魔法vs科学
とある日、地球と異世界が結合した。地球が突如として巨大化したと思ったら、見知らぬ土地が増えていた。世界中に現れた謎の土地に世界中は混乱した。そしてその分地球が広くなっていたために他の国との連携も取りにくくなっていた。そんな中先進国の国々は先陣を切ってそれぞれの国の近くにある土地を見にいった。そこには人が住んでおり、見知らぬ生き物が多数いた。
その後調査を進めた結果、増えていた土地には見知らぬ世界から来た人間と生き物が住んでいるらしい。こちらの国々とは違って科学は全くと言っていいほど発展していなかったがその分魔法が発達しており、生活レベルに関してはこちらとあまり変わらない様子だった。
魔法という空想上の産物でしかなかったものを持っていることに多少の恐怖を覚えつつも、それぞれの国が突然隣人になってしまった国と仲良くするために使者を送ることにした。
言葉が通じるかどうかが大きな懸念材料となっていたが、相手側の国には言葉ではなく念で意思を伝え合うことのできる人間がおり、一部の人間とは会話ができた。
最初はお互いに科学に魔法と見知らぬ力を持っていたために警戒していたが、少しずつ時間をかけて距離を縮めていった。それと並行して言語をお互いに伝え合った。
そしてお互いに仲良くなった後に、こういう意見が出た。魔法と科学はどちらの方が強いのだろうかと。お互いに協力していく中で、魔法と科学はそれぞれに利点があり強みがあることは分かった。そしてそれぞれの国で利用出来るようにするための共同研究なども始まっていた。
このように仲は悪くなかったが、相手側の国々は強い者を求め、こちら側は魔法という未知のロマンがどれほどの物か知りたかった。
そして今、魔法により複製体を作ることによりこの戦いが実現した。
この戦いを一目見るべく世界の国々から人々が集まった。地球人は魔法に興味があり、異世界人は科学に興味があったのだ。
地球からはアメリカ軍が代表として参戦した。そして異世界側からは異世界での最大の大国から精鋭が参戦している。人数は20対20で行われ、手段は問わないとのことであった。複製体を使うために安全は保障されているからである。
アメリカ軍は陸地ということもあり陸軍と空軍の2つにより構成されたチームが参戦した。戦闘機と戦車によるコンビで戦うようだ。一方異世界側は装備をした人間が20人集まっているだけだった。
そして試合のゴングが鳴った。アメリカ軍は先手必勝と言わんばかりに相手に向けて空から爆弾を投下しまくった。
あまりの衝撃に一瞬で決まったかに思えたが、異世界側は魔法で巨大な土壁を作り、相手の攻撃をガードしていた。そして反撃に陸軍に向けて炎による魔法を放った。
生身による人間は戦闘不能になってしまったが、戦車はビクともしなかった。反撃に陸軍と空軍による他方位からの攻撃を行った。
甚大な被害を与えることは出来なかったが、数人戦闘不能者を出すことに成功した。
異世界側は反撃と言わんばかりに、陸軍を集中的に狙うことにした。戦車の弱点を突くために地面を動かす魔法を使い、相手の戦車を全てひっくり返した。
そしてアメリカ軍は空軍だけとなった。追い込まれたかに見えたが、戦闘機の機動力の高さを活かし相手の魔法を全て避けていた。アメリカ軍は上空からの範囲攻撃を行い、相手からの攻撃を全て避ける。異世界側は相手の攻撃を全て受け止め、反撃に魔法を放つ。その構図がずっと続き膠着状態となっていた。その膠着状態の中、お互いに攻撃できる回数が残りわずかとなっていた。最後に決着をつけるために空軍は威力を高めるために接近し、魔法側は連携して広範囲の魔法攻撃を行うことにした。
そしてほぼ0距離による攻撃がお互いに炸裂した。
そして最後に生き残った者はいなかった。
結果は引き分けだった。最後に戦った者同士で熱い握手を交わしてこの戦いは終わった。