表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/27

病室

 優衣は、昏睡状態だった。最悪、いつ亡くなってもおかしくない状態。優衣以上の問題は、隼人が死んだ事実だ。

 しかし、それ以前に、隼人の助けを借りずとも優衣なら、七海と互角以上の戦いはできるはずだ。

 優衣は、能力を使えば、逃げ出すことはできたはず。なぜ逃げなかった。最後、能力を使わなかったのだろうか?

「違うわ。使わなかったんじゃない。使えなかったの」

 雫は、泣きながら喋った。

「優衣の能力は、写真や鏡等、自分の顔と同じ物があれば、その移動できる能力よ。すなわち、顔が違えば……」

 雫は、優衣の顔を指さす。優衣の頬には、傷ができていた。なぜ優衣なのかが、いまいちわからない。

「七海は、なぜ優衣を狙ったんだ」

「それはね。もしも碧ちゃんを誘拐したときに、優衣がいたら、邪魔になるから」

 雫の答に、びっくりと僕はした。なぜだ……。なぜ七海は、拉致できると踏んでいるんだ。どんな方法を使うんだ。

「涼、あなた、この事件が終わったら、この仕事、すっぱり辞めたほうがいい」

 雫は、涙を拭い僕を睨みながら言った。

「なんでだよ。俺が何か悪いことをしたか?」

 思い当たる節がない。

「してるわ。あなた優衣のこと、わかっているの?」

 雫は、僕に質問をした。

「イギリスから来た帰国子女。能力は、移動系能力。悪戯好き」

 それぐらいしか、思いつかない。

「優衣はね。一〇年前に、涼と会っているの」

 僕は、雫の答にハッとする。椎名優衣……。小学校の同級生にいたような気もする。

「優衣はね。楽しみにしていたの、涼との再会を。ただ、あなた、最低な行為をした」

 雫が言う最低なこととは、最初の事件で、優衣を庇わなかった行動か。犯人が優衣を狙っていたら、優衣は、死んでいたのかもしれない。

「この事件だって、七海ちゃんの腕の傷や誘いに乗っていれば、起こっていなかったかもしれない。」

 雫の能力、サイコメトリーで、僕の記憶を見たのか。

「涼、あなた決定的に気づけていないの」

 雫は、核心を突くように言った。

「涼、あなた、もう二人の人生を狂わせているのよ。たぶん、あなた、今後も同じ失敗を起こすわ」

 確かに、雫の言う指摘も一理あるのかもしれない。

「雫、お前の言っている意味もわかる。ただ、この責任を俺がとるよ。絶対に碧だけは、守る」

 僕は、雫に宣言した。

「間違いなく、次、碧ちゃんが襲われる」

 これは、間違いない未来だろう。

「たぶん、七海は、碧を拉致する気だ。行くぞ」

 僕は、優衣の病室を出た。

 以前から、気になっていたが、雫の運転は、荒い……。あの後、雫は、隼人の死体をサイコメトリーしていた。

「涼は、あの場に、隼人がいた理由、わかる?」

 雫が唐突に質問した。

「いや、わからん」

「優衣を、見張っていたのよ」

 隼人が優衣を見張る理由なんて、あるのか。

「隼人は、優衣のストーカーだったの」

「いや、ありない。隼人は、優衣が嫌いだったはずだ」

 僕は、何度も隼人から優衣の悪い噂を聞いたはずだ。

「優衣と涼を仲良くさせまいとしたのよ」

「そうだったのか」

 優衣の悪い噂は、すべて隼人からだった。

「あなたが人生を狂わせたのは、三人だった」

 雫は、冷たく喋った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ