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4-11 エリア開放

お正月なので?複数回更新してます。

「なんですか?」

イノがアナスタシアの頭を撫でている。


「うん…、このゲーム、戦闘の感触とか痛みとかはほとんどないんだけど、何故か女の子の頭を撫でた感触だけすごくリアル…」


「え…」




先日のハッキング事件はこれと言った進展もなければ、その後、問題も起こらず、平和な日々が続いていた。いや、運営会社の佐々木原 千代美やこの世界を管理している、らしい、ヨルムからしたら夜も眠れないほど大変なことになっているのかもしれないが、プレイヤーにはあまり関係がないのだ。


イノとアナスタシアはなるべく他のプレイヤーに見つからない様にコソコソとしつつ、順調にレベルを上げていき、目標のレベル30に到達していたのだった。


まあ、実際には何度か対人戦を吹っかけられて撃退していて、イノまでアナスタシア並に有名になっているのはご愛嬌だろうか。ほぼ初期装備なのに上位プレイヤーが倒しきれない謎の初心者。


ちなみにこのゲームには防具と言う概念はなく、攻撃力や防御力などのパラメーターを上昇させるアイテムを装備する。鎧型や盾型のアイテムもあるので防具がないと言うと少々語弊があるが盾で攻撃力が上がったり、重そうな鎧を装備することで俊敏性が上がったりするのでややこしい。


「さー、さくっとエリアボス倒して中級エリア開放しよー」

リッカが興奮気味に手を上げる。

「開放条件は討伐だから私も入って大丈夫だよね」


「それ、初心者プレイヤーに一番嫌われるやつ」

「えーっ」

「あんたが入ったら一撃でオーバーキルでしょうが」

「ううう」


イノのエリア開放の手伝いをしたいリッカにマテラとセーヤがツッコミを入れる。

この3人はいつもこんな感じっぽい。ボケ要員が足りないのではないだろうか。


「てゆーか、お前、そんなキャラだっけ?」

リッカの様子がイノこと命の記憶にあるリッカの中の人、帝とだいぶ違うのだ。


「え? あ、いやこれは、ほら、ゲームだし? ね」

「んー、まあ、友達も居るしはしゃいだらこんな風になるものかなぁ」

訝しむイノにあははと笑って誤魔化すリッカ。


「これはいわゆる禁断症状。お姉さん分が足りていない」

「ちょ、おまっ」

リッカがマテラをヘッドロックする。ゲームなので首を絞められたところで普通に喋れるのだが。


「なんなの?」

「…さあ?」


閑話休題。


レベルを上げるための経験値稼ぎと言う意味では、上位プレイヤーがパーティに居ると分配される経験値が低くなってしまうため、あまり効率がよろしくない。それに対し、エリア開放条件や、討伐が条件のクエストなどは、誰が倒そうがかんけいない。ゲームによっては自分で何%以上のダメージを与えないと倒したことにならない、と言うゲームもあるが。


なので、どうしても倒せない、と言う場合は他のプレイヤーに手伝ってもらう、と言うのも一つの手だが、強すぎるプレイヤーがボスエネミーのアクションも見せずに瞬殺するのはマナー違反だ。



「別にクエストとかレベル上げとか、そんなに気にしてなかったけど、デイリークエストとかやってると、いろんなエリアを満遍なくまわれて、良くできてるなーって、ちょっと感心したわ」


イノがここまでの道のりを思い起こして感慨に浸っている。

初心者エリアも意外と広いし、シチュエーションが多岐にわたっており、ちょっとした旅気分だった。


「私も行ったことがないエリアとかありました」

アナスタシアも同意してうんうんと頷いている。


「くっ、私もサブキャラでも作って一緒に回れば良かったかも。思い出を共有ー」

リッカが頭を抱えて悶えている。

「初心者と一緒に遊ぶ際の条件とかはもうちょっと何とかしてほいかもね」

可哀想なものを見る目になっているマテラが呟いた。


「ゆーて、ほんの1〜2週間でレベル30って、私らが始めた頃から考えると相当おかしいよね。しかもイノさん別にガチでやってたわけじゃないし」

セーヤが愚痴る。

「オンラインゲームだとありがち」

マテラがフォローする。


初心者エリア限定から中級エリア開放への条件はレベル30とエリアボス討伐だ。

ちなみに、上級エリア開放はレベル50と中級エリアのボス討伐。

さらに上級エリアの上にエクストリームエリアがある。


エクストリームエリア開放にはボス討伐の他に複数のジョブでレベル75が要求されるので普通のプレイヤーはまず挑戦すらしないが、リッカら3人はエクストリームエリア実装とほぼ同時に行っているわずか数名のプレイヤーの中の3人だ。



「そんじゃいっちょ行ってきますか」

「はい」

「忘れ物とかない? ボスエリアは一度入ると勝つか負けるまで出れないらしいよ?」

「大丈夫ですよ」


ボス戦開始のカウントダウンが始まる。


「ぐぬぬ」

「おー、なんか初心を思い出すねぇ」

リッカとマテラがイノとアナスタシアのやりとりを見てそんな事を言っている。


「あ、2人ともダウンしても1人残ってればリスポーンして再入場出来るから、勝てそうならリタイアしないでね」

セーヤが補足した。


「あ、そうなんだ」

「はーい」


その直後、転送のカウントダウンが終了してボスエリアに転送された。



あまりゲームとかしないので、今時そんなのねーよ、とか言うのは気にしないでくだせえ。

リッカは隠れシスコンと言うかツンデレシスコンなので、命の前ではお姉ちゃんなんか別に好きじゃないしー、みたいな感じなんじゃないかなー、みたいな。知らんけど(オ

現在命は一人暮らししているので、普段は別々に暮らしています。と言う様な設定だった様な?(オ

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