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5-13 十賢者ですか

なんとなく十賢者を出したかっただけなんです。ごめんなさい(オ

一口にメイドと言っても仕事は様々だ。

大きな屋敷では分業は当然で、もっと言うとそう言う貴族の屋敷では料理は料理人の仕事だ。


侍女は本来主人の身の回りの世話をする役回りなので、料理などしない。


だが何故かソフィーとサラは料理が上手かった。

しかも、野営で簡易竃を作るところから自分たちで行っていた。


理由は、まあ、そう言う主人を持ったが故だ。


「料理ができる人が居るとありがたいですね」

アナスタシアは料理ができない。レイラやメアリーもだ。


「街なら食べに行けば良いけど、野営でちゃんとした食事が出来るのは凄いよな」

「………」

リリィは修行中で外での料理はソロの方がまだ上手い。留守番が多いのでどちらかと言うと普通の調理場で料理する方が多いのだ。


「悪い悪い、別にそう言う意味じゃないからな」

リリィの様子に気付いたソロが頭をくしゃくしゃっと撫でる。

「頑張ります」


ルークもラインハルトもそもそも料理はしないので美味しそうに食べている。



翌日、支度を済ませて女性陣用に建てたテントを片付けると、一行はダンジョンに入って行った。ダンジョンへの侵入を制限していた領軍は魔物に襲われてしまい居ないので、今はアナスタシアが結界を張って出入りを制限している。


この世界のダンジョンは人口の回廊風と洞窟風、それに入り口からしばらく洞窟風だが奥に行くと人工物風と言うようなハイブリッドなダンジョンが主流だ。このダンジョンは入り口だけ洞窟風なので、今までダンジョンだとは思われていなかった可能性も否定できないが、ダンジョンは常に変化するものもあるので、いつ頃から有るものなのか推測するのは難しかった。


「エネミーの強さは、普通のダンジョンとそう変わらない、かしら」

「どうだろ、よく分からないね」

アナスタシアたちの場合、強すぎてダンジョンの低層での敵の違いなど分からないので、鑑定魔法による測定結果を比較している。特別ずば抜けてこのダンジョンが危険と言う事はなさそうだった。



「これがダンジョンコア?」

メアリーの前に黒光りする多角形の石のような物体が浮いている。割と大きい。


「妙に浅いダンジョンね…」


普通のダンジョンの中層辺りでダンジョンが終わっている。並みの冒険者では上層が限界なので、誰でも到達できると言う難易度ではないが、ランクの高い冒険者や、練度の高い騎士ならばたどり着けても不思議ではないくらいのところだった。


しかも通常の場合ダンジョンコアはボス部屋の地下に埋まっていたりするのだが、普通に通路の途中みたいなところに浮いていた。


「…マスターコアは誰が持っているのかしら」

アナスタシアが独言る。


「これは、どうするのが良いと思いますか?」

「なるべく触らないのが一番だろうね」

メアリーがアナスタシアに尋ねると、代わりにラインハルトが答えた。


「おそらく彼らもそう考えて見張っていたところを先ほどの男に襲われたんだろう」

周りには冒険者や領軍の兵士の死体が多数あったのでラインハルトたちが遺品などを回収していたのだが、作業が終わって集まって来た。冒険者章などを近くの街へ届けるのだ。


「そうね、コアに何か有ればダンジョンが崩壊したりとかもあり得るでしょうし。とりあえず、ここまで入り込めないようにするのは簡単だけど…」

アナスタシアも困り顔だったのだが、メアリーが妙に楽しそうにアナスタシアににじり寄る。


「この世界には十賢者と呼ばれるあらゆる知識を持った人たちが居るそうですが…」

「………」

アナスタシアは苦虫を噛み潰したような顔をして目をそらしている。


にじり寄るメアリーに根負けしてアナスタシアが口を開く。

「…十賢者を名乗っていた者たちは今、封印された都に居てですね…、この魔導書を通じてこちらの世界の情報を吸い上げていて、その代わりに私が単独で行使できない魔法を使う時などに手伝ってもらうと言う契約になっていたりします…」

「やはり…」

メアリーの目がキラキラしている。


「でもそうなると、十賢者の知識はその魔導書に記された内容って言うことになるのでは?」

「あ、そうですね…」

「そもそも賢者といえば聞こえが良いですが、アナスタシア様は大賢者様ですし…」

「十人寄ればなんとかと言いますし、聞いてみるのも手では?」

「それ、三人寄れば姦しいでは?」



『おお、そちらから連絡を寄越すとは珍しいではないか』

魔導書を開くとその上に身長30cmほどの人影が三人現れた。

その姿は透けていると言うか、光で描き出されていると言う感じで、しかも少しノイズが入っている。どこか遠くの様子を映し出しているのであろう事が見て取れた。


「え? 十賢者はエルフ? いえ、右の方は竜人でしょうか」

『うむ、十賢者はヒューマン、エルフ、ハイエルフ、妖精族、竜人、魔族、獣人など、さまざまな種族が十人じゃ』


彼らが十賢者を名乗り始めた頃はまだ、職業などのシステムがなかったので、アナスタシアの持つ大賢者とはまた別物だ。知識においても必ずしも共有しているわけではないため、十賢者が知っていてアナスタシアが知らないことも、その逆もあり得るのだった。




正直賢者達よりもアナスタシアの方が物知りで頭も良いので意味ないんだけど、本編で臭わせてたので出したかったんです。出てないですけど(

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