感情と私
長い期間投稿できなくて本当にすみませんでした。
これからは前のようなペースで投稿していきたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願いします。
またあの組織が、私を捉えに...
あれからなるべく考えないように意識しているのだが、意識と無意識ではどうも無意識のほうが強いようだ。何を考えていても知らぬ間に私の脳内が乗っ取られている。
恐怖はもちろん大きいのだが、それと同時に「私にはミラさんたちがいる」という、少ないながらも安心感が芽生えていることに気づくことができていた。そう、今の私にはミラさんたち三人がいる。エールレイユの兵士ごときすぐに追い払ってしまえるだろう。なによりも、今は私自身が微力ながらも戦えるということがこの安心感を生んでいるのだと思う。
もちろん微力ではだめだ。
もっと強くならなくては
「おい、フィオラ前、前!!」
「? うわぁいっ!?」
どうやら私は、考えながらの歩行にはむかないということにたった今気が付いたようだ。
アッシュさんの声と同時に、私は何か看板らしき物体に頭突きをしたようだ。反動で地面に倒れるまでの間、私より少し後ろにいたアッシュさんとロキさんの顔が確認できた。アッシュさんは焦った様子だったが、ロキさんはその表情から察するに「あちゃー」といいたいんだろうな。
いやぁ、お恥ずかしい。
そして盛大に地面に尻餅をついてみた。
「あーあ.....。大丈夫かよ」
軽くため息をつきながらも、アッシュさんが私に手を差し伸べてくれた。その手は大きく、私のエールレイユに対しての迫り狂う恐怖を防いでくれるかのようだった。
私はアッシュさんの手を握り、引っ張ってもらいながら立ち上がる。
「ありがとうございます、アッシュさん」
そう言うとアッシュさんは、穏やかな微笑みを私に向けた。いつか私も、こんな表情ができるようになりたいと思う。
「ほら、先行くぞ。って、ああもう着いてたのかよ」
なんだかんだやっているうちに、どうやら私たちは目的地である宿屋についていたようだ。私はまだシンテイムの宿屋しか見たことがないため色々な面での比較はできないが、建物自体はとても大きいとは言えないにしてもなかなか立派だ。それは周りの民家と比べれば一目でわかる。隣のロキさんも関心の声を上げている。
「さ、とっとと中に入るわよ」
ここまでの道のりで何とか機嫌を直したミラさんが中に入って行った。私たちもミラさんの後に続いて暖簾をくぐる。
―――――――≪レイネシオの宿屋「オッカの宿屋」≫―――――――――
暖簾をくぐると、賑やかな雰囲気が私たちを包んだ。それと同時に受付のお姉さんが「ようこそオッカへ」という歓迎の言葉と、丁寧なお辞儀を披露した。その先には私たちのように依頼をこなすために近場であるこの町を訪れた挙句、この宿屋に行きついた人たちが、楽しそうだったり、難しそうな顔をしながら今後の予定を話し合っているようだった。彼らはたくさん設置された中くらいの円型テーブルを囲む形で置かれたいすにそれぞれ座っている。どうやらこの宿屋の一階は集会場のような扱いになっているらしいな。こういった場所は嫌いではない。
私たちは受付に向かい、手続きを済ませる。この宿屋の一部屋にはベッドが二つしかないようなので、アッシュさんとロキさん、私とミラさんという風に男女でわかれる形になった。私たちの部屋は同じ階で、3階のようだ。
3階にたどり着く前の階段でも色々な人を見かけた。依頼をこなしに来た人、実家に帰る途中だという人、物を売りにわざわざこの街へ来た商人など、とにかくたくさんの人を見かけた。
そしてついに3階へ着き、ここで一旦ロキさんたちと別れる。
私とミラさんは、指定された部屋のドアの前に立った。
「入ろっか」
「はい」
ドアに近い私が無意識にドアノブを握ってドアを開く。
筈だった
「ど、どうしたの?フィオラちゃん」
と、ミラさんが焦ったような声で心配する。
そんなミラさんにありのままを伝えてみることにした。
「あの、えーと、なんと言いますか、ワクワクしてるんだよ思います。たぶん」
ミラさんに引き取られてからだいぶ自分の感情を理解できるようになったと思う。そう、今回はわくわくでドキドキだ。
「あーそれわかる!!どんな部屋なんだろうって感じだね!!」
そういうとミラさんは私の頭を撫でてこういった。
「一緒に開けよっか」
「はいっ」
ドアノブを握っている私の手の上にミラさんの手が乗る。暖かい手だ。
その暖かさが、私にわくわくを通り越す勇気をくれた。
たった一夜を過ごす部屋。それに見合わないくらいの期待を胸に、私たちは二人でドアを開けた。
二度目になりますが、投稿が遅れてしまってすみませんでした。
※変更点
・章ごとのタイトルにある「第x話」という区切りが、内容とかみ合っていないと感じたので書くのをやめました。




