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5-12 もう遅いですか

本日2度目の更新になります。

しょっぱなから出落ちキャラとの掛け合いで済みません

「ダンジョンの秘密を制することが出来れば世界をも制する事が可能なのだ。ここは通すわけにはいかんな」

「やはり貴方ですか、ヴォルガス卿。いえ、いまさらそんな呼び方は必要ないですかね」


「ふん、そこまで分かっていて小娘を差し向けるとは、無知蒙昧にも程がある」

禍々しい全身甲冑を纏った男は剣を抜いた。


「その台詞は私を倒してからにしてもらいましょうか」

対するのはダンジョン探索のために乗馬服風の動きやすい服に着替えたメアリーだ。


「ふんっ! 英雄の領域までもう直ぐであるこの私と勝負しようと言うのか、この小娘が!!」




ドラゴンはたまたま開けたところだったこともあって顔を出しただけだと言って帰って行った。基本的にアナスタシアの行動は把握していて本体はここになくても良いらしい。ドラゴンの感覚が人間には分からないのでなんとも言えないが、一緒に行動する必要はないのだそうだ。


いくら街から離れたところだとは言え流石に200m近くある巨体が空を飛んでいれば騒ぎになりそうなものだが、それも、アナスタシアと同じような認識疎外的な魔法を使っているので、おそらくは大丈夫だろうと言う事だった。この世界の人間のレベルは総じて低い。グリフォンの方が余程察知能力は高いのだ。


テイマーの男は尋問した後、身動きが取れないようにして放置した。

敵対した人間には非情な者たちであった。


ダンジョンが近くなってメアリーとレイラは衣装チェンジした。

メアリーは乗馬服に防具を足したような動きやすい服装に。

レイラはアナスタシアと色違いの白いローブ姿だ。

レイラは基本的に戦闘はしないのだが、未知のダンジョンと言う事でいつもよりは冒険者っぽい服装だ。

2人とも服は選択するだけでチェンジできるのでサービスシーンは無い。


メイド2人とリリィはフード付きのマントを上から羽織った。

一応、防御力なども上がる物だがどちらかと言うと汚れないように、だった。


ダンジョンの入り口が見えて来た。

その周辺に領軍の兵士らしき死体が散乱している。先ほどのテイマーが放ったと思われる魔物がウロウロしているところを見るとアナスタシアたちを襲う前にここを制圧したのだろう。テイマーを失った魔物は統制を失っており、アナスタシアのパーティーの接近に恐れをなして逃げ去った。


騒ぎに気がついたのか、ダンジョンの入り口から、甲冑を着込んで顔も確認できない男が現れたのだった。




「我が魔剣の一撃を受けてみよ」

重い一撃。

メアリーはどこかから出した刀で凌ぐ。

幅広の剣にしては速い切り返しで連続攻撃を放つ鎧の男。

メアリーは素早い足捌きで最低限の防御を行う。


側から見るとムキになって剣を振り回す子供と達人だ。


「………」

一瞬の隙をついて無数の斬撃が鎧の表面を撫でるように走る。

が、何か変な光を放って攻撃が無効化されている。


「…くっはっはっは。無駄だ。この鎧はあらゆる攻撃を無効化するアーキテクト。貴様のような小娘が小手先の技で壊せる代物では無いわ」

男はあまりの実力差に一瞬言葉を失うが、ダメージを受けていないことに気を取り直して強がった。


「面倒ですね…」

メアリーは実力差的に不安は感じていなかったが、後ろに待たせている人たちの迷惑を考えてため息をついた。

男の言葉からまだレベル30以下だろう事は分かるし、アイテムも良くてダンジョン中層で発掘されたレアアイテムだろう。メアリーはレベル40、手にしている刀は最下層ボスを自らの手で倒して手に入れたレア刀だ。


「本当に面倒ですね」

アナスタシアが呟いた。

アナスタシアの場合、純粋に対人戦が嫌いなので面倒くさいのだ。


「すみません、先鋒を譲って貰ったにも関わらずこの体たらく…」

メアリーが申し訳なさそうに謝る。


「そんなガラクタ、どうとでもなるのですが、一番手っ取り早い方法で倒して良いですか? 面倒くさいので」

「貴様のようなチビにこの鎧が壊せるものか」

「鎧なんてどうでも良いんですよ」


アナスタシアは認識疎外の魔法を一部解除した。

男が膝から崩れ落ちた。アナスタシアを敵と認識したのだ。


「貴方の鎧が不思議な力で攻撃を遮断するように、私のユニークスキルは距離だろうが障害だろうが、あらゆる条件を無視して相手にデバフをかけます」

「ま、待て、話し合おう」

「先に断っておきますが、パッシブスキルなので私にも止める事は出来ませんから、今更何を言ってももう遅いです」


「そ、そんな…」


鎧の男は古今東西のあらゆる状態異常をくらいスリップダメージで衰弱して死んだ。

即死にならなかったのはそれでも鎧の効果があったのだろう。良かったのかどうかは別として。


「ごめんなさい。つい…」

「いえ、助かりました」

アナスタシアは自分が嫌いなタイプの敵を野放しにする事ができない性分なのだ。


「おかげでここに来た目的の半分は片付きました。後はダンジョンの調査ですね」

「何が出て来ますかね」


「出鼻を挫かれましたし、ここで野営にしませんか?」

侍女のサラが提案する。

サラは人並みのレベルの非戦闘員で、先ほども気を失ったりしていたので疲れているのだろう。

別に急ぎの調査でも無いので、提案を受け入れることにした。



認識疎外と言う言葉が便利すぐる


ドラゴンは認識疎外で見えてないだけでずっと居るのとどっちが良いか迷いましたが、さすがに学校のグラウンドに収まらない化物が常時居るのは邪魔そうなので止めました。まあ、飛行技術がない世界なのでそこまで邪魔にはならないと思いますけども

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