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4-14 エルフの隠れ里

しばらく1日1回更新できたら良いなと思ってます。

「こんにちは」

金髪の美少女に話しかけるアナスタシア。

「…」

ジト目で見上げる金髪美少女。結構嫌そうな顔だ。

「驚かないんですね」

「まあ、ね」


ファーストフードで休憩していたらいきなりアナスタシアが現れたのだ。

前回会った街では無く地元だ。

服装はこちらの世界の、ちょっとお出かけする感じのワンピースだ。


「落ち着いて考えれば、魔法も使わずに四大精霊を召喚して使役するどころか、精霊側が何かやらせろとか言い出す存在が何した所で不思議でもなんでも無いもの」

もう目が座っている。


「ちょっと残念」

嬉しそうに言いながら隣に座るアナスタシア。

「ちょっと近く無いですか」

擦り寄られる。

「近いですね。ふふふ。それで、こちらではなんと呼べばよろしいのでしょうか」

相手の金髪美少女はゲーム内ではセーヤと呼ばれているエルフだ。

「こちらでの偽名はアイリスよ」

「偽名なのです?」

コテっと首を傾げるアナスタシア。

細そうな銀色の髪がさらりと流れる。

光の加減で銀色に輝く灰色の瞳がこちらを覗き込んでいる。


「…そう。本名はセシリイーヤ。ゲームで使っている名前は本当の愛称よ」


「あら、バラしちゃって良いんですか?」

「言わなくても分かるんでしょ?」

「まあ、そうですけど」

ちょっと唇を尖らせてつまらなそうにするアナスタシアの様子に変な汗がでる。


エルフは精霊と契約して魔法を使う。

あくまで、古の術によって結びつきを得るだけだ。

この世界において精霊よりも遥かに上位の存在などそういるものでは無い。


そのうちの1柱が目の前に在る。


「それで、私に何を聞きたいの? 大した事は知らないわよ?」

「いえ、親交を深めようかと思いまして」

「嘘ばっかり」

「ふふふ」


「…エルフは元々森と共に生きる民で、森の力が強ければ強いほど、エルフも大きな力が使えるの」

諦めた様に話始める。


「どちらかと言うと人より精霊に近いんでしたっけ」

「まあ、そうなのかな。だけど、この世界にエルフが隠れ里を作れるほどの森はもうほとんど残っていないのよ…」

「…」

「特にこの国には森はおろか川も海も、草原すら人間の手が入っていない場所がないわ」

「生きられなくなったり、するのですか?」

「さすがに、エルフすら完全に生きられない世界になったら、そのまえに人類が滅ぶと思うけどね。こんな国でも貴方ぐらいの力ある者が居れば上位精霊を呼び出せる程度には精霊も居るみたいだし…」

横目でアナスタシアの様子を伺いながら言葉を選ぶ。


「………」

目をそらして黙るアナスタシア。


「…その様子だと、この近辺の精霊ではなさそうね」

「すみません」

「貴方が謝ることでは無いでしょう?」

「でも…」

この辺りには既にわずかな下位精霊しか存在しない。

物理現象を起こしている存在がそもそも居ないのであれば、物理法則などと人間が呼んでいる理自体が崩壊するかもしれない。さすがにそこまで行く前になんらかの自浄作用が働くはずではあるが。


「…それで、エターナルエンパイアに目をつけた者が現れたの」

「エルフはコンピューターとかも詳しいの?」

「…えっと、まあ、そう言う子も居るけど、アレはネットワーク上に作られた仮想世界では無く、実際になんらかの空間が存在するのでは無いか、と。そこにゴーレムかホムンクルスに近い擬似身体を生成して精神体を、なんとかって言って…」

どこまで話すべきか途中から確信が持てなくなってしまった。

アナスタシアがどこまで気づいていて話させているのかも全く読めない。


「それで、あそこにエルフの里を作ろうとしているのですか」

「初めはそんな事を言っていたわ。実際アレだけ自然豊かな大陸が実在するなら住んでみたいですよね。ふふふ」

言うつもりはないがアナスタシアは実際にあの世界で生活もしていたりする。


「初めは、と言う事は、無理だったと?」

「もちろんサービスを提供している会社はそんな情報を公開していないしするわけもない。無理に調べようとすれば、それはルール違反になるもの。本当なら調べる事自体ダメなんじゃないかな。分からないけども」


両掌を上に向けてお手上げのポーズを取る。


「それでも諦められない人がいた」

アナスタシアが確信を急ぐ。

「それだけではなく、我々の行動から他にも帝国に目を付ける組織が現れた。おそらく軍隊か企業体か、もしくは両者か…」


セーヤことアイリスの話とアナスタシアの知っていることをまとめると、エターナルエンパイアオンライン周りの勢力はこうなる。


異世界を作ったヨルム

ヨルムと手を組んでゲームとして公開している会社

移転先を探しているエルフのグループ

ゲームはゲームだと思っているが、未知の技術として興味を持っている団体。軍か企業。

プレイヤー

その他、まだ不明な勢力の可能性


セーヤはもしもそんな世界が実在するなら行ってみたいとは思っているが、今は純粋にゲームを楽しんでいるプレイヤーの1人、であり続けるつもりでいるらしい。


先日の攻撃はあくまでコンピューターに対しての攻撃として行われた様なので、おそらく軍か企業だろう。

そして、それに対抗しようとしている何者かが現在分かっている勢力の中の1人でなければ、さらに1人、もしくは1グループ存在することになるのだった。

なんとなくエルフを掘り下げてみたけど、この先どうするか決めてなかったりして

今考えている事件の後でなんかあるかもしれないしないかもしれないみたいな感じになるかも(

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