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第11話 召喚者

とりあえず、前衛2人、中後衛の魔法使いと聖女と騎士で、結構なパーティーになりました。と言うかなる予定?

「見つけたわよ、私の勇者!」

金髪をツインテールにした小柄で生意気な感じの少女が仁王立ちで宣言した。

「私は聖女にして勇者召喚の巫女、レイラ」

ツインテ少女が高らかに名乗った。

「お…」

「お?」

「お前が犯人かーっ!」

「何ーっ」




「それで、ここはなんなんだ?」

アナスタシアは少年と新たな仲間の3人で例の神殿跡に来ていた。

例の。


「俺たちはちょっと事情があって、あまり大きな街とかには行きにくいんだけど、ここは誰もいない上に大聖堂なんかと同じ様な手続きが出来るんだ」

少年が説明する。


「手続き?」

「レベルアップに伴ってスキルを設定したり、職業を変えたり出来るのよ」

とアナスタシアが答えると、少年が補足する。

「レベル29になったよね。レベルキャップがあって今はこれ以上は上がらない状態だけど、レベルキャップを開放することで次は49、その次は74、最終的に99まで上げることが出来るんだ」

「ほ〜」

まったく実感がないらしい。

「職種を変えることで、全く違う職業に転向したり、ひとつの武器に特化することも出来るから、お好みで」

「転職したらレベル上げし直しなんだろ? ゆーて、何もしないでダンジョンひとつ踏破で29まで上げてもらった俺が言うのもなんだけどよ」


「てゆーか、まだ名乗ってなかったな。俺はソロ」

新メンバーで元ポーターの男が名乗った。

「じゃあ、ルークで」

少年が名前を決めた。

「じゃあってなんだよ、じゃあって」

「じゃあ、私はしばさんで」

「どーゆーこと?」




ルークが防御寄りの戦士、いわゆるタンクと言うことで、ソロは攻撃特化の双剣士に転向してレベルを上げ直すことになった。もちろん、戦士を二次職に設定できるので無駄にはならない。

オーバーしていた経験値が勿体ないので、レベルキャップを開放して戦士レベル30にしたあと、双剣士に転職した。


そうこうしていると、金髪の少女が数人の従者を連れて現れたのである。



「ちょっと、なんなのよ、そもそもその態度は何? 私は先王の娘で偉いのよ」

あまり語彙のない聖女であった。

「いや、この世界で偉い人かなんか知らんけど、おれはこの世界の人間じゃないし…」

「俺もお貴族様とか聖女様とか言われても初めて見たからどうして良いのやら…」


「と言うか、こう言ってはなんだけど、既に王位は王弟だった今の王様の家系に移ってて、あなた自身は王女ですらないですよね」

「な、なんでそんなに詳しいのよ」

「私は今の王太子ラインハルト殿下のごにょごにょごにょ…」

アナスタシアが口籠る。

「あー、思い出した、お前、ブラディスラヴァ…」

「違いますー、私は妹のアナスタシアですー」

「嘘よ、こんなクソ女と違って、妹は可憐で大人しい子のはずよ」

「誰がクソ女ですか」


「本名宣言しちまってるけど良いのか?」

「ふぁっ」


レイラの従者、冒険者風を装っているが明らかにそんなレベルじゃない体格の男3人とカラーやプリム、エプロンを外したメイド服と思われるワンピース姿の侍女が微妙な顔をしている。どうやらニヤけるのを堪えている様だ。




「ちょっとなんであんたまでこの宿に来てるのよ」

いつも通り、宿で部屋を取り食堂で食事をしているとレイラとその侍女がやって来た。

さすがに男3人は別行動らしい。おそらくどこかから監視はしていると思うが。


「これから魔王退治に行くんだから当然でしょ?」

「あんたはどっかの屋敷にでも泊まりなさいよ。宿の人に迷惑でしょ」

「お前だって同じ様なもんじゃない」

「私はほら、普通に冒険者だし」

何か自慢げにポーズを取るアナスタシア。


「てゆーか魔王退治とか行かないし」

「何言ってんのよ、お前は私の勇者なんだから」


そんなやりとりに聞き耳を立てている男達がいた。



「…何この狭い部屋は」

ベッドしかない狭い部屋を見て呆然とするレイラ。

侍女は支度が終わると隣の部屋にいますのでと言って出て行った。


硬くて狭いベッドに文句を言いつつも旅の疲れもあって早々に眠ると、夜中に物音がして誰かに引き起こされる。

口を抑えられて声が出せない。

「おいおい、大人しくしてくれよ、げへへへ」

汚らしい男にベッドから引きずり出されたところだった。

恐怖にひきつりながら振り解こうとする。

細く小さな身体だ、ちょっとやそっと暴れてもどうにもならない、そう思った瞬間、振り解かれた男が手を放し、煉瓦造りの壁を突き抜けて落下していく。

「?!…」

「な、てめえ」

落ちて行った男の仲間がナイフを抜いて襲いかかる。

腕で頭を守る様に縮こまるとナイフが火花を散らす。

反射したダメージで男が壁に叩きつけられて気絶した。

「な…」


「でん…、お嬢様、大丈夫ですか?」

護衛の男が駆け込んでくる。

「まったく、こんな事だと思ったわ。強化魔法かけておいて良かった」

アナスタシアたちも眠そうな顔して入ってくる。

「強化魔法って、そんなのいつ?…」

「食事の時よ」

一般的なバフは数秒から長くても数分である。


「とりあえず、あなたに此処の始末をお願いしても良いかしら」

レイラの従者に宿への対応と賊の始末を頼む。

「あなたは私の部屋に来なさい。今日は仕方ないから一緒に寝てあげるから」

「え?でも、夜は殿方とあんなことやらこんなことやらするんじゃ…」

「しないわよっ」

ついつい1話にまとめてしまう病が

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