表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

キャラメイク

皆様のおかげでユニークアクセスが100を突破しました。


駄文で恐縮ですがこれからもご愛読よろしくお願いします。


《Life》のサービス開始まで後2時間。

サービス開始の3時間前になるとキャラメイクが可能となると事前に得ていた情報で知っていた為に俺はベットの脇にある《ダイブギア》を被ると横になって目を瞑る。


《ダイブギア》というのはVR用ゲーム用のゲーム機で。前面だけを覆うヘルメットのような形状をしている。


昨晩のうちに《Life》のソフトはダイブギアにインプットしてあるので後は起動を待つだけ。


『VRMMO《Life》を起動します。

………

……

――起動に失敗しました。

《Life》のサービス開始まで残り1時間58分と6秒です。


《Life》のキャラクターメイキングが可能です。選択しますか?


→Yes

 No


……

キャラクターメイキングが選択されました』


無機質な機械音声が止むと、《ダイブギア》の機動音のみが聞こえる。

直ぐに心地よい眠気がやってくると俺は意識を手放した。


―――


『キャラクターメイキングの世界へようこそ。此方ではVRMMO《Life》でお楽しみ頂けるキャラクターの設定が出来ます。』


先程の様な無機質な機械音声ではなく、淡々とした女性の声で俺は目を覚ました。

俺は何も無い真っ暗な空間に佇んでいた。


とは言っても驚きはない。VRゲームのキャラメイクの際はだいたいこの様な何もない空間で行われる為、幾つものVRゲームを経験してる俺にとっては最早お馴染みの光景だ。


『先ずはキャラクターの種族をお選び下さい。種族の名前をタッチすると種族の説明を確認出来ます。』


俺の前に大きなホログラムウインドウが出現した。

魔物の全体図と名前、初期ステータスが書かれており、手を横に振る事で次の魔物へと移る。


この作業が難航した。

《Life》のプレイ可能な魔物の種類は数千を超えると言われている。

嫌な予感はしていたんだが、初期選択可能な種族も50を超えていた。


事前情報がない分、それぞれの種族の特色すら分からない為、気になった魔物名をタッチして説明を読んでいく。


本当は全部読みたかったんだが、如何せん時間が無さ過ぎる。

絶対キャラメイクの解禁時間間違えてるよな。こんな大量に読み込める訳がない。


幸いにもサービス開始までのタイマーがウインドウ脇に設置されており、サービス開始に乗り遅れる事はないのだが。


しかし、これほどの種類があると悩むに悩む。


俺の思い描くプレイスタイルに合った魔物を幾つかピックアップしていく。


俺のプレイスタイルは典型的な脳筋。

小細工無しに高い能力値で相手を叩き潰す。レベルを上げて殴ればいいを地で行くタイプだ。


となると初期ステータスが高かい亜竜レッサードラゴン、攻撃面に優れている

牛頭人ミノタウロス人型甲虫インセクターなんかが良いのかなぁ。


『サービス開始まで残り30分です』


「うおっ、やばっ。まだ最初の種族選択だってのに時間が無い!!」


慌てて時計を確認すると残り30分を切っていた。

俺は焦りながら、手を振り次々と魔物の画面を切り替えていく。

焦って全ての魔物をチェックしないまま、次の設定に行く事はしない。


もしかしたら第一候補の牛頭人ミノタウロスよりも俺に合った魔物がいるかもしれないからだ。


「ん?コイツのステータスって……」


俺は一匹の魔物の画面で手が止まる。



種族名:ゴーレム


初期ステータス


STR 18

DEF 35

INT 5

MND 13

DEX 12

AGI 3

種族スキル


石の身体



「滅茶苦茶ステータス高いじゃん」


思わず口に出さずにはいられなかった。

今まで見てきた魔物の平均ステータスは10。

これを基準と見ていい。


INTとAGIの低さが目に止まるが、他は平均値より上。STRとDEFがずば抜けている。

STRは亜竜レッサードラゴンと同等、DEFに関して言えば牛頭人ミノタウロスの3倍近いと言えばその凄さがわかるだろうか?


「絶対に裏があるよな……」


こんなバランスブレイカーがなんの制約も無くいたら《Life》はゴーレムだらけになるだろう。

流石に何かしらの欠点がある筈。


しかし、あまり悩んでいる時間は無い。

まぁ、レベルアップが遅いだとかスキルの経験値が溜まりにくいとかそんなもんだろう。


圧倒的な強さで押し潰すという俺のプレイスタイルにピッタリじゃないか、うん。


俺は自分を無理やり納得させるとゴーレムで自分の種族を決定させる。


『ボーナスポイントはランダムで決まります。一度決定すると種族選択画面には戻れません。選択した種族は《ゴーレム》で間違いないですか?』


俺は一瞬躊躇うももう一度決定ボタンを押す。


ボーナスポイントというのはステータスに割り振ったり、スキルを獲得するのに必要なポイントの事だ。

キャラメイクの際に手に入り、ゲーム中だとレベルアップや転生クラスアップの際等にも獲得できる。

ステータスを優先するか、スキルを優先するかで

同じ種類の魔物でも大きく変わってくる為ポイントの振り分けは慎重に行わないといけない。


「それにしてもランダムか……」


キャラメイクの際に貰えるポイントはランダムと先程説明していた。

つまり、最初に貰えるボーナスポイントの量がゲーム序盤のプレイヤーの強さに繋がる。


ボーナスポイントが多ければゴーレムに匹敵するようなステータスになる事も可能だしな。


俺は期待を込めて手を横に振り……絶句した。



種族名:ゴーレム


ステータス


STR 18

DEF 35

INT 5

MND 13

DEX 12

AGI 3


BP:3


種族スキル


石の身体


念のために言っておく……BPってのがボーナスポイントの事だ。


つまり俺に与えられたボーナスポイントはたったの3ポイントという事になる。


「これはステータスに振るのは諦める他ないな」


まぁ、ゴーレムの初期ステータスは優秀なので俺は少ないBPでスキルを獲得する事にする。


此処でスキルについてヘルプを開いて簡単に再確認しておく。

本当ならじっくり読みたいんだが、言わずもがな時間がね……。


スキルは大きく3つに分けられる。


ユニークスキルと種族スキル、そして通常スキルの3つだ。単にスキルと言う際は通常スキルの事を差すらしい。


ユニークスキルというのは獲得が難しい反面、残りの2種類よりも強力な効果を持つ。

また、ユニークスキルの一部はキャラクターメイキング終了時にランダムに獲得出来るらしい。


種族スキルというのは魔物独自が持つスキルの事

で便利なものが多いが、その魔物でいる間しか効果がない。

つまり、俺が選んだゴーレムが持つ種族スキル《石の身体》は、俺が転生し別の魔物になった際に消えてしまうというわけだ。


通常スキルは一番種類が多く、使いやすく効果もシンプルなものが多いが魔物によっては習得が出来ないスキルもある。

スキルによって必要なBPは違い、強力なスキルにはそれだけ多くのBPが必要になる。


この中でBPを使って獲得出来るのは通常スキルだけ。

ユニークスキルは特殊な条件を幾つかクリアしなければ獲得できず、種族スキルは魔物そのものが持つスキルな為に獲得する事すらできない。


俺は習得可能なスキルだけが並べられたウインドウを操作して悩む。


本当なら種族スキル《石の身体》と相性のいいもねを選びたいところだが、《石の身体》がどういったスキルなのか確認する事が出来なかった。

ゲーム開始まで秘密という事らしい。


残り時間も少ないので俺はBP全てと引き換えに《HP自動回復・微》を選択する。


『ボーナスポイントの割り振りが終了しました。続いてアバターメイクに入ります。転生の際の容姿もこのアバターメイクが適用されます』


案内音声の言葉と共に虚空から石の塊が現れる。

石の塊は俺がイメージした通りに形を変えるようだ。


俺は重厚な西洋甲冑を思い浮かべると石が形を変えたり、積み重なったりして俺の思った通りの姿をしたゴーレムに変わる。


「うん、なかなか良いな」


俺は3m弱にゴーレムを巨大化させたり、ゴーレムの腕を太く長くしたり、兜のバイザー部分に紅く光る核を取り付けモノアイに見立てる等の調整をくわえるとアバターメイクを終了させる。



『これでキャラクターメイキングは終了です。間もなく《Life》のサービス開始時刻となります。このまま《Life》の世界に旅立ちますか?』


もちろん、Yesを選んだ俺の意識は再び薄れていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ