憤怒:生首だけのユニコーン
映え映た天珠の面影は斬し、故に恐るに足らぬ首。
どれだけ情を湛えたとして、与えられるは観衆の笑み。
知っている、知っているぞ。知っているのだ其の意味を!
全ては無に帰し、消費と摩耗。
馬の後ろには立つな。
そんな話を聞いたことはありますか?
馬の脚力とは恐ろしいもので、蹴られてしまえば人間などひとたまりもないのでしょう。
それと同じように、怒らせてはいけない人間を怒らせてしまった時、人はそれに傅くことしか叶わないのかもしれません。
ですが、ええ、でも。
そんな手足がなければ何も恐るに足ることは、無い。
少なくとも、満足である我々に。
彼女は品行方正、文武両道、容姿端麗。
何事においても優れておりました。
生徒会長を務める傍ら、部活ではエースの名を冠し、平等であり、人気者。
人は彼女の道が輝かしいものであると信じて止まなかった。
それ程までに、彼女は眩しい存在だった。
だった、。
栄光とは脆いもので、人の肉体ひとつ消せばそれは同情、嫉妬、嘲笑を乗せ。
彼女は不随と成り果てた。
片腕は捥げ、残った肢は鉛が如く。
語る事にも困難で、持ち得た全てを手放した。
人は、それを優しい笑みで励ました。
やっと同じになってくれたと。
言葉にせずとも、語る、語る。
その目は語る。
私の下に落ちてきた。
彼女はよく知っている。
彼女は人をよく見ているから。
彼女はよく知らされた。
この世の自身と存在を。
そりゃあとても、良い見世物だ。
サタンより吐け寄り結べ。
全て我が身が焦がるるままに。
こうして、憤怒の聖少女は生まれたのでありました。




