表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
135/165

5-15 班分けですか

もうちょっとストックがあるので今日も複数回更新になります。

「調査のために魔王のダンジョン、いえ、元魔王のダンジョンでしょうか、行くことになったのですが、皆さんはどうなさいますか?」


海辺の町で魚料理を食べながら今後の予定を話し合っていた。アナスタシア達の移動能力は異常なので狭く感じる王国だが、実際に移動しようと思ったら生半可な広さではないので、普通は海の幸を食べる機会は海辺の人間以外にはほぼ無い。


新しいダンジョンの調査自体は依頼と言う形ではなく、自由探索だったため、報告は地元の冒険者ギルド経由ですることとなった。領主の娘であるメアリーからの指示に従ったと言う形になっているので、高額ではないがそれなりの報酬を貰い今回の仕事は終了した。これで、あのダンジョンはしばらく使えない事が周知されるだろう。


「当然、私たちはご一緒します」

メアリーが宣言する。メアリーの侍女のサラは諦めているのか慣れているのか無言で了承している。


「私はどこへでもご一緒しますよ」

ラインハルトはアナスタシア目当てで冒険者をしていると言っても過言ではない。


「私たちはもともと暇なので問題ないですよ」

「この中で仕事があるのはソロくらいだろ」

レイラやルークは当面困らない蓄えはある。

ソロは家の支払いもあるし普段の稼ぎはあまり良くない、と言うと聞こえが悪いが、稼いでいない。同じか。


「俺も10日くらいなら留守にしても問題ないが…」

既にだいぶ留守にしている。


「ソロとリリィはあまり家を開けるのも良くないし、お得意様を蔑ろにするのも良くないですね…」


「じゃあ、向こうで落ち合うか。どうせ真っ直ぐには行かないんだろ?」

「そうですね、そうしますか。忙しいようでしたらこちらのメンバーだけで見て帰りますので」

「ああ。お嬢様の荷物持ちは大丈夫かい?」

「問題ありませんわ…」


メアリーは少し寂しそうだ。


「どうせなら3班に別れますか。私とラインハルトとメアリー様とサラが1班、ルーク、レイラとソフィー班、あとはソロ、リリィ班で」


「………」

レイラが口を開けたまま物凄く考えている。アナスタシアと一緒に居たいが、たまにはルークと2人、きりではないがソフィーは侍女なので数には入らない、と言うのも乙だ。


「…あの、アナスタシア様は本当はラインハルトさんと2人きりの方がよろしいのでしょうか」

メアリーがおずおずと尋ねる。

「そう言うのは良いですからっ!!!」

耳まで真っ赤になって否定するアナスタシア。



結局3班に分かれると言うことに決まり出立した。


「さて、そんじゃ手っ取り早く帰るか」

「はい」

ソロの奴隷であるリリィは便利なユニークスキルを持っている。無限倉庫とか無限格納庫とか呼んでいるので収納系スキルのようだが、実際には任意の場所にある物を好きな場所に移動できる能力で、その中に亜空間と思われる別世界が含まれているのだ。つまり、現在地と自宅を繋げれば瞬間移動が可能なのだ。一応、人間が亜空間に入る事は出来ないようだ。


「なんか、この家に2人きりと言うのも久しぶりだな…」

「そうですね…」


「…」


「…」




「僕らはどうしようか。船にでも乗る?」

「良いわね。ちょっと遠回りになるけど、船で西に出て、そこから北上しましょうか」

「………」

ルークとレイラが並んで歩き、少し開けてソフィーが付いていく。




「普通に冒険者風の移動をしようと思うのですが、よろしいですか?」

アナスタシアがメアリーに確認する。

「冒険者風ですか?」

「最低限のお金と荷物で移動して、途中の町でクエストをしたりしてお金を稼ぎながら目的地を目指す形になりますので、ちょっと時間も労力も掛かります」

「アナスタシア様が良いのであれば、私は問題ないです」

「では、出発しましょうか」



「こう言うのも売れるんですよ」

途中、道を外れ山道を歩いていた。


アナスタシアは足元の草やキノコを取りながら歩いている。そうやっている割に何もしないでついて歩いているだけのサラが少々しんどいくらいのペースで歩き続ける。アナスタシアやメアリー、ラインハルトの移動能力はかなり高い。


「今日は必要かと思って用意しておきました」

「ええっ?!」

突然現れた狩人にメアリーとサラが驚きの声を上げる。


「ありがとう」

アナスタシアが笑顔で受け取ると、狩人は鹿肉と思われる肉と山菜などを置いて、再び何処かへ行ってしまった。アナスタシアの手下であることだけは2人にも分かった。


「今日はちょっとペースが速すぎたみたいだし、この辺で野営にしますか」

「そうですね」

「すみません、足手まといになってしまって」

サラが申し訳なさそうにするが、彼女も普通の侍女には到底付いてこれないような道程を進んで来れただけの能力はあった。ただ、一緒に歩いていた相手が悪すぎたのだ。


「明日は身体強化魔法をかけてから出発しましょう」

「いえ、そんな申し訳ないです」

「別にそんなにたいした魔法じゃありませんし、一回かければたぶん1日保つので手間もありませんよ」

「そんな強化魔法ある?」

相変わらず自分が規格外だと言う意識が薄いアナスタシアにおかしな返答をしてしまい、ペコペコ頭を下げて謝るサラだった。

なんとなくでグループ分けするの止めた方が良いのは分かっているのです。ええ(

むしろアナスタシアだけ書く様にした方が良かった説も…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ