関心/飲む
関心
人の関心が向かなくなると大地震が起こる。そう稀に聞く噂の中でも謎に信憑性と納得感を誇る話。
同様にスリも電車などの大移動などで擦られる傾向があるとかないとか、かなりありそうな実態だ。
そして、自身への関心が向けられなくなったら、最後には躍動する細胞を、仕事を遵守する鼓動を、此処に立ってからいつまでも身を小刻みに震わせる身体を無視してまで風化への最後の一歩を踏み出す。
きっと、未来に関心がなくなったから、だろう。
飲む
乳歯経験数度目に入った慢心からか、元からぐらつき、完全に血抜きが済んだ前歯を抜かずにいた。
絶妙に肉に引っ付き、剥がれる意志を見せないので今日もそれの無事を祈って眠りに落ちたのだが。
歯茎にピッタリと接触してしまう――夢を見た。
けど、神経をぶちぶち引き抜くようなイヤーな痛みと気持ち悪い感覚が襲い、微睡んだ眼を眇めた。
まだまだ夜明けは遠く、ぼーっと頭の回らずにふわふわとした気持ちでいっぱいになっていたせいで、ただ何の生産性も齎さない虚しい時間だけが、延々と過ぎ去り、次第にヨダレの量が増していく。
そして、思わず口一杯の唾を飲んでしまった。
あっ。
喉に流れていく言い逃れの出来ない異物感が、時を経る毎に縁起の悪さとじわっとした恐怖が迫る。
でもまだ、起きれそうにない。




