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東方玉霊絆  作者:
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博麗の巫女

「は...はは...飛行機より速かったんじゃねぇか...?」


ぶつぶつと呟きながら、石畳の上に膝を折る。

体の震えや視界の揺れが止まらない。

よく嘔吐しなかったものだと褒めて欲しいほど、慣れていない者には辛い旅だった。


魔理沙は平気な顔で縁側に座っている巫女姿の少女に歩み寄っていった。

置いてけぼりにされたのでフラフラと立ち上がり、自分がいる場所を確認する。


まず目立っているのは神社らしい鳥居だ。

賽銭箱もあるし、神社で間違いないだろう。

そうやって思考して自分を落ち着かせているのだが、その内に魔理沙と少女は話を終えたようだ。

つかつかと歩み寄ってきた少女は、腰に手を当てて高圧的に話しかけてきた。


「あんたが魔理沙の言ってた男ね。私は博麗はくれい霊夢れいむ。この幻想郷で巫女をやってるわ」


なぜか腋が出ている巫女服で、肘からはちゃんと袖がある。...不思議な服装だ。魔理沙もだけど。


「話は聞いてるけど...アレだろ?妖怪退治するっていう」

「そうね。最近は大人しいもんだけど。...で、あんたここに住みたいんだって?」


霊夢と名乗った少女の瞳には、深い残酷さが潜んでいるのが見えた。

...その問いには何か覚悟のようなものを求められている気がした。


「ああ...」

「妖怪に食われるとしても?」

「帰るよりマシだ」

「そう...なら、見せてもらいましょうか」


冷ややかな目で、霊夢が袖からお祓い棒のようなものを出した。

完全に立ち上がり、リュックから飛び出している木刀を引き抜く。


「頑張れよー」

吹っかけた魔理沙は神社の縁側に腰掛けた。

リュックを近くの木に放ると、霊夢は少し距離を開けていた。

歩いてではなく、後方にフワリとジャンプするようにだ。


「それじゃ...いくわよ」

右手を左手の袖に突っ込んだ霊夢が、剣を引き抜くようにお札を投げつけてきた。

あまりにも遠慮が無い。躊躇もない。ついでに情もない。

三回目ともなれば少しだけ慣れる。

目で認識するより速く体が動き、右へ転がった。


着弾したお札が爆発音を撒き散らしているのを見ると、彼女は俺を殺す気だったとしか思えない。

そちらにばかり意識を割いている暇もなく、立ち上がると同時に前へ駆け出した。


霊夢が次に投げてきたのは針のような弾で、今度は木刀を盾にするように逸らした。

ヂヂヂ、と嫌な音が耳に残るが、勢いを殺すことなく前進を続ける。

「おおお!」

大上段から振り下ろした木刀をお祓い棒で受け止められ、男としての自信を打ち砕かれそうになった。

次の瞬間には木刀をいなされ、横に並ぶようにして腹に肘打ちを入れられた。

息を吐く時間すら与えられず、今度は背中を蹴り飛ばされる。


「がっ...」

派手に地面を転がり、うつ伏せに倒れた。

体が動かず、立ち上がることすら出来ない。


「なるほど...ね。魔理沙、こいつが弾幕ごっこしたのって何回目?」

「私の知る限りでは3回だ」

「3回?」

「今の霊夢とのやつで3回だぜ」

「あんたが言ってたのが分かった気がするわ。確かに強くはなりそうね」

「だろ?」


にやり、と魔理沙が笑っているのが見えた。

ようやく体を起こすことが出来たので、あぐらをかいて座った。


「そこで、だ。霊夢。こいつをしばらく置いてみる気は無いか?」

「なんでよ。私の得がないじゃない」

霊夢の言うことはもっともだ。こんな見ず知らずの人間を置いておく理由がない。

...住む場所がないと困るのだが、事実だ。


「なあ隆也、お前何か出来ないのか?料理とか」

「あー、料理も出来るし掃除洗濯も出来るぞ。家事は全般出来る」


家事が出来るだけで置いてもらえるのだろうか。

そこまで困っているとは思えないのだが...


「私、お給金出せないわよ」

「いや、置いてくれるなら...稽古つけてくれるなら十分だ」

「さらっと足したわね...なら、家事全般と買い出しもしてもらうからね」

「変わらないじゃないか。買い出しも家事だろ」

「交渉成立ね。ふふ、紅魔館に負けない従者ができたんじゃない?」


霊夢は満足そうに神社へ戻っていった。

そしてこの日から、馬車馬の如く働かされながらスパルタ稽古を受ける毎日が始まるのだった。

どうも。作者の人です。

先日バイト先から栄養ドリンクをいただきまして、より一層働くことを決意しました(血涙)

さて今回はVS霊夢ですが、なんか書きづらくないですか...もっと非想天則やらなきゃですね。

早苗もなんですが、どうも戦闘スタイルが掴めません。多分他の作者様は上手く書いてらっしゃるのでしょうけど...

自分の展開に、上手く組み込むことが出来ていないのでしょうね。考察あるのみです。

更なる精進を決めたところで今回はお別れです。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

友人に煽られるので評価のひとつでもポチッとしていただけると嬉しいです。

...すいません、調子に乗りました。

ではでは、また来週お会いしましょう。さようなら。

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