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番外7 最新話までの人物設定(ネタバレふくむ)重草軍・勝馬軍ほか


*飛ばして問題ありません。作者の自己満足的な設定語りがほとんどです。


 この番外に限っては環境依存文字も使用。

 一部の情報は本編でも未出か明言なし。

 特記しない限り能力数値は最新の表記。




『重草軍』

 総合スポーツサークルを中心にした大学のコンパ系サークル連合。

 重草を中心にゲーム開始前後からコンパ招待などでプレイヤーを買収し、早くに台頭。

 首都攻略が長引いた際に角黄軍の挟撃を受け、大きな被害を出して撤退した。



重草卓しげくさたく

 アクの強い顔と態度の大男。常に威圧的で攻撃的。

 総合スポーツサークルの実質的な代表で、手段を選ばず女子中高生を狙っている。

 学祭実行委員や漫画研究会に強く警戒されている。


 元ネタは董卓とうたく(字は仲潁)

 黄巾賊の討伐、そして宦官の排斥後に中央の実権を握り、暴虐の限りを尽くした。

 漫画『蒼天航路』で劇的に再評価が広まったひとりで、ネット上の議論も白熱しがち。

 超然とした大人物という扱いは、さすがにあの作品の演出であるダイナミズムの部分に思える。

 なるべく小さく見た場合は「田舎マフィアのボス」で、地方の軍人としては有能だったが、中央でうわすべり。


 私としては、ネット上で解説されていた皇甫嵩こうほすう孫堅そんけんとの関係が、実像を感じる手がかりとして大きかった。

 それといずれ本編でも言及する予定の騎馬民族の性格について。

 ネット議論では董卓の「情に厚い」「残忍」を矛盾したもののように考えている書き込みも多いが、それらは終生変わらず共存し、著者の都合による改変もさほど無かった部分に思える。

 有能な者をあっさり重用するあたりも含め、単に騎馬民族の気質。


 私の結論としては「大マフィアのボス」で、軍事は有能、人間関係は狡猾、政治は乱暴ながらも保守勢力を尊重。

 狡猾をせこさや卑屈さに解釈できても、さすがに無能はない。

 人でなしキャラとして三国志世界でも首位(技術点では曹丕も惜しいが)は堅いと思ういっぽう、演義のように「突出した怪物」ではなく、単に首位。

 ともかくも「三国時代の魔王」にふさわしい残忍な革新者ではある。


 本作では「チンピラ学生の中心」程度の悪人にすることで、一般学生であるメインキャラとバランスをとっている。



広維華夫ひろいはなお

 豹のような顔つきの大男。プレイヤーでは激レアとされる武力90。

 名無しNPCほしあわび、遠行軍の勲張たち三人を次々と倒す。 

 その後、于示林・組茂・鳥番・諭渉による袋だたきで倒される。


 元ネタは華雄かゆう(字不詳)(葉雄はゆうとする注釈書もある)

 正史では胡軫の配下で、孫堅に討たれる……たったそれだけ。

 演義では胡軫の上司で、孫堅配下の程普に胡軫を討たれるが……

 鮑信配下の鮑忠・孫堅配下の祖茂

 袁術配下の兪渉・韓馥配下の潘鳳

 を討ったあとで関羽に討たれる。


 平たく言えば、劉備軍の活躍を追記するためのフィクション要素が九割の人物になった。

 この過剰な盛りつけに地味モブが選ばれた理由は……「名前がかっこいいから」説を見た時には驚いたが、その後に様々な演義命名を見て自然に受け入れられるようになった。


 次に注目したいのは架空功績前半の鮑忠と祖茂。

 これはまったくの捏造ではなく、正史における徐栄が曹操・鮑信軍と孫堅軍を撃退してふたりを討っている。

 演義における華雄の「どうしようもない強さ」にあたる戦果と思われる。

 このことから、演義の華雄は徐栄のキャラを移行・代替させた存在と考える。


 このタイミングで強敵追加の演出が入る理由は?

 反董卓連合の時期は、演義のヒーローである劉備軍がろくに活躍していない。

 黄巾賊討伐も同じで、鄧茂と程遠志という完全に架空の斬られ役が追加された理由と思われる(近年のフィクションではさらに、劉備が上司の活躍を奪う傾向)。

 そして黄巾賊討伐はまだしも、黄巾賊の頭目三兄弟が倒される結末がつくので「天罰」や「陰の功績」を膨らませることができる。

 しかし董卓軍は悪役が見事すぎるわりに、反董卓連合は最初から最後までグダグダで、呂布の裏切りでかろうじて「身から出た錆で悪役がみじめな最期」というカタルシス(爽快感)を得られるが、その後も延々と李傕らによる皇帝を傀儡にした専横が続き、連合は散り散りに……

 子供に「すごい悪いやつがいたのに、ヒーローはなにもしなかったの?」とツッコミをくらうピンチである。


 ただし「ぐだぐだ」や「残党の専横」といった正史の結果を変えないあたりは、演義のリアリティ重視に思える。

 活躍を奪われ地味モブに落とされた徐栄の扱いも、同じ配慮だと感じた。

 演義では夏侯惇に討たれてしまう真逆の扱いのように思えるが、一応は曹操軍の退却中……つまり、撃退までは正史をなぞっている。

 そして孫堅軍に討たれた華雄を関羽に斬らせることにして、その華雄には徐栄の功績の内から鮑忠と祖茂を「引き立て役の引き立て役」として与える。

 孫堅軍にも代わりの功績として胡軫を与え、正史より早死にさせてバランスをとっている。


 最後のオマケ検証は追加に盛られた兪渉と潘鳳で、どちらも架空の人物である。

 反董卓のひどいグダグダ感をごまかすダメ押しの水増しにしても、なぜ「袁術」と「韓馥」の配下なのか……ぶっちゃけ、このふたりがダメ君主の代表と見られていたせいに思える(ファンのかた、ごめんなさい)。

 演義的には「人望もないのに皇帝を僭称したクズ」と「疑心暗鬼で自殺したヘタレ」で、その配下なら自信満々に出撃して蹴散らされる「かませ犬のかませ犬」として文句なしという。

 ……そんな兪渉と潘鳳のファンタジックな残念ぶりを本作では密かに愛している。まさに誰得の世界。



濡木存ぬれきあるる

 キツネ目の男文官。常に嫌味をこめて話す。首都攻略戦で寥花に討たれた。

 大学二年の社会学部。総合スポーツサークル会計。


 元ネタは李儒りじゅ(字不詳)

 演義では董卓とうたくの娘婿で、完成度の高い悪役参謀キャラとして楽しく跳梁跋扈……董卓配下で最初に好きになったという人も多いはず(私見)。

 しかし史書の記録は少なく、董卓の無理強いに従うしかなかった一文官とも解釈できる。

 近年のフィクションでは魔王的に万能大物な董卓を前に、居場所も窮屈そうな危惧種。


ネットで見かけた「賈詡の悪人像を代行させた」説は目から鱗だった。

 そういえば華雄や厳顔に比べると、フィクション化に際して大きく膨らませた理由が謎だった。

 董卓の配下でも「参謀の悪行」を際だたせれば、同じように残党へ助言を続けた賈詡を悪人と思わせやすい。

 それを配下にした曹操も悪に見えてくる。



カク

 賈詡かく(字は文和)のNPC

 牛介の配下にいたが、長安戦の末期では縫と行動を共にしている。

 体力56・武力55・知力96・徳力73(29話)


 曹操を追いつめた策士で、曹操の配下となった後も、後継者問題の助言にうまい皮肉を返している。

 複雑な遍歴をたどりながら生きながらえて出世する世渡り上手。

 正史好きが「孔明より上」と挙げることが多いひとり。

 ……など、一般印象は「不適な謀略家」か。

 しかし仕えている者を裏切ったことがないなど、別の特徴に着目する意見もちらほら。


 裴松之の注釈の時点ですでに「程昱や郭嘉(智謀に優れているが品行に難あり)と同列にすべきで、荀彧や荀攸(智謀に優れ品行も良い)と同列にするのは間違い」と評価が割れている。

 その根拠は「董卓の死後、李傕へ長安を攻めるように勧めたことで、混迷を長引かせた」というもの。


 私は調べている内に、賈詡が才能のわりに、欲が異様に小さい気がしてくる。

 皮肉屋ではあるが、顔つきや表情は薄い印象。

 荀彧みたいな聖人は、ある意味では強欲で、地位や金銭では購えない至高の価値を求めている。

 賈詡はそういったものすら持たないで、極めて低い視線と目標で生きている。


 いろいろ似た人物として、ジョゼフ・フーシェを思い出す。

 一般的には、フランス革命における多くの血生臭い政争に関わりながらも生き抜き、「最も完全なマキャヴェリスト(権謀術数家)」とも評されるザ・変節漢。

 しかしその人物像を探ると、いわゆる謀略家のイメージとは遠く、やけにつつましい。

 フーシェや賈詡のつつましさは荀彧のような高潔ではなく、どこか後ろめたさが感じられる。

 処世術として謙虚を装っていたわけでもなく、出世や名声を必要最小しか「欲しくない」のが本心に思える。


 荀彧は「安定した国家」を最短で実現するために身を捧げた聖人である。

 賈詡とフーシェは保身を大事にし、必要ならば逃げ、「身を捧げても大業を成す」という発想はなく、汚れ仕事も辞さない。

 しかしフーシェは秘密警察を使って弱みを集めながらも、近代警察の礎を作った人物でもある。

 賈詡も董卓、李傕と暴君に仕え続けたが……皇甫嵩と同じく、内部に留まることで混乱の収拾、犠牲の最小化にギリギリまで貢献していたように思える。

 結果として命を救われた民衆や朝臣の数、それらが曹操政権へ与えた安定性を考えると、荀彧とは方向が違えども功績では劣らない「日陰の聖人」に思える。



浦車牛介ほぐるまぎゅうすけ

 重草の従兄弟。遠征の総司令官を任されたが、人望は無い。

 長任の城で食い殺される。


 元ネタは牛輔ぎゅうほ(字不詳)

 董卓の娘婿で重用されるが、戦績も判断も最期もぱっとしない。



湖車寺赤児こしゃでらせきじ

 大学ウェイトリフティング部にいるパーマ頭の大男。

 体力80・武力80・知力30・徳力10(29話)


 元ネタは胡車児こしゃじ(字不詳)

 張繍配下で一番の武勇。

 演義では典韋を陥れて討ち取る。怪力という追加特徴は典韋に対抗?

 漫画『蒼天航路』におけるペルシャ系忍者という外観から一気に知名度が上がる。

「胡」は中国から見て西方の呼称(蔑称)で、漢代では特に中央アジアや、さらに西のペルシャを指す。

 胡瓜きゅうり胡桃くるみ胡椒こしょう胡麻ごまといった名称の由来。


 攴胡赤児ほくこせきじ(友胡赤児、支胡赤児などの記述も。演義では胡赤児)(字不詳)も意図的に混同。

 牛輔に厚遇されたが、逃亡の際に財宝に目がくらんで牛輔を殺害する。

 ……それ以外に記述がなく、演義では呂布に斬られているが、本作では正史で長済~張繍と渡った可能性をでっちあげた。

 ただ、この名前がそもそも本名なのか、あだ名・役職・集団を示すものかも私は判断できないでいる。



犬佳李鶴いぬよしりつる

 アゴが大きく常に険悪な顔と表情。総スポの女子では代表格。

 長安でロシュクに討たれる。

 体力70・武力60・知力50・徳力20


 元ネタは李傕りかく(字は稚然)

 董卓の死後に郭汜らと共に暴政を長引かせた。

 元からひどい状態ではあったが、それだけに善政に努めて賈詡を重用できる度量があったとしたら……ないから李傕なんだが。魔王配下の大幹部さん。



隠巳淳多かくみじゅんた

 角顔で常に上から目線。プレイヤーとしては武力が高い。

 長安で于示林たちに討たれる。

 体力70・武力80・知力40・徳力30(29話)


 元ネタは郭汜かくし(郭多、郭氾とも)(字不詳。阿多?)

 正史で一騎討ちの記述が残る数少ない人物。

 よりにもよって相手は呂布。落とされてとどめを刺される前に互いの配下が乱入している。

 ゲームをはじめとしたフィクションの「董卓のザコ子分B」の印象が強いと、身のほど知らずの笑い話になってしまうが……

 武勇の高さを示す「数百で数万を破った」という記述があり、郭汜が参加した戦いの戦績からしても疑う要素は特にない。

 一騎討ちはむしろ、身内として武勇を知っているはずの呂布に挑むほど実力があったということに思える。

 郭汜もまた、演義の負け役・華雄にキャラを吸収された「董卓軍のどうしようもない強敵」のひとりかも。

 徐栄と同じく最期は身内のゴタゴタで消えてしまうため、そのままフィクションで使うと娯楽性に欠けてしまう。



大楓刹おおかえでせつ

 アゴの埋まった男子で、まろやかな声と態度で丸めこむ。

 長安でジョコウに討たれる。

 体力60・武力60・知力40・徳力40(29話)


 元ネタは樊稠はんちゅう(字不詳)

 董卓配下でも勇猛で部下の人望があったらしい。

 同郷の友である韓遂かんすいを見逃したために李傕に疑われて殺される。



長済沸ながすみわかす

 李鶴・隠巳・大楓と並ぶ総スポ代表格の四天王として攻城戦の一方面を担当。

 開門の直前で長任の弓矢に討ち取られる。


 元ネタは張済ちょうさい(字不詳)

 李傕・郭汜・樊稠に比べて影が薄く、フィクションで名前が出ても張繍の伯父として認識されることは少なそう。

 食糧不足で略奪中、矢に当たって死んだ。

 李傕と郭汜の仲裁をするなど、善悪はともかく理性的には多少マシかも……とはいえ、董卓軍全般に略奪のひどさには定評がある。


 なお、略奪に関してはどの軍でも当たり前にやっていたようで、記述されないのも特に著者の作為でもない……らしい。

 董卓軍は記述で貶める必要が濃い位置にあるものの、略奪に関しては当時の倫理観でも異常だったということらしい。

 強盗や性犯罪までは普通でも、大量誘拐や皆殺しになると異常の扱い。


 本作では籠城戦でまたキャラが大量に増えるため、なるべくシンプルな特徴づけを考えていたところ「名前に『長介』が含まれている」と謎のひらめき。



長済縫ながすみぬい

 長済沸の妹で厚いくちびるをひんまげた女子。高等部のカメラ部。

 補助していた兄の軍を引き継ぎ、長安戦にも参加している。

 体力60・武力70・知力50・徳力60(29話)


 元ネタは張繍ちょうしゅう(字不詳)

 董卓軍の残党。董卓配下である張済の甥で、軍を受け継いだ。

 曹操に手痛い打撃を与えながら、賈詡の意見に従って帰順したことで厚遇され、以後も活躍する。



古輸文才ふるゆふみとし

 華夫を配下よばわりする大柄な男子。長安攻略戦で寥花に討たれる。

 体力50・武力60・知力10・徳力20(34話)


 元ネタは胡軫こしん(字は文才)

 正史では華雄の上司。部下からの信頼が薄く、仲の悪い呂布にだまされる。

 演義では華雄の配下で、ついでに孫堅配下の程普ていふに討たれる。



余栄行人よえいゆきひと

 口ひげ丸鼻の小男で奇怪な口調だが、武力も戦術眼も高い。

 組茂くみしげを討つが、長安で宝黄ほうきに討たれる。

 体力60・武力80・知力60・徳力40(34話)


 元ネタは徐栄じょえい(字不詳)

 演義では曹操軍の夏侯惇に討たれる引き立て端役。

 正史では曹操・鮑信軍と孫堅軍を大敗させる董卓配下で最大功績の武将。

 フィクションでは勝っても人数差などが原因とされる。


 この極端な変化について、詳しくは華夫(元ネタは華雄)の項で。

 華雄に役割を移行した結果、だしがらの徐栄は目立たないザコとして消えてもらう必要があったらしい。

 正史の戦績は大きいものの、捕虜を煮殺すエピソードからすると、まともな人物とも思いがたい。

 ということで本作では「こいつが強かったら嫌だな」というキャラ特徴に……しすぎた感もある。


 なお、捕虜の煮殺しは董卓自身が盛大にやっていたので、徐栄は合わせただけとも解釈できる。

 また、董卓は異民族と関わっていた時に、恐怖による支配のために、わかりやすく野蛮な残虐行為が必要だったのかも。

 というか正史における他の人物の残虐行為も考え合わせると、現代の常識よりは敷居の低い行為かも。

 近年のフィクションでは、現代感覚だと理解しにくい当時の残虐性を董卓などの悪役へ集中させて、キャラを際立たせる傾向にある。

 ……などの擁護を考えてもなお、董卓の残虐性は首位に思えるが。



山今梢やまいまこずえ

 長安攻略戦で于示林に討たれる。

 体力40・武力40・知力40・徳力40(34話)


 元ネタは趙岑ちょうしん(字不詳)

 演義のみ登場する華雄の副官だが、誰かを引き立てるでもなく消えてしまうため、追加された理由がさっぱりわからない。

 強引に推測すると……読者の嫌う人物をモデルにしたが、モデルとなった人物の評価が変わって無残な活躍は削られるようになった……とか。



五白羽ごしらはね

 隠巳と一緒にいたが、長任の城で食い殺されたと思われる。


 元ネタは伍習ごしゅう(五習とも)(字不詳)

 郭汜に関する記述の最期で、郭汜を裏切って殺す部下……という程度の出番。



玉方応報たまがたおうほう

 長安で横蓋に討たれる。

 体力50・武力50・知力30・徳力40(29話)


 元ネタは王方おうほう(字不詳)

 董卓関連の記述を読みこんでいるとちらほら見かけるモブ。

 演義ではめでたく馬超を引き立てて殺される役に抜擢。



揚定整修あげさだせいしゅう

 長安で角黄軍に討たれる。

 体力40・武力50・知力50・徳力50(34話)


 元ネタは楊定ようてい(字不詳)

 董卓配下だが、楊奉とは関係ない名家の出身。

 董卓関連の記述を読みこんでいると李傕・郭汜・楊奉・董承あたりによる献帝キャッチボールの頃までちらほら見かけ、最後は独り逃走して行方不明。



犬佳李夢雄いぬよしりむお

 長安で角黄軍に討たれる。

 体力50・武力50・知力40・徳力30(34話)


 元ネタは李蒙りもう(字不詳)

 董卓関連の記述を読みこんでいるとちらほら見かけるモブ。

 演義ではめでたく馬超を引き立てて殺される役に抜擢。

 正史では樊稠と共に李傕に殺される。

 本作では李唯ともども李鶴と同じ姓にしているが、どちらも李傕の縁戚という記述はないし、よくある姓である。



犬佳李唯いぬよしりゆい(犬佳李進から変更)

 李鶴の実弟だが、登場と同時に作者の暴言と共に消される。


 元ネタは李暹りせん(字不詳)

 本作プレイヤーの名前は李進りずむだったが、呂布を破った李進りしんなる人物がいることに気がつき、この稿の掲載と共に修正(隠蔽)。



重草日文しげくさひふみ

 重草の弟。長安戦で最後まで重草の近くで戦う。


 元ネタは董旻とうびん(字は叔穎)

 董卓の弟。宦官たちを斬ったついでに何苗かびょう(何進の異母弟)を殺し、董卓による暴政の出だしをサポート。



重草承しげくさしょう

 重草の従兄弟。長安戦で最後まで重草の近くで戦う。


 元ネタは董承とうしょう(字不詳)

 娘が献帝こと劉協に嫁いだので舅にあたる。

 裴松之の注釈では「霊帝こと劉宏の母・董太后の甥(つまり献帝こと劉協の叔父)」とされる。

 曹操の暗殺を計り、計画には劉備もいたことから演義では「朝廷のためにつくした正義の忠臣」としての脚色が濃く、死後も「曹操の枕元に立って責める」などオーバーワーク気味だが……


「董太后の甥」は間違いという説があり、董卓配下である牛輔の部下にも名前が見られる。

「朝廷を守ろうとした皇帝の叔父」どころか単なる「董卓軍の残党」で、権力争いをしていたひとりにすぎない?

 牛輔配下は董卓一族みな殺しの時期にちょうど離れており、娘を押しつけたのもその後。

 そういう目で見ると、とても董卓一味らしい行動の数々である。

 誤記や同姓同名などの可能性もあって、私としては事実を特定できないでいるが、本作では単なる董卓一味の扱いに。



釘原建陽くぎはらたてあき

 ラグビー部の主将。重草と仲たがいして消される。


 元ネタは丁原ていげん(字は建陽)

 呂布に殺されるが、養父という設定は演義から。

 低い身分の出身で、役人仕事に向かず粗略だが、武勇に優れ真っ先につっこむ……って、まるで演義の張飛みたいに見事な脳筋キャラだ。

 個人的には、説教くさい年寄り文官のイメージだった。

 呂布の裏切りはともかく、張遼たちもそれに従った理由は謎。

 騎馬民族的に、強いほうへ従うだけか?

 本作では豪放で人を引っぱりこむ魅力はあるけど、なんとなく嫌われる要素も入るキャラ造形に。



リョフ

 本作では鬼続らラグビー部が連れている。

 呂布りょふ(字は奉先)のNPC

 一般には三国志世界でも最強で、その武に任せて裏切りをくり返した義にもとり頭の悪い人物とされる。

 しかし日本では悲劇的な孤高の人物として同情的な解釈もあり、特に『蒼天航路』から再評価が広まったひとり。

 正史の記述を表面だけ読むと、意外にちょこまか策を立てている。

 ゲーム設定的にはそれだけで「策を使える」という高めの知力ステータスの対象になる……が、詳しいサイトでは策のそれぞれについて検証して「頭がいいというより、思いつきで動いているだけ」という解釈が。

 私としては高順の分析力を信じ、彼の言葉が呂布擁護の限界に思える。



チョウリョウ

 漢字表記は不明だが、リョフ配下からソウソウ配下になった張遼ちょうりょう(字は文遠)のNPCと思われる。

 特に正史の活躍が劇的で、ゲーム的に魏の最強軍人を選ぶなら筆頭候補。

 呂布配下で関羽と友人というあたりもドラマ的においしい。


 そんなわけで、本作で扱う必要も薄そうなので、32話で早くも連合軍の梁黄に討ち取られて退場している。

 私のマイナー好きの犠牲になった気がしないでもない。



鬼続おにつぐ

 釘原が脱落した後のリョフ軍団を引き継ぐ。わし鼻つり目の男子。


 元ネタは魏続(字不詳)

 呂布の縁戚でひいきにされたが、最後には裏切る。



順高陥陣すぐたか

 目立たないが于示林うじばやしも警戒する用兵手腕の持ち主で、リョフ軍団を陰で支えるプレイヤー。

 眉毛がなく、頬骨とアゴの厚い荒涼たるつらがまえ。


 元ネタは高順こうじゅん(字不詳)

 史書の記述からは非凡な判断力と武勇をうかがわせ、張遼より上に思える人物のひとり。

 高順はいつも呂布に「ろくに考えんと、てきとーなことかましてはしゃいどるだけやからあかんねん。そんなんばっか、もう数えきれんわ」みたいな説教を言っていたらしい(やはり呂布は、浅慮ではあったらしい)。

 このため呂布には信頼されながらもうとまれて兵をとりあげられ(ただし、使う時だけ返す妙な処置で、結局は高順に頼ったまま嫌がらせだけした感じ)、それでも高順の忠義は変わらなかった。

 その理由が謎。

 高順ほど能力と判断力があって、呂布を浅慮と叱り続けながらも仕えた理由は?

 やはり呂布は武勇と戦場指揮力だけではない、なんらかの魅力があったのかもしれない。

 そう考えると『蒼天航路』の呂布は豪快な誇張デフォルメこそしているが、高順の説教の裏にある『浅慮などの短所を埋めうる魅力』をひろったとも言える。

 ……もちろん、BLを持ち出せば一瞬で解決できる謎である。

 本作では「うとまれた」部分を曲解して特徴づけている……コメディですから……高順ファンのかた、ごめんなさい。



蔵覇宣高くらはのぶたか

 無精ひげと前髪が長い男子。


 元ネタは臧覇ぞうは(字は宣高)

 呂布配下・八健将・序列第二位! ……という演義のステキ厨二設定は正史だと存在しないが、正史のほうが無駄にドラマチックな人物。

 逮捕された父を強奪して野にくだり、黄巾賊残党の討伐で活躍するが、私兵を集めて独立勢力となった。

 これだけでは野放図な山賊だが、実態は逆。


 父は刑罰を扱う役人で、上司の横暴を拒否したために逮捕された。

 臧覇による身柄奪取には多くの食客が従い、護送の護衛も多くいたが、動く者はいなかった。

 地方の長である陶謙とうけんに従って黄巾賊残党の討伐で活躍したが、その陶謙が自称皇帝の山賊と組んで故郷を荒らしまわったので、独立勢力となった。

 正しい人間が正しく生きるために、朝廷に逆らって山賊になるしかなかった極端な例である。


 能力・人格とも優れていたようで、地方の城を奪い取った上に呂布を撃退し、その後は呂布と同盟を組む。

 呂布の死後、曹操は賞金首をかけて捕らえさせたが、気に入って高くとりたて、臧覇も応えて活躍と出世を重ねる……という、フィクションのごとき模範的ヒーロー義侠。



 以下の五人は呂布配下で、演義だと八健将と呼ばれる面々。

 これに張遼・臧覇・魏続が加わり、高順は別の扱い。


遭星健児あいぼしけんじ(省略表記を健児から遭星に変更)

 元ネタは曹性そうせい(字不詳)

成兼なるかね

 元ネタは成廉せいれん(字不詳)

栄憲はえのり

 元ネタは宋憲そうけん(字不詳)

候成そろなり

 元ネタは侯成こうせい(字不詳)

赤萌あかもえ

 元ネタは郝萌かくぼう(字不詳)



獅子王充ししおうみつる

 かつてコンパ系の中心だった社交テニスサークルの会長。

 重草と口論になって消される。


 元ネタは王允おういん(字は子師)

 演義においては董卓を誅殺するために養女の貂蝉を犠牲にする忠臣。

 正史でも董卓暗殺を主導して成功させるものの、その後は失望を集め続け、残党の扱いも間違え、混乱の収束に失敗。

 狭量だったようだが、董卓軍へのトラウマとアレルギーが深刻になっていた気もする。



練宮広台ねりみやこうだい

 所属していたホームステイ研究会を総スポにつぶされ、重草軍の内部で優勝阻止に動いた。


 元ネタは陳宮ちんきゅう(字は広台)

 漫画『蒼天航路』のキャラが強烈。たしかに記述どおりの印象。

 陳宮・呂布カップリングの開闢と思われる。

 ……が、呂布の豪快を強調したためか、陳宮が反乱を企んでいたことには触れてない。

 曹操を裏切った理由と合わせ、正史的には謎が残る。

 この答に関しては、同じ「小説家になろう」の小説『反曹の怒れる人 ~陳宮と兗州クーデター~』(作・練り消し 様)が詳しい。



ジョコウ

 元ネタは徐晃じょこう(字は公明)

 曹操配下でも屈指の名将。本作では演劇部の陽奉が連れていた。

 長安の乱戦で湖車寺に討ち取られてしまう。



白波木陽奉しらなみきあきよし

 大学演劇部の部長。優勝報酬には「演劇の幼女役」を確認していた。


 元ネタは楊奉ようほう(字不詳)

 黄巾賊の残党である白波賊の頭目のひとり。

 白波賊は盗人を指す白波の語源ともなった。

 それがどういうわけか献帝こと劉協を保護する立場になる。

 フィクションじみたサクセスストーリーだが、はた目には朝廷の落ちぶれようを示す。

 改心したわけでもなさそうで、好き勝手をしていたらしい。

 多くの者にアホ扱いされ、実際に見事にだまされ続け、惨めな最期へ向かう。


 本作では戦場でも優柔不断だが、実際は戦上手だったらしい……が、後に魏の名将となる徐晃が部下にいただけのような気も。

 献帝がかつての功績から処刑を止めていることからも、知性はともかく人格は多少なりマシだったのかもしれない……が、楊奉の人格が悪くないというより、献帝が特別に優れた智謀人徳で制御していただけのような気も。


 フィクションでは逆に考えて『アホだけど戦上手の人格者』だとおもしろそう。

 単純思考で山賊になるが、義侠心で献帝を保護し、身分違いの交流によって皇帝の人徳を育て、その戦いぶりを学んだ部下の徐晃は後に魏の名将となる……みたいな。



朝違曜あさちがいよう

 名前が未出の演劇部。いつも陽奉と一緒にいる。


 元ネタは韓暹かんせん(字不詳)

 白波賊の頭目のひとり。いつも楊奉と一緒にいる。「隠し砦の三悪人」みたい。



才湖さいこ

 長安で名前の登場と同時に退場した演劇部プレイヤー。


 元ネタは胡才こさい(字不詳)

 白波賊の頭目のひとり。正史でも演義でもあっさりと退場する。



勝馬寿成かつまひさなり

 大学の陸上部。重草とは高校からの友人。長任の城を攻めている最中に離脱。


 元ネタは馬騰ばとう(字は寿成)

 馬超の父親。長身で勇猛。

 演義では曹操暗殺計画に参加する忠臣という扱いで曹操に殺され、馬超に曹操への復讐心を持たせる。

 正史では騎馬民族らしい反逆をくりかえし、最後は馬超の反逆に巻きこまれ(見捨てられ)て曹操に殺される。

 この馬超のギャップはアンチ演義・アンチ蜀に冷やかされたり、新たにワイルド嗜好のファンをつかんだり。



幹遂緯文みきとげこれふみ

 大学の陸上部。長任の城を攻めている最中に離脱。


 元ネタは韓遂かんすい(字は文約)

 くり返し中央へ反乱する……ということは、それだけの回数を帰順している。

 その場しのぎをくり返すしかない中央側の混乱もしっかりひどい。



ホウトク

 龐徳ほうとく(字は令明)のNPC

 史実では曹操配下になる猛将。本作では陸上部が連れている。



バチョウ

 馬超ばちょう(字は孟起)のNPC

 張飛と互角に戦い、劉備配下となった最強クラスの猛将。

 本作では明言されていないが、勝馬が重草へ貸したNPC。



バタイ

 馬岱ばたい(字不詳)のNPC

 馬超の従兄弟で、蜀で長く活躍する。

 演義では孔明没後に横暴になった魏延ぎえんを斬り、物語でも最後の大きなカタルシス(盛り上がり)となる。




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