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第1話 遥か最果ての地にて

「支援職なのにダンジョンに独り取り残されまして」の内容を盛ったり削ったりした内容です。


さほど広くもない通路に身長2mはあろうかと言う大男が立ち塞がっていた。

おそらくゴブリンなんとか言う、ゴブリンの進化版だか亜種だと思われるが、もはや近い存在とは思えないムキムキの巨人で、手には棍棒と呼ぶには巨大すぎる物が握られていた。


身長2mの巨体には天井が低いせいもあってか、その棍棒は横薙ぎにされた。




アナスタシアは8歳の頃、公爵家の次男ラインハルトと婚約した。

元々は姉のブラディスラヴァの婚約者にと言う話だったが、気性が激しい姉は、次男であり、また見た目が膨よかで、性格ものんびりした感じだったライハルトを嫌い、アナスタシアに押しつけたのだった。


そんな形ではあったが、アナスタシアはそんなラインハルトのことが好きだった。


ある日状況が一変した。


国境付近に魔王のダンジョンが発生、最初の魔族の襲撃で国王と王太子、ラインハルトの兄が死亡、国王の弟である父親が王位を引継ぎ、ラインハルトは王太子となる。

王都での攻防戦を経て見た目も性格も精悍になり、魔族を追い返す際に活躍した功績から英雄と呼ばれる事になる。


ラインハルト17歳、ブラディスラヴァ15歳、アナスタシア14歳であった。


ブラディスラヴァは自分こそがラインハルトにふさわしいと主張した。

アナスタシアは魔法が使えたが、職業はマイナーな魔導師と言うその場の誰も知らない物であり、10歳を過ぎてもレベルは3止まりだった。

普通は10歳とも成ればレベル10前後であり、大人で20前後だった。

姉は比較的一般的な魔術師で15歳になる頃にはレベルは18。そして、優秀なスキルをいくつも持っていた。

アナスタシアもユニークスキルを持っていたが、敵対した人間に自動でデバフをかけるだけ、と言う些細な物で、そもそもアナスタシアがデバフ系魔法を習得していなかった事から、無能だと罵られていた。


この世界の成人は15歳なので、アナスタシアが結婚できるようになるまで1年ある。

その1年、アナスタシアが無事でいられる保証は無かった。




身の危険を感じて家を出てしばらく経った頃、アナスタシアは近くにダンジョンがある街の教会にいた。

王国の西には魔王のダンジョンと呼ばれるダンジョンがあったが、さすがにそこではない。

まだ魔王そのものが復活したと言う報告はないが、魔族などの凶悪な存在が多数いてかなり危険なのだ。

ここは真反対、東西に長い王国の東の果て。

王都自体が西寄りなので、王都からも魔王のダンジョンからもかなりの距離である。


さほど遠くない山の中腹にダンジョンがある街…

正確には、ダンジョンに潜る冒険者や、それを相手に商売をする者たちがここに街を作ったのかもしれない。


アナスタシアは回復魔法が使えた。というより、戦いを好まないアナスタシアは他の魔法を習得しなかった。

なので一応冒険者として登録はしたが、ダンジョンには潜らず周辺で薬草を採取したり、怪我の治療などをして暮らしていこうと考えた。

そこでは白基調のワンピースにブーツ、フード付きのマントを着込み常にフードを被って目立たないようにしていたが、銀色の髪にライトグレーの瞳は明らかに地元の人間ではなかった。

ダンジョンを目指してこの地を訪れる者は珍しくなかったから、取り立て気にする者も居なかった。


そんなある日、教会に3人の冒険者が現れた。

冒険者と言っても色々あるが、元軍人か騎士かと言った感じの誠実そうな人たちだった。


「こちらに回復魔法が使える冒険者が居ると聞いて伺ったのだが」

冒険者が尋ねる。

「はい、私ですが」

アナスタシアは怪我を治療しに来た患者かと思いそう答えた。

だが、そうでは無かった。


「我々は他の町から来たパーティなのだが、途中で支援職のメンバーと逸れてしまい、合流するまで遊んでいるのももったいないので、同行をお願いしたいのだが」

とても丁寧な説明を受けた。

「私は戦闘は無理ですし、連続で3回程度しか回復させられませんが…」

「構いません。なに、そんなに深く潜るつもりはなくて、どんな感じか様子を見たいだけなのです。危険な目に合わせるつもりもありません。あくまで下見程度のつもりですが、備は万全にしたいのです」

「はあ、そうですか…」

アナスタシアも別に意地でもダンジョンに入りたく無いと言うわけでもないし、彼らのハンターランクは中堅で、あまり疑う必要もなく思えたので依頼を受けることにした。



ダンジョンの中は人口の建造物のような作りになっているが、基本的には人が作ったものではないらしい。

基本的には、と言うのも、既存のダンジョンを改造して宝物を隠したり、ダンジョンに住みつく者も少なからず居たからだ。


魔法の杖を抱くように抱えて後ろから2番目を歩く。

地下にある迷路にしてはほんのり明るく松明などは必要なかった。

初めて潜ったダンジョンに興奮していたし話の通り弱い魔物などを狩りながらのんびりした行程だった事もあってアナスタシアはどのくらい潜ったのか分からずにいた。


そして、気がつくとアナスタシアは1人、緑色の大男と対面していた。

第1話、ですが、なんかプロローグっぽくなってしまいました…

この事情説明みたいな部分も物語として書けたら話数をゲフンゲフン

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