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最悪な再会

 なぜ優衣と仲良くしなければ、いけないのだろうか……。

 雫は、僕に立ち直ったと言っていたが、本当だろうか。確かに、瓜二つの碧は来た。でも、碧は、七海ではない。

 何かに後を尾けられては、振り向くと、誰もいないという感覚を数回した。僕は、病気にでもなってしまったのだろうか……。

 碧が襲われて、一週間が経った。碧との水族館に行くという約束。僕は、必死に中止しようとした。だが、碧にどうしてもと言われ、無理だった。

 僕と碧とテル、奈那の四人で、水族館に来ていた。僕と碧のデートの可能性もあると想像していたが、四人とは……。

 社長令嬢の奈那の計らいで、貸し切りだ。貸し切りと言っても、年に一度の大がかりな清掃と点検日の日なだけなのだが……。

 僕は、五階建ての三階、日本でも有数な巨大水槽の前に、奈那といた。

「嫌がらせ、もういい加減にしろ」

 奈那のした嫌がらせは、許せるレベルを遙かに超えている。

「人殺しに言われたくないですね」

 奈那の目が鋭利な刃物のように鋭い。

「人殺しではないだろう」

 テロリスト等は、殺しているが……。

「あら、私が気づいていないとでも思っていたのですか」

 奈那は、アイフォンで、僕に映像を見せた。その映像は、僕が、テロリストと戦闘をしている映像だった。これは、まずい……。

「いつから、気づいていた」

「別に、人の職業を、どうこういう気はありません」

 奈那は、優しい表情で答えた。奈那は、何を伝えたいんだ?

「何がいいたい」

「あなた、人ではなくなってる」

 奈那がこの表情で、この発言は、少し効いた。僕は、怒りを抑えて聞き返した。

「人じゃなくなっているって、どういう意味だ」

「あなたには、通常の判断ができなくなっている。戦争に参加している子供のように」

 奈那の言葉に僕は、馬鹿な戯言だと思った。

「ふざけるな。おれだって怒るし泣くし、笑う」

 感情はあるし。人並みには冷静だと思うが……。

「七海の異常がわからなかったんですか」

 奈那は、哀しそうな目つきで言った。

「別に、どこもおかしくなかっただろ」

 あえて言えば、腕に傷があったぐらいだろうか。

 奈那の言っている疑問点が本当であれば、事前に七海は、襲われる事実を知っていたのか?

 馬鹿な……。なぜ助けを呼ばなかったんだ。

「電話には、出ない。酷くないですか」

 奈那の問いに僕は、「すまん」と答えた。

「もう二人とも、顔が怖いよ」

 碧が、心配そうな顔で寄ってきた。

 僕の携帯に、奈那からメールが届く。

「明日、碧は転校するそうです。今日だけですが、仲良くしましょう。今日だけですよ」

 碧が転校。わけわからない奴が襲ってきているんだ。安全な所に引っ越すのは、当たり前だ。俺が携帯を閉じた瞬間、電気が消えた。停電だ。なぜ……こんな現象が。明らかにおかしい。これほどの大規模な施設なら、簡単には停電しないはずだ。

「ここって、予備電源ないのか」

「アナウンスすらないなんて」

 奈那が驚いた声が聞こえ、碧が可愛らしい声で答える。

「もしかしたら、何かのメンテナンスかもしれないね」

「確かに可能性は、あるな」

 一番その可能性が高いのか? 奈那が携帯電話で電話をかける。

「携帯電話に出ない」

 驚いた表情で奈那が答えた。この状況で、電話に出る余裕がないんだろう。

「忙しいんだろ」

「そうかしら」

 奈那は珍しく、不安そうな声だった。

 近くから、足音が聞こえる。目の前に茶髪の少女が現れた。顔は、暗くて見えない。

「こんにちわ。三号機さん」

 どこかで聞いた声だ。

 目が暗闇に慣れてきた。僕は、少女の顔を見る。馬鹿な……。碧……、いや、僕たちの目の前にいたのは、七海だった。


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