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七大罪の聖少女  作者: Nox
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嫉妬:顔削ぎの蛇

稀有だ!重畳!この世の神秘!

誉高く望まれず、そう有るだけの形を謳え。

そう有るだけに、見出す欠落。

歳経た現は、使えぬ螺子と。

全ては無に帰し、凡すら呉れず。

特別になりたい!そんなことを考えたことはありますでしょうか。

奇形、アルビノ、メラニズム。

それは貴方の求める"特別"となり得ますか?

蛇という存在において、双頭はいたく崇められます。

蛇という存在において、ピット器官の欠落は死を意味します。

この宿主は、そう有るだけでした。

彼女はただ、"普通"になりたかっただけ。


彼女はごく普通の、いえ、少々癖のある家の妹として生まれました。

体重は1852g、小さな小さな生命です。

それはそれは大切に、慈しみ。全てのことは仕方ないとして綿毛の中に入れられました。

日に寄るだけで爛れる肌に、息するだけで咳する臓腑。

ぐにゃりとひしゃげた肉体は、節や骨の意を持たず。

水の溜まった頭には、酷く滲んだ世が見える。

それが"特別"な彼女でございます。

幼い頃はそれでよろしかった。父も母も祖母も皆、それを奇跡と愛でたので。


だが、そんなものは続かない。


歳を経る事に、彼女は家族の厄介者として君臨してしまったのです。

家族は遂に夢から醒めてしまった。

こんなものの世話など誰がするのかと、押し付け、喚き、罵倒する。

産んだ母が悪いのか。種の父が悪いのか。

はたまた生き延び生を往く、今この彼女が悪いのか。


産まれてきただけだった。

ただそう与えられたのだ。

何を望む訳もなく、ただ。


普通に、なりたかった。


母も、父も、祖母も皆、膝痛程度恨めしい。

姉、姉だ。私の姉が、死んだ眼で此方を見遣る。

恨めしい。恨めしい。恨めしい。恨めしい。

お前の立場でいたかったのに!


レヴィアタンより意を結べ。

全て我が身をまやかすまでに。


こうして、嫉妬の聖少女は生まれたのでありました。

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