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第16話 職業勇者

一応、主人公たち以外も戦っていますよ、みたいな感じの話です

「レベルが上がらなくなったっぽい」

「…」

ルークの言葉にレイラが愕然とするが、特に言葉は発さなかった。

いや、むしろ何も言えないと言う感じだった。



アナスタシア達は徐々に西へと向かっていた。

ルークやソロはもちろん、レイラや、その護衛の騎士達も順調にレベルを上げ、レベルキャップを開放して75を超えてしまったため、スキルの取得など細々したものはあるにしても、例の山頂の神殿を基準に活動する必要が無くなったのだ。


もう1点、この国の人間の大半はレベル20以下であり、一部の優秀な騎士、兵士であっても、最初のレベルキャップ開放が必要となる30にすら達していない。つまり、もはやこのパーティーはこの国で最強の戦闘力を誇る集団の1つになっていた。レイラ以外は魔王を倒そうなどとは口にしないが、もはやそれをしない理由もないのだ。


「ルークはこのまえレベル80になったばかりじゃなかったかしら?」

アナスタシアが疑問を口にする。

「ああ、俺のレベル上限はちょっと違うらしいんだ。だから()()81が上限っぽい」

レイラが不安げな視線を送っている気がするが気がつかない振りをするアナスタシア。

「じゃあ、今のうちに追いついたら、みんなと同じころ99まで上げられる様になる場合もあるのかしら」

「たぶんね」



実はこのパーティー、王国に対して色々抱えているので王都を迂回して西に向かうことになる。


異世界から召喚された勇者、と言う何やら凄そうな肩書きのルークは兵器として国王から狙われている。まあ、実際、ルークと行動を共にしたチームの力を見れば、なおのこと欲しくなるだろう事は間違いない。


そして、その勇者を召喚したレイラも、勇者がどこに降り立つかは不明と嘘をついて召喚、こっそり王都を抜け出してここに居るため、迂闊に王都には近づけない。


アナスタシアも故意ではなかったとは言え騎士団を壊滅させ実の姉を手にかけているため、実家がある領や別邸がある王都には近寄りたくなかったのだった。




王都より西に達した辺りから、普通に魔物がウロつく様になる。

逆に言うとそこで食い止めている勢力があると言う事でもある。


「あ、本物の勇者だ」

ルークの視線の先に派手な鎧を纏い光を帯びた大剣を装備した戦士と、そのパーティーらしき集団が見えた。


「本物の勇者って何よ、本物の勇者って」

レイラが喚き出す。

「だって、オレ、職業的には戦士だし、聖剣も装備できないし」

ルークが説明する。

「それでもあなたは私が呼び出した勇者なのよっ!」

レイラが手を振り上げて抗議した。



見る間にエネミーを倒した勇者が寄ってきた。

「よう、あんたら〜、おお、凄いな」

どうやらこちらの能力が大まかには分かるらしい。

「んーんーー…」

レイラが余計な事を言わない様に口を塞ぐアナスタシア。


「エネミーがこれ以上侵攻しない様に食い止める手伝いに来てくれたんなら有り難いんだが」

意外と人が良さそうな勇者パーティー。

平均年齢もこちらよりは上に見える。


「一応、そうですね」


職業勇者パーティーは観た感じ


勇者 20代前半の剣士。

シールダー 40代くらいの渋いおじさん。

戦士、神官、弓士 30前くらい。

魔法使い 20歳くらい。 


と言った感じだった。


それに対して、アナスタシア14歳。

ルーク15歳くらい(実年齢不明)

レイラ14歳(14歳にしては大人びたアナスタシアに対して、14歳にしては幼い見た目だ)

ソロ15歳。

ソフィーさん年齢不明。

レイラの護衛の騎士が20前後から30前くらいだが、このメンバーで浮かない様に普段一緒にいるのは見た目が若い団員である。



「王都の北西から西、つまり魔王のダンジョンの正面だな、その辺りは近衛騎士団を中心とした騎士団が守っていて、俺たちは南西側を守っているのが現状だ」

勇者と情報交換をした。

と言ってもルークたちはここまでの道中遭遇したエネミーの話しか出来ないが。



「良いんですか?行かせてしまって」

ルーク達と別れたあと、勇者パーティーの神官が勇者に尋ねた。

「それはどっちの意味でだ?」

勇者が質問で返した。

「?」

「いや、すまん。彼らは相当な実力者だ。出来ればここを手伝って欲しかったが、むしろ魔王を倒してくれないかと思うほどだよ」

「うっそ、そんなに?」

弓士が驚いて声を上げる。

「戦士レベル81を筆頭に75〜76と言った感じだな」

「本当に?」

魔法使いが確認する。

「聖女の侍女らしき女と魔法使いだけレベル30台だったが、あのパーティーなら問題ないだろう」

勇者パーティーは伝説級のアイテムなどで武装しているし、勇者と言う職業によるブーストもあるが、それでも自分たちと同等以上の能力だと思われた。

「さらに言えば、出ては来なかったが、斥候とバックアップらしき連中が8人は居たな」

勇者が呆れ顔で教える。

「不謹慎な話ですが、彼らが特殊なだけで次世代とかじゃないと思いたくなるレベルですね」

神官がアナスタシア達が立ち去った方角を見ながら誰に言うでもなく呟く。

「全くだ」

苦労人の勇者が寂しげに答えた。

もっとこう、広大な王国にいろんな人がいて、勇者と呼ばれるような人たちも点在している感じに書きたかったりもするんですが、なんか東京都くらいの広さで秋葉から八王子を目指してるみたいなちみっちゃいイメージになっているのは私だけでしょうか…

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