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リアル=オンライン  作者: 原田まるるん
序章
9/23

新しい仲間……?(後編)

スー「ねえねえ! おかしなサブタイトルつけないの?」

アイカ「薬が効いているから、しばらくは大丈夫」

スー「え?」

――ザザッ。


(……? 何か、引っかかるような……?)


 頭の中に「ザザッ」とノイズが走り、『何か』に気付く事が出来そうな一歩手前。ラティアの思考を遮るかのように、レンジは言葉を更に続けた。

「それで……本題なんだけどよ。一緒に元の世界へ帰るための方法を探さねえか? やっぱり人数が多い方が何かと都合が良いだろうし、元の世界に帰るための方法を探してくれるなら、此処を好きに使ってもらって構わないからよ」

 それに、もうスーがあんたらに懐いちまってるからさ。此処にいてくれるだけでも頼むよ。レンジはそう付け加えて頭を下げると、口を閉じた。


(……いけない、今はその事を考えるんじゃなくて、どう返事をするか。だよね)

 ラティアは自分の両頬をぺちんと叩いて活を入れ、レンジへの返事をどうするか、顎に手を当てて考えた。


 ……別に、此処を使わせてもらえる事は不満じゃない。この朝食を見れば分かるけど、ボクが承諾をすれば今後も食事にもありつけるとは思う。だって、本当に食料に困っていたのなら、見ず知らずの他人のボク達に食料を分ける事なんてしないはずだからね。

 ……でも、それは『かもしれない』の話だ。それに……ボクはこの3人の事をまだまだ何も知らない。ひょっとしたら外面だけ取り繕ってボク達の機嫌を取っているだけなのかもしれないし、会ってから少しも経ってないこの3人を、ボクはそう簡単に信用しても良いのだろうか?


『知らない人には勝手について行ってはいけない』。これは、ラティアが昨日まで育った家の両親から教わった事であり、同時にもう2度と教えてもらえない事だ。

 例えばゲームなんかだと、赤の他人が突然主人公の仲間になったりする事がある。だけど現実ではそうはいかない。何故ならそれは、『ゲームと現実は違う』から。そう何度も教え込まれていたからこそ、ラティアはすぐに承諾が出来なかった。


 ……ふと。ラティアがシロの目に視線を合わせると、シロは力強く頷いた。その様子は「シロはラティア様の判断にお任せします」と言っているようだった。


 ……そっか、ボクはシロから信用されているんだね。


(知らない人にはついて行っちゃいけない。確かにその通りだけど……そんな事を言ったら、ボクがシロを信用していない事になるよね)

 そう。シロを現実(リアル)で一目見た時こそは困惑もしたけど、こんな風に警戒はしなかった。ボクはシロの事をシロだと、何故だかすんなりと信用出来たんだ。……まるで、ボクとシロは長年ずっと一緒の時間を過ごしていたかのような、さもそれが当たり前だと言わんばかりに。自然と、そう思った(・・・・・)んだ。


「……やっぱり、駄目か? ああ、もちろんだが断ったからと言って何かしようとかは考えていないからな。此処から出ていきたければ、この部屋から出て廊下の突当りにある階段を上に登っていけば外に出られるからな」


 ボクの無言を拒否と受け取ったのか、レンジさんは丁寧にも帰り方を教えてくれた。『此処から出ていきたければ』という事は、レンジさん達に協力しなくても出ていかなくて良い……という意味もあるんだよね?


 ボクはこの場にいる全員の顔を1度見渡した。

レンジさんとシロはどちらでも構わない、って顔をしている。アイカさんはボク達に興味がないのか、ボクと目が合ってもすぐに視線を逸らされちゃった。そのアイカさんの隣に座っているスーは、今にも泣きそうな顔になりながらも不安そうにじっとボクを見ている。うう、あんな目をされたら此処から出ていくなんて出来ないな……。


「……分かりました、元の世界に帰る方法を探すのを手伝います。それから、いつまでになるかは分からないですけど……此処にお世話になりますね」

「本当!? ラティアお姉ちゃん!!」

「お、お姉ちゃん?」

 ラティアがしばらく此処に残る。スーはそれがよっぽど嬉しかったのか、その場に立ち上がって「やったー!」と喜んだ。


「……本当に此処から出て行っても良いのよ。レンジが何かしようとしてたら、私が止めてあげるから」

「お、おい! だから俺は出ていかれても怒ったりとかしねえって! いたたた! アイカ、痛いから話してくれ!」

 ラティアが無理をして此処に残ると言っている。そうアイカは思ったらしく、レンジを羽交い絞めにしていつでも出て行けるからね、というアピールをして見せた。


「まあ、これから宜しく頼むぜ。ラティアさん、シロさん」

 アイカから羽交い絞めをくらったまま、レンジは確かにそう言った。




 ――レンジ達が仲間になった!


 名前:レンジ レベル:54 種族:人間 性別:男 年齢:24歳 アルカナ:――

 職業:《アーチャー》レベル48

 スキルクラス:《アーチャー》レベル43


 HP:2286/2286

 MP:2007/2007 SP:2347/2347

 腕力:2769

 生命力:1443

 俊敏性:3689

 精神力:2891

 知性:2123

 幸運:2634


 名前:スー レベル:33 種族:獣人(犬) 性別:女 年齢:15歳 アルカナ:【愚者】レベル6

 職業:《ヒールマスター》レベル21

 スキルクラス:《ヒールマスター》レベル14


 HP:904/904

 MP:2061/2061 SP:1061/1061

 腕力:769

 生命力:1040

 俊敏性:1344

 精神力:1802

 知性:331

 幸運:1220

 


 名前:アイカ レベル:52 種族:人間 性別:女 年齢:21歳 アルカナ:――

 職業:《パラディン》レベル86

 スキルクラス:《パラディン》レベル3


 HP:3878/3878

 MP:3541/3541 SP:4611/4611

 腕力:2733

 生命力:5024

 俊敏性:3202

 精神力:4198

 知性:2885

 幸運:1853

《スーについて》

スーさん。かなり子供っぽいが、あれでも15歳。

体を動かす事が好きで、シロの事をお友だちと思っているらしい。

レンジは頼りになるリーダー、だと思っているとか。


シロ「と、友達じゃありませんから!!」

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