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番外6 最新話までの人物設定(ネタバレふくむ)角黄軍・皇帝軍ほか


*飛ばして問題ありません。作者の自己満足的な設定語りがほとんどです。


 この番外に限っては環境依存文字も使用。

 一部の情報は本編でも未出か明言なし。

 特記しない限り能力数値は最新の表記。




『角黄軍』

 弓帳三姉妹を崇拝する信者の集団。

 戦力の中心は賊兵だったが、首都陥落を機に方針転換。

 さらに連合の決起を持ちかけ、トップ争いを続けていた重草しげくさ軍の討伐に成功する。



弓帳ゆみとばり三姉妹

 天才と名高い三つ子の美人で、ゲーム内の能力値まで高いらしい。

 顔での判別は困難で、ほとんど常にほほえんでいて、真意はつかみがたい。

 一応はゲーム研究会に所属し、製作の最終段階だけ関わり、犬南も把握していない異常に高度な改良を加えている。


弓帳角黄ゆみとばりすみき

 長女。緑の道士服。襲ってきた寥花を用兵だけで完敗させ、異常な厚遇で迎える。

 元ネタは張角ちょうかく(字不詳)

 黄巾の乱を起こした太平道の創始者。


弓帳宝黄ゆみとばりほうき

 次女。黄の文官服に胴鎧を重ね着し、長斧を振るう。

 元ネタは張宝ちょうほう(字不詳)張角の弟。


弓帳梁黄ゆみとばりりょうき

 三女。赤の貴婦人服に胴鎧を重ね着し、長槍を振るう。

 元ネタは張梁ちょうりょう(字不詳)張宝の弟。



剣元寥花けんもとりょうか

 ホラー研究会ゾンビ派を自称する高等部三年女子。以前はバスケをしていた。

 賊兵を集めるプレイスタイルで行きづまっていたが、角黄軍へ入ってにわかに大兵力を任される大幹部に。

 本人としては以前ほど悪趣味ではないらしいが、縁のあった変人プレイヤー于示林を気にかけ、偵察で出くわした珍妙プレイヤー長任にも興味を持つ。

 体力70・武力60・知力50・徳力50(28話)


 元ネタは廖化りょうか(字は元倹)

 劉備りゅうび配下の武将として長く仕える。

 演義ではなぜか黄巾賊の出身とされ、推定される現役年齢がとんでもないことになる。

 というか正史だけでも十分にとんでもない活躍期間で、蜀漢の勃興から滅亡まで見届けるため、フィクションでも使いでがありそうなキャラと立ち位置。



シュウタイ

 周泰しゅうたい(字は幼平)のNPC。

 演義において海賊(江賊)出身とされる孫権そんけん配下の豪傑。

 本作では角黄軍の主力だったが、NPCリョフに討たれる。



シュウソウ

 周倉しゅうそう(字不詳)のNPC。

 演義において関羽かんうの側近とされる山賊出身の怪力豪傑。

 演義成立の過程で様々なバリエーションが存在するらしい。

 架空の人物でありながら関羽と共に祀られる信仰対象となった。

 本作では角黄軍の主力だったが、NPCリョフに討たれる。



高山白穂たかやましらほ

 大学の剣道部で、投降した首都防衛隊の生き残り。

 能力ステータスが高い上、礼儀正しく頭がよさそうで気さく。

 体力70・武力70・知力70・徳力80


 元ネタは皇甫嵩こうほすう(字は義真)

 智勇徳義に優れ、黄巾賊討伐で大活躍した三国志世界でも屈指の名将……だが、フィクションでは活躍を劉備や曹操に奪われがちで、それどころか腐敗役人を象徴する小者として扱われることも少なくない。

 序盤でコンパクトにメインキャラを引き立てつつ大まかな背景・障害を説明する都合だけなので、大目に見てあげてほしい。

 本作では能力値がプレイヤーにしては高いが、扱いは……もうしわけない。


 余談。短絡的には「暴君・董卓とうたくを討てる立場にいながら服従した」人物にもとれる。

 しかし多くの逸話から伺える深謀と剛毅な性格からすると、誅殺を避けるべき理由があり、最期まで「内部でバランスをとった」が近そう。

 董卓は皇甫嵩の功績と人望を憎み恐れており、処刑する寸前で思いとどまっている。

 命が危うい立場でありながら、誅殺より利用を選んだ剛毅と深謀とも解釈できないか?

 皇甫嵩ほどの大人物であれば、董卓の抑え役になれたのかもしれない。

 そしてその状況が、一番マシと判断したのかも。


「董卓が拝礼を強要した話」に注目したい。

 皇甫嵩が服従するような人物なら、はじめから拝礼していたと思われる。

 董卓も敵対心だけではなかったようで、皇甫嵩の能力と人格は高く評価していたように感じる。

 以下は私独自の解釈で、ふたりに悪友のノリがあった説。


董卓「お前ら、俺を出迎えるなら頭下げろや。皇甫嵩が頭を下げない? 殴るから引きずり出せ。(バキッ!)……こりた?(前に、処刑する寸前で許してやったの忘れた? 邪魔する気なら殺すよ?)」

皇甫嵩「はいはいすいませんね(ニヤニヤ)。お前もずいぶんえらくなったもんだよな(別に逆らう気はないけど、前の職場では見当違いの戦略を立てたり、アホな命令違反で罰せられていたやつが、ずいぶんえらそうにしているから驚きだよ)」

董卓「おまえみたいな小者じゃ理解できない大物だっただけだ(こりねえなあ。そろそろ俺を認めて、服従するふりくらいしろっての)」

皇甫嵩「いや、俺もお前も大物だったけど、お前だけ今朝いきなり神になったんだろ(俺と同じくらいには有能だと思ってやってもいいけどね。少し前までは同じように前線で泥かぶっていたくせに、にわかでいきがりすぎだろ)」


 皇甫嵩は地位へ敬意を払いつつも服従しない態度を示し続け、董卓は示威行動だけで見逃した、という状況に思える。

 董卓は凶悪な暴君には違いないが、狡猾な計算もしている。

 田舎マフィアの親分じみたノリであれ、ある種の度量と情は持っていた……気がする。



朱獲公偉あけとりきみひで

 大学の剣道部で、投降した首都防衛隊の生き残り。

 能力ステータスが高い上、礼儀正しく頭がよさそうで気さく。

 体力60・武力70・知力60・徳力70


 元ネタは朱儁しゅしゅん(字は公偉)

 黄巾賊討伐で活躍し、皇甫嵩ほどではないが十分に名将。

 そして皇甫嵩と同じく、フィクションでは物語構成上の不遇。



虎植幹子とらうえみきこ

 大学の剣道部で、投降した首都防衛隊の生き残り。

 能力ステータスが高い上、礼儀正しく頭がよさそうで気さく。

 体力70・武力60・知力70・徳力70


 元ネタは盧植ろしょく(字は子幹)

 皇甫嵩・朱儁と同じく、黄巾賊討伐で活躍した名将。

 劉備や公孫瓚こうそんさんの師として、演義での扱いは良い傾向。



有象無象

 弓帳三姉妹を崇拝する知的でおとなしめの男子大学生を中心とした端役群。

 名前は誰得(誰が得するのかわからない、誰も得しないであろう)すぎる元ネタのオンパレード。



駿義はやよし

 大学三年、社会学部、心理学専攻、サイクリング同好会。

 連合軍対重草軍の序盤で脱落する。


 元ネタは馬元義(字不詳)

 張角の腹心として、洛陽襲撃の準備に宦官を抱えこむ朝廷工作を進めていたが、部下の唐周の密告によって捕らえられ、車裂きの刑になる。

 これをきっかけに計画を前倒しに各地の黄巾賊が蜂起し、黄巾の乱が起きる。


 なお、黄巾「賊」は当時の朝廷の側に立った呼び方であり、黄巾の乱も善政を標榜した決起である。

 宦官の抱え込みが進んでいたことなどからも、黄巾賊は統率のとれた軍隊・思想集団という面もうかがえ、張魯ちょうろより大規模な宗教国家を完成させた可能性は低くなさそう。

 単なる略奪集団と変わらない支軍も多かったとは思うが、略奪まがいの悪政で民衆を虐げていた点では当時の朝廷も同じである。



波財はざいナミオ

 大学二年、理工学部。連合軍対重草軍の籠城中に脱落する。

 体力50・武力50・知力40・徳力30


 元ネタは波才はさい(字不詳)

 演義には登場しない。潁川黄巾賊の指揮官。



輩元はいもと

 大学二年、乗馬サークル。首都の重草戦で寥花を守って脱落。


 元ネタは裴元紹はいげんしょう(字不詳)

 演義のみ登場する架空の人物で、元黄巾賊の馬泥棒。

 馬を盗もうとするが、持ち主が豪傑・関羽と知って周倉しゅうそうと共に家来になりたがる。

 しかし自分だけ置き去りに待たされ、しかも次に盗もうとした馬の持ち主であった趙雲ちょううんに一撃で殺される……どこか不憫な端役悪人。



政厳まさよし

 高等部三年。寥花と同じクラスだが認識されていなかった。


 元ネタは厳政げんせい(字不詳)

 演義のみ登場する架空の人物。張宝の配下。



登茂とうも

遠志とおし

 絶叫マシーン研究会。連合軍対重草軍の序盤で、討たれた名乗りだけで登場。


 元ネタは鄧茂とうも(字不詳)と程遠志ていえんし(字不詳)

 演義のみに登場する架空の人物で、黄巾賊の先兵頭目とその副官。

 平たく言えば、物語の冒頭で張飛と関羽の豪勇を引き立てるためだけに追加された斬られ役。

 本作では所属サークルの設定に悩んだが、最終案に天啓を感じた。



歌満夜叉うたみつやしゃ

 対重草戦で籠城するが、勝手に出撃して隠巳に討ち取られる。

 体力50・武力60・知力20・徳力10


 元ネタは何曼かまん(字不詳)

 汝南・潁川の黄巾賊。

 正史では于禁うきんに降服する。以後は不明。

 演義では曹洪そうこうに討たれ、ついでに「刹天夜叉」とも自称していた。


 演義における命名センスの厨二くささ(当時の流行に合わせた大衆娯楽性)をうかがわせる。

 華雄かゆうみたいに関連性の薄いフィクション同然のエピソードを追記される基準もやはり、名前の印象は重要らしい……エンターテイメントなんだもの。

 なお、まぎらわしい人物に何晏かあんがいるが、そちらは盛らなくても濃いネタが多すぎて逆に手をつけづらいキャラ。



可義べしよしふたり

 対重草戦で籠城するが、勝手に出撃して隠巳に討ち取られる。

 体力30・武力40・知力30・徳力10


 元ネタは何儀かぎ(字不詳)

 汝南・潁川の黄巾賊。正史では于禁に降服する。以後は不明。

 演義では在野時代の許褚きょちょが捕らえ、典韋てんいと取り合いになる。

 その後はめでたく、許褚は力量を認められて取り立てられ、何儀は処刑。



横召郡よこめしぐん

 長安攻略戦で余栄に討たれる。

 体力40・武力30・知力30・徳力20


 元ネタは黄劭こうしょう(字不詳)

 汝南・潁川の黄巾賊。正史では于禁に討たれた。

 演義では李典りてんが捕らえる。



留壁玉利とめかべたまとし

 体力50・武力50・知力40・徳力40


 元ネタは劉辟りゅうへき(字不詳)

 汝南・潁川の黄巾賊。正史では于禁に討たれた……はずだが、以後も登場。

 同じ名前の人物が複数いた(三国志ではわりとある)か誤記かは不明。

 演義では官渡の戦いにおける劉備・関羽・張飛の再会集合地となる都合からか、何曼・何儀・黄劭と別行動になった上に、劉備の徳力を引き立てるために、守って討たれるおいしい役を与えられている。


 これら正史で于禁が討ったり捕らえたりした何曼・何儀・黄劭・劉辟は、演義だと同じ曹操配下の曹洪・許褚・李典に功績が移行され、劉辟は劉備のダシに。

 活躍を配られた三人は敵役でもそれぞれ忠義・純朴・機転で客ウケがありそう。

 いっぽうで、出番をむしられた于禁の嫌われようがおもしろい。

 頭が固すぎる役人気質の完成型みたいな人だから、当時における庶民ウケの悪さは曹操配下でもダントツなのか……だが現代なら、その萌えがわかる人も多いはず……ホーガンのダンチェッカーを好きな人にはおすすめ。



万成超長やすなりこえなが

 対重草戦で籠城し、縫の弓矢で討たれる。

 体力30・武力40・知力20・徳力40


 元ネタは張曼成ちょうまんせい(字不詳)

 張角の決起に呼応した南陽の黄巾賊の司令官。演義には登場しない。



菅玄すげくろ

 長安攻略戦でいつの間にか脱落している宝黄の配下。


 元ネタは管亥かんがい(字不詳)

 孔融を包囲し、太史慈が救援を要請した劉備によって敗走。

 演義ではついでに関羽に斬られる引き立て役だが、架空キャラの宗宝を討っている……つまり「引き立て役の引き立て役」を与えられている。

 なお、敗死したといっても関羽と数十合を打ち合っているので「文醜・顔良より上の扱いかよ」とか思ってしまうが、実際は華雄が盛られまくったのと同じく、演出上の都合と思われる。

 紀霊も同じく根拠のない盛られかたで、いずれも「劉備軍の活躍が無い時期」特に「劉備軍の活躍がないと困る時期」に合わせて強敵ぽさを足されている。

 ……そうやって小まめに盛り上げないと、客が逃げるから仕方ないんや。



ちょうこう

 寥花が対重草軍の籠城戦で苦しまぎれに命名した名無しNPC。

 体力41・武力31・知力17・徳力23


 元ネタは趙弘ちょうこう(字不詳)

 南陽の黄巾賊。張曼成の死後も韓忠かんちゅう孫夏そんかと共に戦い続けた。いずれも端役中の端役。



ちょうひ

 寥花が角黄軍へ入った当初からいた名無しNPC。

「志を同じくする者です。共にがんばりましょう!」

 体力46・武力57・知力38・徳力42


 元ネタは張燕ちょうえん(字不詳)

 黄巾の乱に便乗した黒山賊の首魁。その迅速な用兵から張飛燕とも。

 自ら朝廷に帰順することで、後づけの支配権を公認させてしまう。

 しかし賊といっても、自称でも百万なら(仮に実態が数万でも)下手な官軍より統率も支持もあったかもしれない。



キョチョ

 許褚(字は仲康)のNPC

 曹操の護衛隊長で、配下でも最強格の怪力猛将として多くの功績を挙げる。

 しかし本作ではソウソウ軍と接触することもなく梁黄に討たれてしまう。




『主催』

 ゲーム研究会の犬南協留、虞美、田々壽がテストプレイ案内の中心。

 弓帳三姉妹も在籍しており、一部の開発に協力。

 園本も幽霊部員ながら遊びに寄っている。

 以前のゲーム製作では遠行が脚本、日美子が声優で関わる。

 テストプレイの会場整理には学祭実行委員の璋たちも協力。



犬南協留いぬなみかなる

 ゲームの開発責任者で、テストプレイの総合司会も務める。

 首都で動かないボーナスプレイヤー『皇帝』だったが、弓帳軍に降る。

 ねぼけ顔の低身長女子だが人気は高い。

 体力10・武力20・知力60・徳力80


 元ネタは献帝けんていこと劉協りゅうきょう(字は伯和)

 黄巾の乱が起きた当時の霊帝れいていこと劉宏りゅうこうの次子。少帝しょうていこと劉弁りゅうべんの異母弟。

 父が死に、異母兄の少帝が董卓の専横によって廃された後、皇帝に擁立された。

 群雄割拠の情勢で流浪と傀儡の不遇な人生を送ったが、幼いころより聡明で、董卓や曹操に対する態度からも見識と品格が伺える。

 曹丕の禅譲は演義では悪行のように扱われるが、実際にはやらないほうが政情を不安定にした気もする。

 その後を考えると、道義的にも優れた政権移行の成功例に思える。

 そして劉備のほうが、献帝が殺されたという誤報をでっちあげた疑惑が濃厚に思えるし、諡号(死後に贈る名)のひどさも合わせて、道義的にどうかと思う。


 本作では当初、霊帝(一般には暗愚とされる)も兼ねたモデルにしていた影響で寝ぼけたキャラになっている。



辰安虞美たつやすぐみ

 ゲーム研究会の女子。案内役も務め、ゲーム脱落を機にバグ解析を試みる。

 犬南協留の従姉妹で、理事長の姪にあたる。

 体力37・武力28・知力68・徳力90


 元ネタは劉虞りゅうぐ(字は伯安?)

 皇族の末裔で徳の高い統治者でもあり、袁紹らに擁立されかかるが拒否し、最期は公孫瓚こうそんさんに敗れて処刑される。



田々壽春子たたよしはるこ

 虞美と脱落まで行動を共にしたゲーム研究会の女子。

 体力68・武力52・知力73・徳力79


 元ネタは田疇でんちゅう(字は子泰)

 劉虞の配下で、有能有徳の隠れ名臣。

 劉虞没後の活躍を見ると、劉虞が珍しくまともだった要因にも思える。

 しかし少なくとも、田疇を重用する器があったということか。

 あるいは逆に、皇帝も狙えたのにそうしなかった劉虞の人徳が、田疇へ影響したという解釈もありか。



渦進遂うずすすみとげる

 頼んでないのに首都防衛に集まったプレイヤーのひとり。


 元ネタは何進かしん(字は遂高)

 屠殺業の出身で、異母妹が皇后になったことで出世した無能な成り上がり者……という演義の印象。

 しかし正史からすると、将軍としては意外に悪くなさそうな……というか、本当にただの庶民出身なら、かえってすごい業績のような。

 調べてみると、政治家としてミスに思える部分も擁護できる解釈があるようで、立場的にもおもしろそうな人物。

 無能という演出は、成り上がり者へ対する読者の妬みに配慮したこともありそう。

 それ以上に、魏・呉・蜀いずれの立場でも「前政権はダメダメだった」としなければ正当性がゆらぐため、ダメっぷりの誇張が特に集中したひとりかも。




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