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SS 転生したらメイドだった件 〜侍女ですが何か〜

追加で短編を書きました。

第3章のメイドのアーニャのお話?です。

私の名前はアーニャ。

アナスタシアお嬢様の侍女兼メイドだ。


現在15歳。お嬢様が3歳、私が12歳の頃からお世話をしている。


主人であるお嬢様はこの国では良く思われていない銀色の髪をしているため、なるべく悪意を向けられない様に、この林の中の館に隠されている。大勢がこの館に出入りしたのでは意味がないため、身の回りの世話から掃除などの仕事まで私1人でさせていただいている。そう、させていただいている。全てを自分の手でできる事に私は喜びすら感じているほどなのである。


ある日、ドラゴンに遭遇すると言う事件をきっかけに私はある記憶を取り戻した。

私の正体はいつの知識か分からない言い方をするならば、超時空ストーカーである。


前世になるのだろうか、私は以前、こことは違うどこかでお嬢様に救われたのである。

詳しくは分からないが、それだけは確かに覚えているのだ。


「アーニャ?」

お嬢様が困った様な顔をしてお声をかけて来た。

お嬢様の入浴中にボーッとしてしまっていた様だ。

「し、失礼しました」


4本の足が生えた浴槽の中にお嬢様が立った状態で入っている。

小さすぎて座られてしまうと洗いにくいので立っていただいているのだが、それでもこのサイズである。

私のもう一つの記憶にあるアナスタシア様は14歳だったか。彼女のお風呂のお世話もさせてもらった記憶があるが、同じ様な浴槽に座った状態とあまり変わらない。その時と変わらず、水瓶に入れたお湯と水を桶で合わせて緩めた物を使い洗い流す。今ここにいるお嬢様は6歳…。


 ロリアナスタシア様…


不敬な事を考えてしまった。いけないいけない。


お嬢様はもともと聡明で可愛らしく、子供らしい細く柔らかい髪に華奢な手足、ちょっとぽっこりしたお腹も魅力的だったが、記憶を取り戻してから改めて考えると、私の前世の人生を変えてくれた女神の様なあのお方の子供時代なのだ。これは大興奮である。


「なんか、ちょっと怖いよ?」

「申し訳ありません、変な顔とかしていましたか?」

心配そうに顔を覗き込まれてしまったが、なるべく平静を装う。


「顔と言うか、オーラ的な何かが…」

「新しい魔法とかでしょうか?」

「そう言うんじゃないけども…」

小さな頭に濡れた銀色の長い髪が張り付く様になっていて、大きくてクリクリした双眼をより強調している。光の加減で銀色に輝いて見える灰色の瞳が私を映している。不機嫌そうに尖らせた小さなお口もたまらない。


「…あの、失礼な話ですが、以前お嬢様に雰囲気が良く似た方にお会いした事がありまして、あの方の子供時代はこんな感じだったのだろうか、と、想像しておりました」

「ふーん」


お嬢様もある日突然雰囲気が変わられたので、もしかしたら私のことが分かるかもしれない。さすがに別の世界の知らない国まで追いかけて来たなどとバレたら気持ち悪かろうと秘密にしているが、それで気味悪がられたのでは本末転倒も甚だしい…。



お嬢様が魔法を使える様になって、色々と便利になったが、なにより嬉しいのは暖かい料理を食べて頂ける事だろう。本来であれば私が毒味をしてしばらくしてからお嬢様に召し上がっていただかねばならないのだが、毒無効なのだ。私は後で残り物を頂いているが、たまにおかしな味のする料理がある。本邸の方で騒ぎがあったりする様だが、私とお嬢様は至って健康なままだ。


一緒に食べてくれと懇願されるのをお断りするのは心苦しいが、それでもやはり温かい料理を美味しそうに召し上がっている姿を見られるのはとても幸せな気分だ。小さな手でカトラリーを持ち、優雅に食べようとしているがどうしても手の大きさ腕の長さが足りていない。口のサイズが小さすぎて入らない。


可愛い…。



以前は人との触れ合いを諦めた様な寂しげな雰囲気を醸し出している事も多かったお嬢様だが、今のお嬢様は2人きりの暮らしを楽しんでおられる様で安心する。



お嬢様がお嬢様であるかぎり、この生活がいつまでも続くとは思えない。

もし次があるならアナスタシア様の盾となって戦う騎士なども良いな、などと夢想するのだった。

連載終わったやつに追加するの、一度やってみたかったんや…

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