表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/165

第3話 初めてのダンジョン

普通の人たちはたどり着けない辺りまできたところです。

なんかゲーム世界っぽい表現を使っていますが、どちらかと言うと「ゲームかよ」って突っ込んでもらう系になりそう。

冒険がしたいなら連れて行ってあげる、そんな風に言われて拾われたが、あまり冒険感はなかった。

少年がなかなかに強い。怪我とかしない。

と言うか、怪我をしても超回復するポーションを持ってるくらいだから、あまり出番は無いかもしれない。

アナスタシアは上級の回復魔法を使えたが、流石に傷跡一つ残さず完全回復とまでは行かなかった。


少年は手ぶらに見えるが、5〜6個は武器を持っているようだ。

どこからか取り出して攻撃しては、またどこかにしまってしまう。


「あ、ごめん、これじゃ退屈だよね」

数体のゴブリンと、その親玉みたいな例のマッチョおじさんゴブリンを軽々と退治した少年が、困り顔のアナスタシアに気がついて謝る。


「いえ、そもそも私、回復支援くらいしか出来ないので」

「気にしないで魔法使ったりして良いからね」

「あ、はい」



「必要ないからと言って何もしないのは消極的すぎたなぁ」

とりあえず、魔導書が使えるか確認してみる事にする。


この世界の魔法使いは何日もかかる呪文を唱えてようやく弱い魔法が使える。

それでは困るので作り出されたのが魔法の杖。自分が習得している魔法を5つから9つほど組み込む事ができ、詠唱時間を数秒に短縮、威力も桁違いに大きくして使うことが出来る。

組み込むと言っても実際には術者側に何かなるようで、本人以外には使えない。


では、魔導書はと言うと、術者が持つ魔法がそのまま無制限に記録され、他の人間でも使用可能になってしまうと言う物、らしい。何しろ珍しい物だし、初めて見たアナスタシアにとっては他人から聞いた話である。


本の形をしているとは言え、魔法の道具なので手でめくることもできるが意識を集中することで内容を確認できる。

百、いや、もっとか。膨大な数、さまざまなジャンルの魔法が収録されている。

自分が普段使っている魔法もあるが、ありふれた魔法なので自分から収集されたと言うよりはもともとあったのだろう。

自分はまだ習得できていない魔法もたくさん載っている。


「攻撃魔法もある、よね。そりゃ…」

アナスタシアは困った顔をした。


そんな事を考えながら、しばらく行くとモンスターと言うか巨大な虫が大量に現れたので、魔導書に意識を向ける。

ふと、見たことのない項目に気づく。


マクロ


なんだろうと思ったが、その中に「支援基本」と言う項目を見つけ発動してしまう。


防御フィールド展開

魔力回復強化フィールド展開

攻撃力アップ

防御力アップ

スタミナ回復強化フィールド展開

etc


物凄い勢いでページがバラバラとめくられ、次々に魔法が発動する。


その全てがジャストアタック判定になりボーナスやらなんやらで効果も高くなるし、なにより魔力が回収されるから、魔法を使ったにもかかわらず魔力がなかなか減っていかない。


いままで回復魔法ひとつで疲れてしまっていたのが嘘みたいだ。


「これが、ほんとうの魔法…」

自分で使った魔法で驚いている。

「すごいね。なかなかやるじゃん」

無数のエネミーを排除したにも関わらず涼しい顔で少年が話しかける。

「あ、いえ、これは、マクロとか言う魔法のおかげで」

魔法が役に立ったか怪しいと思いつつも答えた。

「あー、マクロかぁ。それ、あまり対人戦では使わないようにした方が良いよ」

顎の辺りを掻きながら困った様に忠告した。

「あ、はい。でも、味方に使うのは良いんですよね?」


たぶん、意味通じてない。



かなり奥まで来たのではないだろうか。さすがにお腹が空いたが、もう食料は残っていなかった。

そもそも、ちょっと下見に、と言われてきたので、携帯食料を少しと水しか持ってきていない。

途中からは少年に分けてもらっていたから、少年ももうほとんど持っていないだろう。


「あった」


「え? 何がですか」

見ると道の脇に箱が置かれていた。


「魔法の支援物資箱だよ。各自で拾えるようになっているから、気にせずに拾うと良いよ」

少年は何もないところからアイテムをとりだした。

自分に見えているのは、彼には見えていないらしい。


「良かった。水と食料だわ」

「この辺から先は割とちょこちょこ支援箱があって、あのポーションとかもこう言う箱から手に入れることが出来るんだ」

「そうなんですか、初めて見ました」


探索を続けると確かに頻繁に箱を見つけた。

食料、ポーション類、武器、防具、様々な物が出てくる。

正直持ちきれない。

最初に少年が言っていたのはこの事か。


食糧やポーションは手持ちがあるうちに見つけると、ちょっと損した気分になる。


「この辺で夜営にしよう」

「はい」

早速アナアスタシアが座り込んで、マントを巻いて寝たらどうかな?とかやっている。

「…信頼されているのか、男と思われてないのか」

「…私をそう言う目で見てたんですか? そっちの方がびっくりです」

2人で寂しそうに笑った。

「彼氏とかは?」

「彼氏と言うか婚約者がいましたが、ちょっと色々あって…」

「そっか」

「そちらは?」

「こちらもちょっと簡単には会えない人なんだよね」


また2人で寂しそうに笑って、夜営の支度をはじめた。

まあ、ダンジョンなのでお好みのダンジョンを想像してもらえれば良い気もするけど、もうちょっとどう言うところかこまめに書いた方が良いのかどうなのか

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 長期間かけて杖に魔法を貯蔵していく設定、とても良いと思います。単なる魔力量で押すだけでなく、頭脳ゲーム的な要素もあって ただ、魔導書を得たから今後は生かされなくなってしまうのかな? [気に…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ