表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
115/165

4-25 ロールプレイ

本日3度目の更新です

「おはようございます」

「あ、おはよう」


駅前のバスターミナルを越えるための歩道橋の階段の脇で待ち合わせ。

おはようと言っても早朝では無い。

照は命とアナスタシアが向かい合って何か話しをしているようだったが声をかけた。


「どーも」

エルフもといアイリスもやってきた。


今日は5人で海に行く。5人で。


「………」

帝は命の後ろに隠れるようにくっついていた。




「ただいま〜」

海に行く前日、命は実家に帰ってきていた。

命のマンションよりも実家の方がだいぶ近いのだ。


「こんにちわ」

アナスタシアも一緒に来た。


「お帰り。アナスタシア様もいらっしゃい」

ちょっと複雑な顔をした帝が迎えた。


「上がって上がって。あ、靴は脱いでね」

「ふふふ、分かってますよ。おじゃましま〜す」

命はさっさと上がってアナスタシアにも上がるように促す。


荷物を置くと居間で寛ぐ事にした。


帝がコーヒーとお菓子を用意して居間に行くと、命とアナスタシアが並んでソファーに座っている。アナスタシアは外国人どころか妖精のような容姿で、全く似ていないがアナスタシアと命の2人はまるで姉妹のようだ。会話も楽しげだが、言葉を交わさなくても分かり合っている感じがする。


夕食の支度を手伝うと言うアナスタシア。


お風呂から出て命とお揃いの部屋着に着替えるアナスタシア。


帝から見ても可愛い姉妹のようだ。


「………」



「私の部屋も掃除してくれてるんだね」

命が居間に戻ってきた。

「たまにね…」

「アナスタシア様、今夜は私の部屋で良いかな」

「はい」


「なんか、随分と仲がいいよね、2人…」

「うん、可愛い妹が欲しかったんだよね」

言いながら、ちらっと帝を窺う命。

「………」

帝は項垂れて何も言わない。


自分は可愛い妹では無い。


姉の事は大好きだが素直には成れなかった。

両親も優しいが、姉は別格だった。


いつも一緒だった。


上手く行った時、一緒に喜んでくれた。


ちゃんとしたら褒めてくれた。


間違った事をした時は本気で叱ってくれた。


悲しい時は一緒に泣いてくれた。


ストレスで自分をコントロールできなくなって八つ当たりした時は黙って話を聞いてくれた。


姉はスポーツ万能で頭も良くて努力家で、長身で優しげで可愛らしい。

自分に何があるだろうか。

必死に命の後を追いかけてきたが、もう良く分からなくなった。


「はーっ」

「…」

黙り込んでしまった帝に命が大きくため息をつく。


「なんで、そこで我慢しちゃうかな」

命が呆れたように呟く。

「え?」


「ゲームの中ではあんなに積極的に絡んでくれてたのに」

「えと、うん…」


「私は、可愛い妹が欲しかったんだよね」

「…」

帝の顔を両手で挟んで正面を向かせる。


「頑張ってる帝の邪魔はしたくはなかったから、何も言わなかったけど、別に私の真似をして欲しかったわけじゃない」

「…」

「私はお姉ちゃんで、帝は私の可愛い妹。それじゃダメかな」

「…ダメじゃ無い」

「よし、じゃあカモン」

命が両手を広げる。

「…」

帝がアナスタシアを見ると、嬉しそうに笑っていた。


帝は命の胸に顔を埋める。もともと身長差があるので、ちょっと屈めば自然とそうなる。

命は抱きしめて帝の頭に鼻を突っ込んでる。


「あ、なんか勝手に私の理想の姉妹像押し付けてるけど、帝に希望とかあったりする?」

「…お姉ちゃんはお姉ちゃんのまんまで良い。ううん、そのままが良い」

「そっか、良かった」




と言うわけで、帝は甘えん坊さんモードが抜けきらないのと、なんとなく恥ずかしくて命の顔が見れないので後ろに隠れていたのだった。




水着に着替え終わった順に海岸に出た。

1番はアナスタシアだ。

一瞬なので。黒いワンピース水着が白い肌を映させる。

髪型も編み上げてまとめているが、これすら選択するだけだ。

速い。


2番目は命だ。

何をするにも思い切りが良い。女しか居ない更衣室だからと言って、普通は多少躊躇する。

赤のビキニだが態度が男前なのでいやらしさは無い。


3番、4番はほぼ同着で照とエルフ、もといアイリス。

照は水色のワンピース。フリルとかついてる。

アイリスは結構エグい黄色のビキニだ。


出てこないので命と照が帝を更衣室から引きずり出してきた。

ピンク色のワンピース水着を着ている。


「さあ、遊ぶのじゃ」

「のじゃ?」

声の主に振り向くと黒ビキニの美女が立っていた。

「随分と大人っぽいんだな」

「あの姿で1人でウロウロしてたらうるさい奴がいるのじゃよ」

「ああ、まあ、そうだろうなぁ」


「俺たちと一緒に遊ぼうぜー」

ナンパも集まってきた。

「今日は子供たちの引率だから」

「そこまで小さく無いじゃん。大丈夫だろ。良いから遊ぼうぜ」


 うざ


「私も被保護者なのかしら、やっぱり…」

エルフは美人だがぱっと見幼女だ。どこがとは言わないが。


「いーや、俺たちと遊ぼうぜ」

見覚えのある顔の男たち。いや、女の集団もいる。

大学の連中、いや、正確にはエターナルエンパイアオンラインのプレイヤーたちだ。


「更衣室の前に溜まってると邪魔だから!!」


何人いるかも分からないほど人が溜まって大騒ぎになったので、命が解散させた。



命は妹大好きですが、帝はシスコンこじらせレズです(オ

説明するまでもないと思いますがのじゃ言っているのはヨルムです。

て言うかヨルムってのじゃとか言ってたっけ(オ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ