プロローグ:イラク上空15m
初めての投稿ですので、間違いが多々あるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。
茹だるような暑さの中、特殊作戦用ヘリMH60Kの中で一人の日本人が、機内で肩に小銃を担ぎながら、遠い祖国日本の事を思っていた。
彼の名は倉田和人、一等陸尉で陸上自衛隊中央即応集団(CRF)隷下の特殊作戦群(SFGp)第一中隊第二小隊のポイントマンである。和人の肩に担がれている小銃も陸自で正式採用されている89式5.56ミリ小銃ではなく、ドイツH&K社製のHK416を使っている。HK416には様々なアクセサリー(特殊作戦用装備)が取り付けられており、取り分け、銃口の先に装着されている竹輪の様なサプレッサー(消音器)が怪しさを醸し出している。
さて、何故、陸自の特殊部隊が日本と石油以外でほとんど国交のない中東の「イラク共和国」にいるのかというと、特殊作戦群(以下特戦と表記)に実戦経験を積ませる為に行われているいわば"訓練"なのである。しかし、日本には憲法第九条第二章「戦争の放棄」がある為、完全極秘の非公式派兵となっている。この派兵には各国の特殊部隊も参加しており、米国はCAG、DEVGRU、SF、イギリスは第22SAS連隊、SBSX中隊、日本からは先の特戦とSBUと呼ばれる海自の特殊部隊も派遣されている。他にも様々な国の精鋭達が派遣されており、述べ12カ国がこの"スペシャルフォース12"(SF12)に参加している。
和人がいま居るヘリにはSF12隊員が8名搭乗しており、特戦が2名、SASが3名、CAGが1名、最後にKSKが2名という構成になっている。そうして8人の精鋭を乗せたヘリはイラク北部の小さな寒村へと、静かに、闇を這う様な低空で進んでいった、、、。
二話目の投稿はできるだけ早く投稿しようと思っていますが、遅筆ですので長くなるかもしれません、申し訳ありません。