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5-19 怪力ですか

本日3回目の更新になります。

ぼーっとしてたら忘れてました。まあ何時に上げるとか言ってませんけども

森の中から巨大な猪が出てきたと一時騒然となったが、それ自体はすぐに納まった。

猪が横倒しの状態で、尻から出てきたからだ。


「え?お嬢ちゃんらが担いで帰ってきたのかい?…」

「魔法です」


ラインハルト以外は小柄な女の子3人である。

体高2m以上はあろうかという猪を担いで歩けるようには見えない。


「と言うか首が取れてるんだが」

猟師のフェットは頭を担いでいる。


「2人がかりで切り落として倒しました」

「き、切れる物なのか?生きたまま?」


騒ぎになってしまったこともあり、麓の村には寄らず、冒険者ギルドのある街まで運び込んだ。

「筋力強化の魔法を使ったので、軽かったですよ?」

「そんな魔法聞いたことがねえ…」

冒険者ギルドの建物の裏手にある大きな素材搬入口のおっさんが呆れている。普通は荷馬車か荷車で運んでくるサイズだし、なんなら解体して持ち込むのが普通だ。下手をしたら馬車に載せられないし、なんなら馬車まで運べない。


実際、サラはバフが無ければ普通の女の子なのだが、通常のバフ魔法は本当に一時凌ぎでしかないのだ。山から大猪を担いで帰ってくるなどと言う事はまずあり得ない。


ちなみにラインハルトとメアリーは頑張れば持ち上げられる程度、アナスタシアは謎パワーで宙に浮かせられるくらいの力を持っている。しかし猪は岩などのように持ち上げると言うわけには行かないので、1人で引き摺らない様に運ぶ、と言うのは難しいだろう。


「おっかねえお嬢ちゃん方だなぁ」

「え、だから魔法で…」

「はいはい、そうだったな」

「むぅ」


誤魔化しに失敗したアナスタシアが不機嫌になるが、同類にされたサラはとばっちりである。


「これは食べられたりとかするんですか?」

生き物の死体を納品するのは初めてのアナスタシアはちょっと興味津々だ。


「食えねえ事はないと言うか、保存食とかには良いが、さすがに美味くはねえと思うぞ」

「まあ、これだけの体格を支えられる筋肉ですし、野生だから霜降りって事も無いでしょうからねぇ」

料理ができるサラが補足してくれた。

アナスタシアは自分で狩りも料理もしないので肉の良し悪しとか分からない。


「て言うか、これ、一撃で倒したのか? 傷がほとんど見当たらねえ」

「2人がかりなので一撃と言って良いのか微妙ですが」

「買取で良いんだよな。けっこう良い額になると思う、これなら」

ちょっと微妙な顔をしたが、諦めたのかぽんぽんと叩きながら答えた。


「旅の途中なので素材渡されても困りますし、まとめて買い取って貰った方がありがたいですね」

「了解だ」



「食べられないモンスターとか、死骸が残らない魔物と違って、獣はお得感ありますね。自分では食べないけど」

「そうですね。狩猟自体は本来猟師の仕事なので、あまり冒険者に依頼は来ませんけど」


金額は計算して受付に知らせると言うので、建物の表に回って冒険者ギルドの受付に入ると、酒場併設型なので早めに仕事を切り上げて酒盛りをしている冒険者達から奇異の目で見られた。巨大な猪を担いで来た少女と言う話は知れ渡っている様だ。


「やはり荷車でも用意しておくべきでしたね」

「むう、魔法です、では通じないのですね…」


「大猪を担いで帰ってきたのも凄いですが、それが日帰りなのも普通じゃ無いですよ」

受付嬢が呆れている。


「やはりAランク冒険者を有するパーティーともなると感覚が違うのですね」

受付の前に立っているのはラインハルト。


「感覚がおかしいのはどちらかと言うと…」

「なんですか」

後ろで聞いていたサラが思わず呟いてしまうが、アナスタシア以外には聞こえなかった様だ。

アナスタシアに聞こえてしまった時点でほんらいならアウトなのだろうが。


「非常勤メンバーに猟師がいまして、行って倒すだけ、と言う感じだったので、手間は無かったです」

「そうなのですか。なるほどぉ」

生返事の受付嬢。


「素材は全て買取と言う事なので、こちらで」


周りから見えないところにお金を積み上げる。

割と良い額ではあるが、普通の冒険者であれば命がけだし、死なないまでも回復薬に服や装備の補修費などを考えたら大した額でも無いだろう。素材の買取価格も、首以外に傷がなく、毛皮も肉も問題なく使える、などと言う倒し方も普通の冒険者には難しいだろうから、こんな額にはならない。


「もう出発なされるのですか?」

「ええ、明日の朝には出ることになると思います」

「残念ですが、あなた方が常駐するほどの仕事も無いですし、仕方ないですね…」


今回のような面倒な事案もたまにはあるが、高ランクの冒険者が稼ぎ続けられるほどの仕事はない、と言う場所は少なくはないだろう。ここも、よそ者に仕事を取られた、と言うよりはたまたまとは言え、化け物じみた連中が通りがかってくれてラッキーくらいに思われていそうな雰囲気だった。


「私みたいな存在は、どうなんですかね」

アナスタシアが寂しそうに呟いた。


「良いんじゃないですかね、気にしなくて。平和な土地でも問題は起こるし、そこに強い冒険者がくればラッキー、魔王が出て被害もあるけど、勇者が現れて倒してくれたらまた平和になる。そんな世界なんですよ、ここは」


「そう、ですね…」

巨大猪が本当に居たら美味しいんですかね。

そもそも猪食った事ねーですけども。

体重はどれくらいだろうか。1tとかかな? 象は6tとかあるらしいですし。


追記


猪の体重は大物でも80kgくらいと言うご指摘を頂いて、いや、体高2m以上のファンタジー猪なので、体高が2倍として4倍くらい体積があるんですよ、とか返事したんですが、比率固定で拡大して4倍になるのは面積では?(それ以前に4倍しても320kgだ)恥ずかしい。算数苦手。


ちなみにシロサイの体高が1.7〜1.9mで2t以上あるみたいなので、それより大きな猪だと1tでも小さく見積もり過ぎですかね。頭が分離してるし、血抜きされて軽くなった、と言う事にしておいてください(苦笑


ちな、イノシシの体高は55〜120cmで75〜100kgくらいと検索では出てきますね。


もう一つの問題として魔法なしで4人で1tの物を持てるか、と言う問題もありますが、さすがに一人当たり250kgだし、普通は持てないですよね。どうなんだろ。山道だし大変なんですよ、きっと(オ


魔法なんかなくても1tくらい持てるとかだったら、何か他の動物とかにしないと変かもですね…

いや、そもそも本文には猪の重量書いてないからセーフ(オ

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