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東方玉霊絆  作者:
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玄武の沢

快晴の空を、今日は三人で飛んでいた。

鈴仙と俺はいつものことで、そこに蒼が加わった形になる。

蒼は自力で飛ぶのに一苦労するらしく、俺の木刀と一緒に背中でくつろいでいた。

「妖怪の山って、天狗にでも会いに行くんです? ご主人」

背中から蒼が覗き込むようにして尋ねてくる。苦笑して首を振ると、上下逆になっている蒼は首を傾げた。

「あの山は上までいかなくても、滝辺りに行けば妖怪がいるのさ。河童とかのな。今日はそいつらに会いに行こうと思って」

「神様とかいるらしいのよね、あの辺って」

「それはまた。ついでにご利益でもいただきに行くか」

そうこうしている内に、高い山から流れてきている川にたどり着いた。外の世界では中々見られない綺麗な川だ。

「この川の水って飲めるのかな?」

なんとなく聞いてみると、鈴仙は「やめておいた方が良いわ」言った。

「綺麗なことは綺麗なんだけど、やっぱりお腹を壊さないとは言い切れないから。ちゃんとしたの飲んでね?」

さすがは薬師の弟子といったところなのか、至極まともな意見を返されてしまった。

「オーケーわかった。じゃあ川魚でも獲って帰ろう」

「釣りでもするんですか? ご主人」

「釣り竿も餌も持ってないからなぁ。手で獲るか」

川の近くへ着陸し、上流へ向かって歩く。蒼は背中から肩車へと移動し、鈴仙は隣を歩いていた。

「私達の川でそんな勝手なことをされると困るねえ」

突然聞こえてきた声の主を探すと、川の中から弾幕が襲い掛かってきた。

「っと」

鈴仙の体を左手で庇いながら、木刀を引き抜いて弾幕を両断する。蒼はそれを察知したらしく、即座に肩から飛び降りた。

「蒼、戦う時ってお前はどうするんだ?」

「私はご主人の剣ですから。力になります」

蒼の体が急に輝きだし、光の玉になって木刀に入っていった。

少し驚いたが、元々蒼は木刀の中にいる存在なのだから、これが自然なのだろう。

「……本当に木刀の付喪神だったのね」

「信じてなかったのかよ……」

二人で半分だけ臨戦態勢になり、弾幕を撃ってきた辺りの川を睨みつける。

「んで、どういうつもりだ?」

「私達の住処を荒らされるのは困るって言ってるのさ」

「わかったわかった。悪かったよ」

「うん、それならいい」

ザバァ、と川の中から現れたのは、水色の髪の毛に緑色の帽子をかぶった少女だった。

背は鈴仙より低く、蒼より高い。胸の辺りについているカギのような飾りを鳴らしながら、その少女は俺たちの近くまで歩いてきた。

「いきなり攻撃してごめんね。止めないとと思っちゃって」

「いや、こっちこそ考えが及んでなかった。そりゃ住んでる妖怪もいるよな」

木刀を背中の鞘に仕舞い、警戒を解く。悪い妖怪ではなさそうだった。

「盟友はいいやつだね! 私は河童の河城にとり! お詫びにきゅうりを奢らせてくれ!」

「きゅ、きゅうり……か……」

よく考えれば河童がきゅうりをおごるのはとてつもないことなのかもしれない。

ここは受け取っておこう、と決意した。

「俺は轟隆也。こっちは鈴仙……って、知ってるか」

「うん、というか盟友のことも知ってるよ。私のとこにも新聞がくるからね」

「ああ、うん、わかった……」

「なんで落ち込むのよ、有名になれて良かったじゃない」

鈴仙が励まそうと軽く肩を叩いてくれるのだが、それにしたって落ち着かない。

変なやつに絡まれなければいいのだが。

「じゃあ、私の家に案内するからついてきてくれ」


どうも、作者の人です。

ここらへんから三部構成の二部に入っていくかと思われます。一番長いです。

今回は普通なので…というかしばらく物語の勢いとしてはペースダウンしていく予定です。


そういえば皆様のお陰で、PVが合計1万を突破致しました。

厚く御礼申し上げます。

え?固い?いやもうほんと叫んで色んな人に自慢させて頂いたので……

こんな作者ですが、これからもお付き合いいただけると幸いです。


さて、今週はこのへんで。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

また来週お会いしましょう。では。

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