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SS 夢の話でもしようか

第4章の番外編です。


照のネーミングは「犬が見てる」から。特に意味はない(オ

昼休み、照が廊下の窓から外を眺めていると帝がまとわりついてきた。


「どうしたん?」

「んー」


口では知らないフリをしたが、照には分かっていた。

何か悩みとか心配事があるとスキンシップ過多になりがちなのだ。

横にくっつくように立って照の手をいじり始めた。


小さくて華奢な照を縫いぐるみか、良くて妹か何かの様に思っているのだろう。


帝も極端に発育が良かったりはしないが、照に比べれば背も高いしスタイルもいい。

少し茶けた癖っ毛が悩みの様だが、ふわふわした軽い見た目は正直可愛い。何の色味もなく真っ黒で見るからに重たい張り付く様な髪の照からしたら羨ましいくらいだ。その上真面目で努力家、努力に見合う実力も手に入れている。


頑張りすぎて目が少し悪い様だがメガネは3つくらい持っていて、コンタクトも含めて気分で使い分けている様で、もうそれはお洒落なのでは、と照は思っている。


2人はいわゆる幼なじみというやつで、厳密にいつ頃から一緒にいたのか分からない。物心ついた頃からいつもそばに居た可愛い女の子、それが照にとっての帝だった。


少なくとも同年代の子供の中では1番の仲良しだった自信はあるが、彼女のお姉さんが現れるとあっさり放置されるため、親友だと自信をもって言うことは出来なかった。


そう、帝にはお姉さんが居る。


2つ上の大学生、背が高い、足が長い。体格も良いがごっついとまではいかない。

落ち着いた感じではあるが美人というよりは可愛いお姉さんだ。

照も会った事があるが、気さくで優しい素敵な人だ。小さい頃からそれは変わらない。


帝とそのお姉さんはあまり似ていない。帝は父親似、お姉さんは母親似だった。

2人ともそれなりに両親に似ているから、2人がそんなに似ていない、と言うだけだ。

お姉さんが好きだからか、コンプレックスなのか、帝はお姉さんになろうと踠いていた。


だから、きっと自分はお姉さんになりたい帝にとっての妹、自分自身の代わりなのだろう、そう考える照だった。


それまでお姉さんべったりのお姉ちゃん子だった帝が隠れシスコンになってだんだん歪み始めたのを感じたのはいつ頃からだったか。帝がお姉さんと距離を置くから、照もあまりお姉さんとは関わらない。


いや、帝を取られるから、もともとあまり近づきたくなかったのか。


自分の矛盾する行動に悩む帝にそうまでしてお姉さんになろうとする必要はない。貴方は貴方で魅力的な女の子なのだから。そう言ってあげられたら良かったのだろうか。逆に傷つけることになるのだろうかと照は悩んでいた。


でも、そんな心配は不要だった様だ。


お姉さんと一緒に遊べる様にネットゲームに誘ったらどうかと提案し、一緒に遊ぶ様になってしばらくのこと。知らないうちに帝とお姉さんの間にあった蟠りは解消されていた。恥ずかしそうにお姉さんの後ろにくっついて歩く帝の姿は眼福だったが、もう私に縋ってくれることは無くなるのかと思うと寂しかった。


帝のお姉さんはゲームをやらせても抜群のパフォーマンスを見せた。

ずっと前からプレイしている自分たちよりも遥かに上手かった。

何をやらせてもそつなくこなし、何よりいつも楽しそうだった。

なるほど、帝が自分を見失って追いかけたくなるのも分からなくはない。

照には初めから遠すぎる存在だったが。


幼なじみにはいろんな関係があるが、大きく分けて2つあると言う。

初めて会ったその時に恋に落ちるか、ずっとそばに居たことで家族としか思えないか。

女同士の場合、本来は後者であるべきだし、帝にとっての自分は後者だろう、と照は思っていた。


「照はどこの大学に行くんだっけ?」


貴方はお姉さんと同じ大学に行くんでしょ? とか言わない。

流石にそんないつまでもは一緒に居られない事ぐらい分かってはいるが。


「まだ決めてないけど?」

「そっか」

「…」


「私は今までずっとお姉ちゃんの後を追いかけてたんだよね」

「…」

「でも、妹がお姉ちゃんになる必要はなかった…」

「そうだね…」


照は所詮お姉さんになりたい帝の妹代わりなのだから、お姉さんにならなくて良いのなら妹も必要ない。妹である事を受け入れた帝に必要なのはお姉さんだけだ。


「照はもっとオシャレとかせんの?」

「へあっ?!」


急に頭を撫でられて変な声が出た。

凄い顔をしてしまったが、帝は照の髪を一房手にとっていじっているため見られては居なかった。


「何、急に」

「だって、自他共に認める美少女なのに、髪型もいつも同じだしさ」


自他共に認めるってなんだ、お前もそう思ってくれているのか? とか言わない。


「い、いや、これが気に入ってるだけだし」

「うん、私も好きだけど」


 好き、とか


「ほんとにどうした?」


 心臓に悪いんですけどっ


「うん、私ね、ずっとお姉ちゃんみたいになりたいって、それだけ考えてたから、自分が何をしたいとか考えた事なかったんだよね。ゲームも照が誘ってくれなかったらやってなかったし…」

「そう…」


「だから、もし良かったら将来の目標とか共有させて、欲しいなぁ、なんて、ね」


 将来とか言いながらもじもじすんな


「私もそんなの無いよ」

「良いの、今はそれでも」

「つか、なんで私なんだよ」

「え、だって親友だろ」


情けない顔をして自分より背の低い照にしなだれかかる帝。

自分に自信が持てなくて勝手に独りで悩んでたのは照も同じだったのだ。


「親友っていうか、私をお姉ちゃんの代わりにするつもりだろ」

「え、あ、そうかも…。ダメ?」

「…良いけど」


 良いけど


「分かった。じゃあ、これからはもっと2人で夢の話でもしようか」




昨日の朝、思いついて、一応読み返してから書こうとか思って読んでたら体調が悪くて頭が痛くなったのもあって、話の筋を忘れてしまって、なんとかまとめたものの、もっと違う話だったのだが? ってなってます。なんだコレ?(オイ

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