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第15話 疑惑

ほんとうはレイラとルークが怪しい関係になる話の予定だったんですけども、そう言うのは書けませんでした(

「おかしい…」


アナスタシアは呟いた。

ここはとある街の宿。

横向きで寝ているアナスタシアのベッドの隙間に納る様にしてレイラが寝て居た。


「…」




現在、アナスタシアのパーティーは5〜8人ほどである。


リーダーのルーク

魔導師のアナスタシア

双剣士のソロ

聖女のレイラ

レイラの侍女ソフィー


この5人+レイラの護衛1〜3人が基本構成となりつつある。

レイラの護衛は、普段目にするのは1人から3人程度だが、実際には10人ほど居る。

宿を取るときの基本は1人ひと部屋だが、宿の部屋の空き状況や、警備面での都合で部屋を取ったり取らなかったりしている。

今日は大部屋しか空いておらず、男部屋と女部屋には別れていたが、ベッドは人数分あった、はず。


ちなみにもう1人、アナスタシアの家の人間で猟師のフェットが居るが、彼は移動時の斥候と野宿の際の食糧調達が仕事なので、宿に一緒に泊まることは少ない。普段はどこで何をしているのか。




ダンジョンなどでレベル上げをする時は、ルークを先頭にソロ、アナスタシア、レイラ&ソフィー、殿にレイラの護衛1〜3人と言う隊列で歩く。今回の護衛は3人だ。ソフィーは非戦闘員なので、留守番もしくはお使いとして別行動の場合もある。


なぜかほんのり明るい洞窟の様なダンジョンを進む。


「しばさん、支援魔法を頼む」

ルークが声をかける。ちなみに「しばさん」はアナスタシアの偽名だ。

レイラと言い合いをした際に実名を名乗ってしまっているので、みんな知っては居るがこちらで呼ばれている。


普段、訓練にならないからとアナスタシアの支援魔法は使わずに戦うことが多いのだが、指示が出たと言うことは面倒な敵なのかも知れない。まあ、アナスタシアには見えているし、その気になれば魔法で1発なのだが。


「了解」

アナスタシアの魔導書がぺらぺらとめくれる。

ただし、あまり強力な支援魔法をかけると訓練にならないので、全員に防御力アップと耐性アップ等をかける。

防御力アップも普通のならば多少攻撃を受けたと言う感触があるので、戦いの感覚は失われずに済むだろう。

アナスタシアが全力でかけてしまうと大型のハンマーで後頭部を殴打しても気がつきもしない、などと言うことになってしまうので、それに慣れてしまうと確実な死が待っている。気がするのだ。


そうしていると、前方から虫っぽいエネミーがワラワラやってくる。少々数が多い様だ。

「うえ〜っ」

レイラが嫌そうな声を上げる。

ソフィーも口には出さないが顔をしかめている。


「来るよ!」

ルークが声を掛ける。

「おうよ」

ソロが答える。


ルークは防御寄りの戦士、いわゆるタンクなので、シールドで抑えつつ、短めのソードでチマチマとエネミーを倒していく。

レイラはルークの事を「私の勇者」と呼んでいるが、職業は戦士である。

どうやら職業の勇者と異世界から召喚された勇者は別物らしい。


ソロは元々は戦士だったが、ルークがタンクなので手数が多い双剣士に移行している。

戦士レベルも30と一般的な戦士よりだいぶ高いので、何かあってポジションを変えた場合でも、そうそう困ることはないだろう。

ルークをスルーして回り込んできたエネミーを双剣でサクサク倒していく。


中後衛は、アナスタシアが先頭に立ち、その後ろにレイラとソフィー、後方と側面を囲む様に護衛の、冒険者風の装いの騎士達が守る。

アナスタシアは魔法使いなので本来は守られる側だが、ぶっちゃけアナスタシアに怪我を負わせられる様なエネミーは存在しなかった。


とは言え訓練も兼ねているので、主にレイラの護衛達が前衛2人を抜けて来たエネミーや、後ろから新たにやってくるエネミーなんかをサクサクと倒して行った。

ソフィーはただのメイドなので戦闘時は特に何もしない。

レイラは神聖魔法を唱えるが、あまり効果は無い様だ。


この世界ではパーティーを組んでいて、一定以内の距離に居れば、誰か他の人が倒しても経験値が入る。

経験値と言う名前は伊達ではなく、溜まって行くに従って、ある程度は自分で経験したかの様な効果が得られる、が、なんとなく自分で身体を動かした方が良いのではないだろうか、と言う方針だった。


ちなみに、ソロの様に複数の職業を併せ持っている場合、多少ではあるが二次職にも経験値が入る様だ。




「…」

休憩中。アナスタシアは最近、レイラの事を観察していた。

「怪しい…」


レイラもパーティーにだいぶ馴染んでいたが、ルークとだけは余所余所しい。

いや、むしろ本来の仲を隠そうとしているのではないかと訝しんでいる。


「ソフィーさんは何かしらないですか?」

「いえ、私は何も存じ上げませんが」

どうにも気になって聞いてみたが、予想通りの答えしか返ってこなかった。

まあ、当然だろう。


「しかし、なんだろうなぁ。んむむ」

談笑している2人から、なにか寂しげなオーラを感じるのだった。




夜。ダンジョン内で夜というのもおかしい感じだが、休憩は必要。

見張り自体はレイラの護衛が交代でしてくれるので、問題ない。

それは良いのだが、なぜかレイラがアナスタシアのマントに潜り込んでくる。

確かに男共と一緒に寝るわけにもいかないし、ソフィーもレイラとは侍女として一定の距離を取っている。

消去法で選ばれた気もするがやはり…


「解せぬ…」


アナスタシアがだんだん壊れキャラになっていく気がするけど気のせいです。ええ。

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