俺(道化師)は笑い、道化師(俺)は泣く。
駅のホームで体育座り。
上を見てたら視界が暗く、何かと思って目を凝らす。
すれば見えそで見えない、素晴らしい眺め。
それは少女のスカートライン。
虐めを受けてた俺にくれる、天使の一言。
この変態!
だけれど俺には誉め言葉。
少女が呼んだ駅員に、俺は連行、少女は汚い親父と援交中。
そうして汚れた天使はヘンタイ道化師を鼻で笑う。
狂った頭で何考えてんの?
と、隣の席の娘が笑ってた。
ホントは狂ったふりした道化師なだけ。
泣いてる顔を見せてはいけない、笑顔で隠しておちゃらける。
それに気づかず、隣の席の娘ただ笑う。
それにつられて、他の娘たちも笑い出す。
内では泣いてる、俺の顔。外では笑う、俺の顔。
誰もそれには気づかない。それを望んだのは俺自身。
誰か気づいてくれても、良いじゃないかと思っても。
笑顔の道化師の話は笑われる。
泣いてる顔は見られちゃいけない。
だからと笑って過ごす、嘘つき道化師。
ヘンタイ道化師は今日も笑う。
ホントは泣いてる道化師の狂言。
ホントは泣いてる道化師の笑顔。
おやおやこれは、この間の。
汚い天使を見かけては、いつものように笑いかける。
なによ、ヘンタイ。
おや?罵倒はしないのかい?
ふんっ……。
見れば泣いてる汚い天使。
道化師は笑う、泣いてる顔を見たくはないから。
笑いに来たの?
笑わしに来たんだ。
なら、買ってよ。触りは無しよ。
ははーん。だから危なくなって、逃げたんだ。
うっ……。
いやいや良いよ。なら買おう。君の生涯。
はぁ?
これでも俺は、金持ちさ。君の生涯は安いもんだ。
なっ……。わ、私は高いわよ!
あははっ。草臥れたおっさんでも君を買える。安いさ。
い、一億よ!一億!触りも良いわ。ふふん、用意できるの?
これで良いかい?
どさりと出てくる紙の束。
道化師にとっちゃ、はした金。
天使にとっちゃ、大金だ。
なっなっ!
はっは。さぁいこうか。
狂った道化師は声あげ笑い、天使を連れ出し踊り出す。
笑顔は笑顔に、狂言は歌声に。
狂々踊り出す。今日も明日も俺は笑う。