不運なプロローグ その2
「ザクロぉぉッ!?」
………ん?
何やら激しくグロい光景を見たような気がして思わず飛び起きたけど…。
「あるぇー……なんで私、外に居るんですかねぇ…」
外で寝てるだなんてそんなことをした覚えは無い。
しかも、
「どこなんですかねぇ、この森……」
見渡す限り森である。
自分が寝転がっていた場所は森の中では開けた場所だったようだが、所詮は森の中。
周りの様子なんてのはまるで分からない。
「っていうか…なんでこんな薄着」
おまけにデカいシャツ一枚しか着ていないという、街中なら警察のお世話間違いなしな格好だ。自分には股間を露出するような世間に顔向け出来ないような趣味は無かったハズだ。それなのにこんな格好をしているというのは……。
しかも何やら肌には所々に擦り傷や打撲の跡のようなのが見える。
更にここはどこかの森の中、辺りにひと気なんてものは無し。
ここから導き出される答えとは!
「ヤられちゃいましたかねぇ……」
どう考えても、凶悪犯罪の一つとしか思えない。
とはいえ、それは女性に限った話。
例え女顔の低身長だとしても、一応は成人男性である(周りからはそうは見えにくいとしても)ハズの自分が襲われるというのは、海外ならばともかく日本では考えにくい。
「いやでも、そういう趣味の人が居ないわけじゃないし…」
下半身、特にお尻に違和感とかも無いのだから、やはりそういうことをされたわけでは無いのだろう。
ーーーアレ?
「何でしょうか、この違和感……」
足りない。
何かが足りない。
あるべきもの、あるハズのものが無い。
それだけじゃない。
よくよく考えれば、擦り傷だらけの手足。
明らかに小さく細い。細いといっても、栄養が足りないとかで痩せていて細いのでは無く、単純に元に比べて細いのだ。………まるで子供や女性の手足みたいに。
更には視線も低い。
低身長とはいえ、元々は150cm以上あったのが、今は110cmほどしか無い。
「これは…アレですかねぇ………『目が覚めると、身体が縮んでいた!』というやつですかねぇ…」
身体の違和感はそれだろうか。
いや、それだけじゃない。
わかってる。分からないわけは無い。目をそらすのはやめよう。
戦わなくちゃ現実と。
下半身の違和感。
その原因は長年連れ添った、文字通り相棒が居なくなったからだ。
つまりはこういう事だ。
「『目が覚めると、身体が縮んでいた!』ではなく、『目が覚めると、女の子になっていた!』でしたか……」
女顔で低身長どころか、正真正銘の女の子になるだなんて。
「私が何をしたって言うんですかねぇ……」
主人公の口調とか色々安定してない…。