心霊スポット/あるある
心霊スポット
友人からの付き合いで心霊スポットに同行した。
典型的な親友伝いで知り合った未だ他人のそれとは別の深く深ーい溝を埋めるきっかけも作れぬまま共にする時間ばかりが吸われていくばかりだった。
しかも、好んで危ない橋を渡る、目立ちたがり。
今日も今日とて僕の大切な睡眠を平気で奪い去り、なんなら親友よりも今年は長く過ごしている。
見慣れぬ連中の瑣末な会話に耳を向ける事なく、例のを見ないように外の風景をぼんやり眺めてた。
断ろう、断ろうとハッキリ固く決意しても尚、窓に反射する目障りの過去の不幸自慢が頭によぎり、中々、想いを無碍に扱えなかった。
もし、勘違いしてしまったらきっと。
詰まらせたのは言葉だけに在らず、身体が浮いた。
摩擦熱が音にまで伝わってくる急ブレーキに、皆が騒然としたのも束の間、我先にと外へ飛び出す。
理由を聞くまでも無く、崖に掛けられた大橋のど真ん中、ご丁寧に路肩に橋靴が揃えてあったから。
そう僕の脳みそが判断した頃には、身を乗り出さんとする勢いで長蛇の列を組んで見下ろしていた。
いつ、落ちたのだろう。
自分にはその下を見る勇気は持ち合わせておらず、無意識に光り輝くスマホを手に、後ずさっていた。
そして、みんなが何かを言おうとする時、
「ゥゥァァァァッッー‼︎」
悲鳴が山々に響き渡った。
き、絹を裂くような背筋を凍らせる名演技、だ。
多分、どうせ幽霊でも見たのだろう。
一線引く自分が理解し終えると物見遊山の彼等が静かに顔を合わせ、全員が全員、首を横に振った。
それからは行きの浮かれた雰囲気は様変わりし、一人、また一人と帰ってく最悪なドライブが続き、沈黙は僕と友人の彼。二人っきりになるまで終わりは見えず、我が家が見えてきてようやっと破られる。
騒々しいエンジン音と引き換えに囁かれた第一声は意外にも「お前、見たか?」他人の心配だった。
いや、どうせ共感したいんだろう。
自分が、そうだったから。そう――なんだろう。
「ううん」
「そうか…………良かった」
翌日、遺体として発見された。
だが、腐敗はしていないという。
あるある
片耳イアホンによそ見も手放し運転さえしない。
自転車に免許があれば、ゴールド快挙は必至だが、今日の強風と肩身の狭い専用道が不幸を招く。
触れるスレスレの無数の積荷が暴風を吹かせて。
自転車丸ごとガクッと身体が浮いて、走馬灯を彷彿とさせる刹那の人生を振り返らせる間が生じた。
これで何回目だろう。




