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5-9 伝承ですか

本日2回目の更新になります。

メアリーは本編に出てきた名前のないゲストキャラです。

「あら、ポーターさん」

「おお、お嬢様じゃん」


彼女の名前はメアリー クラーク。この辺りの領主の娘だ。


「どちら様ですか?」

「………ポーターの…」


「誰?」

「えーっと?」




「ふふふ、今日は久しぶりにアナスタシア様と寝ることが出来ます」

「なんでよ。自分のベッドで寝なさいよ」


新たに発見されたと言うダンジョンを見に行こうとみんなで出かけた旅の道中、レイラは何故かアナスタシアのベッドに潜り込んでくる。


「アナスタシア様の匂いは落ち着くのでよく眠れるのよ」

「そんな馬鹿なことある?」


この夜の宿はルークとラインハルトが個室、アナスタシアとレイラとソフィーが3人部屋に泊まっている。別に女性も全員個室を借りても構わなかったのだがレイラがせっかくの旅行だからと主張したのだ。宿側が奴隷の宿泊を嫌がるので、ソロとリリィは連れ込み可のそう言う宿に行ってしまった。


新たに発見されたダンジョンは王国の南側にあり、王国のほぼ中央に位置するソロの家がある街からはほぼ真南にあたる。アナスタシアには直接ダンジョンまで移動する方法もいくつかあるにはあるのだが、基本的に物見遊山の旅なので徒歩や乗合馬車を利用して移動する事にした。


ここは途中で立ち寄った街だ。


気候的には南に移動してきたので多少は暖かいようだがそれほど変わりはなく、南国、とまではいかなかった。そのため街並みなども拠点にしている街の中心辺りとそう変わらないが、南には海、東西の国境までだいぶ距離があるにも関わらず街全体が防壁に囲まれて居ることから、魔物やモンスターなどは多い事が推察される。


翌朝、レイラとリリィが妙に艶々している以外は特に何事もなく朝を迎え、メインストリートで合流すると、ソロに声を掛ける令嬢が居た。


「おひさしぶりです。…えーっと」

「ああ、えーっと、なんだ。うん」


お互いに名前が出てこない。当然である。名乗っていないのだ。


「えっと、以前命を救われたことがあって…」

「まあ、そうな」

「え? お嬢様の命の恩人と言う事は、お嬢様よりもお強い方なのですか?」

メアリーが連れていた侍女に説明しようとしている。


「あー、そう言う」


なんとなく事情を察して声を出したアナスタシアの顔を見てメアリーが目を丸くする。


「ア、アナスタシア様?」

「はい。失礼ですが、どこかでお会いしましたか?」

アナスタシアの記憶にないと言う事は、直接は会っていないはずだが、アナスタシアも一応、上級貴族の令嬢である。どこで見られているか分からない。


「え? アナスタシア様なのですか?」

「え?」

「え?」

「え?」



「失礼したしました。実は我が家に伝わる書物に幾度かアナスタシアと言うなの女性が現れるのですが、そのいずれもが、銀色の髪の美しい少女と言う共通点があるのです」


「…まあ、珍しい名前ではないですし」

アナスタシアは珍しい名前ではないし、銀髪も居なくはない。とアナスタシアは思っている。


「このアナスタシア様も十分語り継がれそうなアナスタシア様だけどね」

「どう言う意味ですか」

ルークの軽口を非難するアナスタシア。


「その伝承のアナスタシア様と言うのはどう言った方だったんですか?」

レイラが興味津々だ。


「一番古い物では、この国に最初に現れた聖女で、魔法やスキルと言った物を人々に伝え広めたとされています」

「聖女なのに神聖術ではなく魔法なのですか」

違和感を訴えたのはアナスタシアだ。

「厳密には魔法の基礎になるような物だったそうで、今残っている魔法とも違う物だったとか。そもそも、魔法も神聖術も無かった時代の話ですしね」

「ああ、そうですよね…」


「各地に残る記録をまとめると数百年にわたって活動されているので、人ではないと言う説もあるようですね」

「女神とかでしょうか」

レイラは何か楽しそうだ。


「このアナスタシア様とも通ずる物がありますね」

ラインハルトが腕を組んで云々と頷きながら呟く。


「変なことを吹き込まないでください」

隠そうとしていると言うより、アナスタシアは自分がそれほど大したことをしているとは思っていないのだ。


「この方も普通の人とは違う感じだったりするのでしょうか」

「そんな事はないです」

「その通りです」

「普通ではないですね」

「なんと言うか、なあ」


「えええ?」

アナスタシア1人意見が合わない。



「ところで、今回はもしかして新しく発見されたダンジョンに向かわれるのですか?」

「そうだけど、やっぱ多いのか?」

メアリーとは宿を出たところで出会ったので、どちらから来てどこへ向かっているかは分からないはずだった。


「いえ、危険度が分からないこともあって、制限されていますからそれほど多くはないのですが、もしやと思いまして…。良ければ、私たちも同行させて頂きたいのですが」

「んー、どうする?」

他のメンバーに確認するソロ。


「自分たちの身は自分で守れると言うのなら構わないが、そうでなければ…、有料になりますが」

意外と冒険者が身について来たラインハルト。


「あ、そうですね、お仕事ですものね。でしたら、護衛と荷物の運搬をお願いしても良いですか? ポーターさん」

「ははは。了解だ」



これを書くのに改めてメアリーの話を読み返したら、全く辻褄が合ってなくてどうしようかと思ったけど、直すあてもなくてそのままにしてます。なんで殺されかけたんですかね、この人(オ

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