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5-11 テイムですか

今日も何本かあげる予定なので、早めですー

「魔法とはそもそも神との契約。必要なのは契約とそれを行使するための儀式…。本来そこに限界などは存在しない…」


アナスタシアの言葉に全員が押し黙った。

それはこの世界の魔法の常識とはあまりに違う物だったがえも言われぬ説得力があった。


「アナスタシア様、貴方は、やっぱり…」

アナスタシアの醸し出す雰囲気にメアリーが洩らす。


「我らがアナスタシア様も王都で…」

「余計な事は言ったらダメです」

ラインハルトが面倒なことを言いそうになったので、アナスタシアが手を伸ばして口を塞ぐ。

壊滅した王都を救った奇跡を目の当たりにしていたのはラインハルトとルーク、それにレイラの3人だけだ。もっとも王都に居た数千人も同時に体験しているわけだが。


慌てているアナスタシアの様子を見て目を細めるラインハルトの視線と、指先に感じるラインハルトの口元の感触にアナスタシアの顔が見る見る真っ赤になっていく。


「あわわわわわ」

離した手を後ろに隠して、バックで離れていくと、レイラの後ろに隠れた。アナスタシアも体格が良い方ではないが、レイラはもうひとまわり小さいので、隠れるには無理がある。


レイラもラインハルトも嬉しそうだ。ルークやソロは呆れ気味、ソフィーは無表情だ。

メアリーとサラは反応に困っていた。



そんな事をしていたら何かが飛来した。


「おー、アレはきっとグリフォンですね」

「グリフォンですねって、そんな」

メアリーの侍女、サラが叫ぶ。


グリフォンとは上半身が鷲、下半身がライオンで、翼をもつ生物である。

そのサイズは前足にあたる鷲の爪で牛を数頭掴めるほどと言われている。


個体差があるのか若い個体なのか今回飛来したグリフォンはそこまで巨体ではないが牛よりははるかに大きそうだ。


慌てふためくサラを放置して、みんなでグリフォンの動向を見守っている。

巨大な翼で風を掴んでゆっくりと旋回している。


「おいで〜」

アナスタシアに至っては手を広げて迎えるそぶりをしている。


旋回しながら一行の前にこちらを向く形で着陸した。

心なしか何か困っているように見える。


風圧でスカートがめくれそうになり、女性陣が裾を抑えるなか、アナスタシアはグリフォンに近づいて行った。


「わー、モフモフだぁ」

上半身は羽毛、下半身は獣毛だ。


「何をしている、そいつらを殺せ」

どこかから出て来た、魔術師風の男が怒鳴るがグリフォンは困り顔だ。


「テイマーか。グリフォンを選んだのは失敗だったな」

「な、なんだと?!」

アナスタシアに近づきながらラインハルトが諭すように話しかけた。

「ある程度知能が高いモンスターがアナスタシア様に戦いを挑むわけがないんだよなぁ」

「ど、どう言うことだ」

ソロは呆れ顔だ。


「テイマーの力はエネミーを支配できる魔法だと思っているようですが、実際にはエネミーとの意思疎通を手伝っているだけなので、必ずしも戦ってはくれないのですよ」

グリフォンをモフモフしながらアナスタシアが説明する。


「そ、そうだとしても、それで貴様らと戦わない理由が分からん…」


『まあ、その娘の強さもあるだろうが、ワタシが原因だろうな』


上空から、いや、頭の中に直接声がする。

サラが驚いて失神してしまった。


上空から現れたのはドラゴン。全長200m近くはありそうだ。身体の大きさから考えると小さすぎる蝙蝠の翼はあまり羽ばたいたりはしていないし、風圧なども届かない。魔法か何かで飛んでいるようだ。とは言え、この世界には純粋な飛行魔法も存在しないので、魔法だとしても相当なことだ。


もっともこれだけ巨大な生物が接近していることに誰も気がつかなかったのは転移して来たからであり、もはや人知を超えている。


「………」

テイマーの男は固まったまま動かなくなってしまった。

グリフォンはアナスタシアがモフモフしていたがやがて飛び立った。


「貴方はやはり聖女アナスタシアの生まれ変わりとかではないのですか?」

「なんです?」

「今でこそ、洗礼によって人は魔力を得て魔法が使えるようになりますが、もともとそんな物はなく、魔法自体聖女アナスタシア様が残した契約を元にしているらしいです」


「…」


アナスタシアも初めはいつの間にか魔力を身に付けて、なぜか身に付いた魔法を使っていた。

聖女アナスタシアが残した洗礼と言うのはスキルシステムに違いない。

今は聖堂や神殿などにシステムとして組み込まれているのだろう。


「聖女アナスタシアがどこかに隠した魔導書には今知られている何倍もの魔法が記されていたと言われています」

「魔導書…」

アナスタシアが魔導書を出す。

「魔導書…」


「…でも、これはルークに貰った…」

『それはワタシがソフィア、いや、今の話の流れだとアナスタシアか。彼女から預かりダンジョンの奥深くに仕舞っておいた物だ』

「それを俺が勝手に拾ってしまったって事?」

ルークが尋ねる。

『だが、最適な結果になったと思っておる』

「…そうね」


「や、やっぱり、私は今伝説を目の当たりにしているのですね」

メアリーが嬉しそうに胸の前で祈るように指を組んでアナスタシアを見つめた。


「そう言うの止めてくださいー」


もうアナスタシアは気がついているはずなんだけど、筆者が下手くそなせいでなんかいまいち微妙な感じになっててすみません。エピローグのはずなのに締まらないw

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