5-8 新たなダンジョンですか
ちょっと早いですけど、今日は何話か上げようと思っているので。
いつ貰ったのか分からないんですが、評価とかありがとうございます。
「ラインハルトが居てくれると、オーダーの報告がスムースで助かりますね。ウチの人間は表に出たがらない人間と出られない人間ばかりなので…」
アナスタシアは姉とその騎士団を壊滅させて依頼、隠れて活動している。
レイラは元王女だが、ルークと一緒に居るために隠密行動している。
そのルークはこの世界の人間ですらない。っぽい。実際のところどうなっているのか誰にもわからない。
ソロは自分をポーターだと言い張っている。
ソロの奴隷と言う事になっているリリィは立場的に冒険者ですらない。
消去法でソフィーがたまに小さなアイテムを持ち込んで換金していた。これまでは長く一か所に留まることも無かったし、ソフィーのキャラクターもあって「メイドなので何か事情がある貴族か何かの使いだろう」と言う事でごまかせていたらしい。
ソロはポーターとして活動しているので、その収入で生活している。
「アナスタシア様のお役に立てて光栄です」
ラインハルトは表立ってAランク冒険者として活動しているので、依頼の受注も危険なエネミーの素材の売却も問題なく可能だ。むしろしない方がおかしいと言える。
「…様は止めませんか?」
「何故です? みなさんアナスタシア様と呼んでますし、私も敬意を示したいのですが」
「うぐぐ」
困っているアナスタシアを見つめるラインハルトの目が楽しそうだ。馬鹿にしているとかではなく、アナスタシアの一挙一動全てが微笑ましく感じられるらしい。お父さんか。
冒険者ギルドに着くとラインハルトとアイテムを持ったソロが受付カウンターに向い、残りのメンバーは、入って左側にある待合スペースのテーブルについた。アナスタシアはカウンター側だ。うるさいので。
だが、アナスタシアには背後でラインハルトに群がる女冒険者や、カウンターの受付嬢の態度まで全て詳細に把握できた。ハイスペックなのも考えものである。
「アナスタシア様は地位とかあまり気にしている様子はないのに、やっぱり公爵令嬢としての立場は譲れないのかな?」
「違うわよ、あれは恥ずかしくてベタベタしたり出来なくてイライラしているだけだわ」
「あー、なるほど」
「もうくっついちゃえば様がどうとか気にすることもないのにねぇ」
「だよね」
ルークとレイラが小声で話しているのが聞こえる。
「な、なななな…」
「あ、ラインハルトさん、と、やたらと女性冒険者に人気のポーターさん、お帰りなさい」
「ああ」
「なんかトゲがある言い方なのはなんなん?」
受付カウンターで報告する2人と受付嬢だ。
「色々と悪い評判も聞いていますよ」
「本当に悪人だったら高評価も出ないだろ?」
「まあ、そうですね…」
「とりあえず、依頼の報告、と、道中手に入れた素材の買取を…」
「あ、はい、失礼しました」
ソロと受付嬢の顔が変わる。なんだかんだ言ってふざけていただけらしい。仕事モードだ。
「本当に、ラインハルトさんが来てくれて良かったですよ。報酬に対して難易度が高すぎて受けてくれる方自体少ない仕事も受けてくださるので特殊な薬なども手に入りやすくなりました」
受付嬢は知らないので絶賛しているが、実は彼らがダンジョンの深部だと思っているのは、まだまだ上層であり、その下に中層、下層・深部がある。アナスタシアのパーティーであれば散歩程度の難易度だ。
「ジュディーさんの救助に関しても、大した額ではありませんがギルドから報奨金が出てますので、全部でこれだけですね」
カウンターの周りからは見えない位置に硬貨が積み重ねられている。ラインハルトが確認すると革の袋に詰められた。
回復術師のジュディーはダンジョン内でパーティーから逸れた際に救助されたと言う報告をしていた。事故があった場合ほぼ生きて帰ってくる事のないエリアだったことから、ギルド的にはパーティーを失った冒険者と言う扱いになるらしい。
「それから、緊急の依頼と言うわけではないのですが、新たなダンジョンが発見されたと言う報告が入っていまして…」
「新たなダンジョンですか?」
普段冷静なラインハルトもびっくりである。
それもそのはず、ここ数百年の間に新しいダンジョンが発見されるなどと言うことは無かったにも関わらず、魔王のダンジョンに続いて2つ目だからだ。
「未確認ですが、ダンジョンコアなる物が見つかったと言う報告もありますので、手すきでしたら調査に向かってもらいたい、との事です」
「それはちょっと興味深いですね…」
「ダンジョンコア、ですか。伝説の領域に入った冒険者が居たのか、ダンジョン自体が浅いのか…」
アナスタシアの知る限り、ダンジョンコアは最下層に存在している。
途中で見かけた事はなかった。
「確かにそんな物が見つかったと言う話は聞いたことも見たこともないね。と言うか、ダンジョンコアってなんだ?」
「鑑定魔法で調べたんじゃないですかね。でなければ、それが何かすら分からないはずです」
アナスタシア様は分かるのか? とは誰も言わなかった。
「とりあえず、興味深いのは確かですね」
「アナスタシア様が興味あるようなら、私もお供しましょう」
ラインハルトが答える。
「本来逆じゃないですかね、それ…」
ダンジョンの設定とか方角とか適当に書いてきたので、辻褄が合わないところが出てくると思いますが、その辺はアレしてください(