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ある魔法使いの旅路 〜儚げな公爵令嬢だと思っていたら、ただのチート主人公でした〜  作者: 大貞ハル
異世界から召喚されし勇者アナスタシアちゃん14歳さん
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2-5 スクロールを作ろう

王女様とのコミュ回です

「羊皮紙を貰ってまいりました」

メイドのシリアナが羊皮紙の束を持って広間にやってきた。

結構な量だし、相当重そうだが1人で軽々と持っている。本当に頼りになる。


「ありがとう…って、王女様?」

アナスタシアが顔を上げると、シリアナの後ろにセフレ王女が立っている。翻訳スキルの修正はまだだろうか。シリアナにセフレって。いや、本当にそう言うネーミングをする国なのかもしれないが。


「何をなさってますの?」

アナスタシアとメイドのリョナは四つん這いになって床に何やら書き込んでいる。

魔法陣のようだ。


「スクロールを作ろうと思いまして」



スクロールと言うのは平たく言えば巻物である。

ただし、長い紙をぴっちり巻いた忍者が持っているような物ではなく、長方形の羊皮紙を緩く巻いて紐や蝋で封印した物だ。


その巻物には魔法が封じ込められており、魔力を込めてパスワードを唱えたり、封を解く事でその魔法が発動すると言うアイテムになる。利用目的として、魔法が使えない人が魔法を使えるようにする、と言う事を考えると、呪文で作動するようにするのは無意味であるが、不用意に発動しないと言う意味ではパスワード方式の方が安全ではある。



「アナスタシアは魔法が使えるの?」

王女はアナスタシアの表向きのスペックを知っている。

調子に乗って完全に魔力が無いみたいな数値にしなくてよかった。

「魔法にも色々ありますから」

誤魔化しつつ、部屋の隅に置かれた台で羊皮紙にさらさらと文字や図形を書き込んでいく。不思議な色のインクだ。金属のような質感の線が書き込まれる。このインクも先日集めた素材や王女に用意してもらった物からアナスタシアが作った。書き終わった物を床に書かれた魔法陣の真ん中に置き、アナスタシアが本を見ながら呪文を唱えていく。


唱え終わると文字が光り、濃紺のインクで書かれたような見た目になり、勝手に丸まって封がなされる。


「それはなんのスクロールになるの?」

何枚も何枚も同じようなスクロールを作っているので不審に思ったのだろう。

「これはスクロールを作るためのスクロールですね」

「???」

王女やメイドの頭の上に はてなマークが見えるようだ。


「例えば、このスクロール一枚で、とある儀式のための呪文を2時間唱えたのと同じ効果があります」

山積みにしたスクロールの中から一つを取り出して見せる。

「…」

同じような羊皮紙を魔法陣の中心に置くと、これまでに作ったスクロールを作動させ始める。

次々に燃え上がり光を放つスクロール。

最後にアナスタシアがなにやら呪文を唱えると、魔法陣の中央に置かれた羊皮紙が光り、くるくるっと丸まってアナスタシアの手に納る。


「これで魔法使い10人で1週間かかる儀式がこの中に納まりました」

「え?」

アナスタシアが差し出したスクロールを混乱しつつも受け取る。

「なんの、儀式? 魔法? ですか?」

「一定範囲を聖域化します。万が一、逃げ場を失った場合にでも使っていただけば、魔物から距離を取れると思いますよ」

「そ、そんな、え? あの、それを私に?」

「そのために作りましたから」

柔らかく微笑むアナスタシア。


「ふふふ。儀式の規模だけ聞いたら凄い物に感じるかもしれませんが、私がしたのはちょっとした手間だけで、材料も道具も全部王女様に用意してもらった物ですし、遠慮せず使ってください」

「そういう事ではない気がしますが、ありがとう…」

大切そうにスクロールを見つめる。


「私、スクロールってもっとこう、違う感じのものだと思っていましたわ」

そう言いながら胸元にスクロールを押し込む。


「………」

「収納魔法ですのよ」

アナスタシアの視線に気づいて胸元を手で押さえる。

「えっちだ」

「えっちですね」

メイドズも同意する。

「あれ?」



また何かを始めるアナスタシア。

「今度は何を作るのですか?」

「回復アイテムを作ろうと思いまして」

「昨日はポーションを作っていたと聞いていますが…」

「それは飲んだりする薬ですね…」

アナスタシアが優しい顔で微笑む。王女の答えを楽しみにしている感じが伝わってくる。


と、急に目を輝かせる王女。何かを思いついたらしい。

「分かりましたわ。儀式を必要とする高度な回復魔法を分解してスクロールを作り…、アイテム?」

「正解です」

そう答えると作業を始めるアナスタシア。

またスクロールの山ができる。


魔法陣の真ん中あたりに今回は羊皮紙ではなく小さな石を3つ並べ、スクロールを使い始める。

石の周りに透明な三角の板が花弁のように広がり、それが起き上がって石を包んでいく。

最終的に、小さなガラスの鬼灯(ほおずき)のような姿のアイテムが3つ出来上がる。


ひとつは王女に、ひとつは命にあげるという。


「これはあなたが持っていて」

メイドのリョナに差し出す。

「え? 私ですか?」

「ええ。もしも私が大怪我をしたら使って」

「あ、はい。そう言う事でしたら…」


リョナが受け取ってから「もちろん貴方達が怪我した時も迷わずに使っていいのよ」と付け足した。



王女様はちょこちょこ出てくるし、結構重要な立ち位置になりそうなのに、あまり書き込んでないのでどうしましょうか…

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