表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/21

卒業-K 報酬と駆引き

引き続きR15程度の表現が含まれます。無理矢理度が前場面の妹視点よりもエスカレートしていますので、苦手な方はご注意ください。


(馬鹿な子だよね?)と栗石要〔くりいし かなめ〕は目の前で胸を張っている妹を見て、つくづくと思った。



「 要! 」

 無防備に胸に飛びこんでくる美晴に、口の端を上げてギュッと抱きしめる。


(美晴の、そういう馬鹿なとこ、好きだな。馬鹿すぎて……なんだか俺の理性が馬鹿みたいに思えるから、ね)


 制服の彼女をベッドに押し倒して、スルリと彼女の足の間に体を滑りこませて閉じられないようにしっかりと押さえつけた。

 一瞬、怯んだ彼女の体はそれでも微かな抵抗しかしなかった。

 危機感がまるでないみたいに狼狽えて、そのまま足の素肌を滑る要の指に気づくと困惑したように訊いてくる。

「か、なめ。なに、やってんだ?」

「解からないの? 本当に? 男女がすることだよ、美晴の ココ に俺のを入れたい」

 正直に本音を言えば、彼女は大きく身じろいでジタバタと手足を暴れさせる。

 上に覆いかぶさる彼の胸や太腿のあたりを押したり、蹴ったりするけれどすでに後の祭りだ。

 いまや、二人の力と体勢の差は歴然としている。押さえこむのも容易いと要は美晴の耳元に唇を寄せて囁いた。


「 俺の家庭教師代は高いよ? 美晴 」


 その挑発に返した美晴の言葉が面白くて、つい悪ノリだと自覚しながら要は彼女に手を出してしまった。

「ひっ! 胸を、ムネをっ……もむなぁっ! ゃん。スケベ、エロっ」

 なじる言葉の間に混じる、可愛い声に男の下半身が刺激される。

 制服の上から美晴の胸を手のひらに包んで、形を確かめるように握ってみる。

「小さい?」

「! なっ、なっ、わ、悪いか!! どうせAだよっ」

 美晴の胸は見た目を裏切らない ささやかな 存在感だった。けれど、揉めば普通にやわらかいし(一応)ちゃんとブラもしている。

「知ってる」

 家事分担制の栗石家では、当然のことながら洗濯も分担制だ。はからずも彼女のカップ数は目に入る環境にある。

「じゃあ、なんで触るんだよっ。か、からかってんのか! んぁんっ」

 恥ずかしさに真っ赤になって抗議する美晴に、要は体を少し持ち上げた。上から彼女の姿を見て、フッと笑う。

 女の子だ。

 どんなに天邪鬼で、色気がなくて、口が悪くても――美晴の体は「可愛く」反応してくれる。

 そのギャップが要にはたまらない。

 ブラ越しにもわかる妹の可愛い頂を、指の先で弄ぶみたいに挟んで転がす。

「だっ……ヤメ、かなめっ」

 焦る仕草も、自分を 誘っている としか思えなかった。

(可愛い……もっと、見たいな)

 冬のセーラー服とタンクトップの上はお腹のお臍が覗く程度に乱れ、下に至っては暴れたせいか足の付け根の白い下着が見えるほど捲れ上がっている。

 どちらかというと少年みたいな体つき、なのにわずかに主張する胸の小さな膨らみや白い太腿の裏側が「女」を感じさせて、呼吸とともに上下していれば十分にそそられる。

 もちろん、それは好きになった弱みなのかもしれないけれど。


(美晴の体だから、こんなに……悪戯したくなるのかな?)


「ど、どこ見てんだよ! 見るなっ」

 キッと彼女は精一杯の虚勢を張って、威嚇する。

「美晴、下のコレ、脱がしていい? 邪魔だよ」

 要が指し示したものに彼女は青くなり、「げぇぇ!」と呻いた。

 まったく色気がない。

(ホント、美晴らしいなあ……)

 と、微笑みながら要は彼女のショーツに手をかける。

 ずらそうとする彼に、美晴はもうこれ以上はない羞恥の表情で体を必死に揺らした。

「っや! ヤメロ!! なんでこんな……恥ずかしいだろっ」

「じゃあ、上なら?」

「恥ずかしい、つってんだろ! なんで、要に見せなきゃなんねぇんだよっすっげぇ貧相なんだから見るなっついでに触るなっ、バカァッ」

「あー、そっちなんだ? イヤがる方向」

 笑って要は手を引いた。


「俺、美晴が好きなんだけど」


「へ? あ?」

「だから、いいよね?」

「は? え……あ! な、なにが?」

 突然の告白に、美晴はしどろもどろになって要を見上げた。

 その薄く開いた彼女の唇に唇を重ねて、啄むキスをする。

 呆然となすがままの唇を吸って、要は艶然と笑いかけた。

「脱がせて。美晴の ココ に俺を、入れても」

 ジーンズの膝で、彼女の入り口をグイッと押した。



「い、い、い、いいワケ……あるかぁぁぁぁあ!」


 ドン、と。

 ようやく頭が回転をはじめたらしい美晴は上に乗る要を力いっぱい両腕で突き飛ばして、ハァハァと乱れた息を吐き真っ赤に染まった顔を隠して脱兎のごとく逃げ出した。

 部屋の扉の向こうに走り去る彼女の背中を見送って、壁にもたれた要は「家庭教師代はファースト・キス一つね」と満足そうに目を細め――届かないだろう取り引きの言葉を、口ずさんだ。


寸止めです。R15中程度かな~と思っていますが……どうでしょうか。次回、最終場面の後日談で三話ほどあります。よろしければお付き合いください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ