魔物などが居るか分からないのでアナスタシアはお留守番だ。

一応命に薬草などポーションの素材があったら持ち帰ってくれる様にお願いだけした。


他の勇者の使用人達が城の中に入っていく。

「それでは、私たちは使える部屋がないか、見てきますね」

シリアナがリョナを連れて続こうとするのをアナスタシアが止める。

「私、こう見えても野営とか大丈夫なので、無理に綺麗な部屋を探さなくても大丈夫ですよ」

アナスタシアはローブの上にフード付きのマントを着ていて、見た目は冒険者に見えなくもない。

が、両手を握って少し上げたポーズは返って弱々しく見える。


「…可愛い…、いえ、失礼しました。と、とりあえず、ちょっと見てきますので」

2人が城に突入していく。

城の前には馬車や馬を世話する者と居残りの騎士数人が残っている。


「さて、アレは何かな」

アナスタシアの探査魔法だ。

城の、崩れかけた塔と、裏の墓地に何やら魔法道具らしき物が隠されている。

「私も少し細工して良いかしら。ふふふ」



勇者チームが出発してから3時間ほど、つまり、予定内で一番遠くまで行っている頃、異変が起こった。

塔から禍々しい光が放たれ、魔物達が集まってきたのである。

それに、裏の墓地でも似た様な現象が起こりアンデッド達が地面の下から這い出してきた。



 クリエイトゴーレム

 絶対魔法防御

 絶対物理防御

 エンチャント セイクリッド レイ

 エンチャント フレイム


アナスタシアはバレないようにマントの下に出した魔導書を使って魔法を発動した。


盛大に地面が揺れる。日本では地震が珍しくなく、プレートがどうとか火山がうんぬんと分かるが、地震の無い地域では地面が揺れると言うのはかなりのインパクトがあるらしい。まあ、むしろ石のブロックを積んで作った城が組み換えられてゴーレムに変形するせいで地面が揺れている方が、余程インパクトが有るかも知れないが。


ちなみに、ゴーレムを形成する素材は崩れかけている辺りをメインに使ったので、城の周りに居る人間には影響ないはずだ。


「そ、そんな事よよよ、に、に、逃げますよ、アナスタシア様」

アナスタシアが呑気にゴーレムの生成を眺めていると、メイドのシリアナがフラフラしながらアナスタシアの手を引く。

「あわわわわわ」

見た目からして走っているようにすら見えない。

「ダメだ、私が抱えて走るから、リョナは先導して」

「了解」


手に炎を宿らせた巨大なゴーレムがワイバーンの群れを殴り落とし、足元には聖なる光を湛えアンデッドを瞬殺している。ワンアクションごとに地面が大きく揺れ爆音が鳴り響く。


「な!!」

アナスタシアを抱え上げたシリアナが固まる。

「どうした?!」

「なんでこんなに軽いの」

「ほえ?」

「そんな事言ってる場合じゃ無いでしょ!!」

普段大人しいリョナが大きな声を出した。

「そうだったー」

リョナが先の状況を確認し、アナスタシアを抱えたシリアナが駆ける。

巨大ゴーレムが足元のエネミーを蹴散らすたびに地面が揺れたが、裏の墓地に向かって行ったので人や馬に被害はほとんどない。

魔物を呼び寄せる魔道具はゴーレムの上だ。


その後、魔物を呼び寄せる光は消え、戦闘は終わった。


すると今度は反対側で爆発が起こり、土煙が上がる。


「こ、今度は何?」

振り返ると煙の中から命が現れた。

続けて爆発が起こり、あとの2人も順に到着した。


あまりのスピードに衝撃波などが発生して爆発したのだった。


「良かった、無事だったのね」

命がアナスタシアに走り寄る。

「いったい何があったんだ?」

藤崎達も寄ってくる。


「妖怪大戦争です」

アナスタシアが身振り手振りで説明した。


「おいおい、城が半分なくなってるぞ」

「あの向こうに見えているのがそうですかね」


「あんなのがあるなら、いよいよ勇者とか要らないんじゃね」

「…」

「…」

「…」


「今は動いてないみたいだけど、耐久値自体はマックスっぽいわ」

命は物の名前が分かる程度の能力と言っていたが、いつの間にか相手のパラメーターもいくらか分かる様になっているらしい。


「とりあえず、調査と、残ってる魔物の素材の回収したら指示待ちだなぁ」

「そんなとこね…」


その後も定期的にゴーレムが魔物を呼び寄せ撃退したのだった。

なんかもうちょっとキャラを魅力的に見せられると良いなぁと思い中

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