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亡界のソルダート  作者: 井平カイ
無番章
51/61

某所

 そこは、暗闇に包まれていた。

 付近に光はなく、当然人の姿はない。この世の果てか、この世ならざる場所か……。そう思えるほど、そこに生の息吹は感じられない。


「――白き神は目覚めたか……」


 その時、闇の中に声が響いた。


「はい。そのようです」


 そしてその声に答える声が、もう一つ。


「ゾルは、うまくいったようだな」


「はい。……ですが、敗れたようです」


「それが奴の運命だったのだろう。奴は器ではなかった……ただそれだけのことだ」


「……これから、どうされるおつもりですか?」


「白き神は目覚めた。だが、まだ全ての巨像が目覚めたわけではない」


「では……」


「そうだ。急ぎ新たな目覚めを進める」


「承知しました。……残る数は、さほど多くはありません。もう間もなくかと……」


 影は、不敵に微笑む。


「――ああ。もう間もなくだ。天の空座は、間もなく終わる――」


 そして声は、闇の中に消えていく。

 ゆらりと揺れ動く影と、座して動かぬ影……。二つの背後には、周囲の色に紛れるように佇む巨像が一つ。

 どこまでも深く、どこまでも濃い、漆黒の巨像の姿があった――――。



第一部 完

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