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七大罪の聖少女  作者: Nox
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色欲:絡み合う蠍

行き過ぎた情欲は、得て身を滅ぼす舟となる。

豊かに膨らみ誘う彼岸と、香に問われば自ずから。

呑まれた槍は家を捨て。

全ては無に帰し、有精に非ず。

価値観とは、いとも容易く崩れさるものだ。

そう感じたことはありませんか?

彼女にとっての平穏は、誰にとっての不穏で成り立っていた。

彼女はそれを知ってしまった。知って尚、それが正しいことなのだと感じてしまった。

毒で毒を制すように、女で女を制すのだ。


彼女の家は穏やかで、ほんのりと若い母親、少しばかり歳経た父親が住まわっていました。

それ自体に違和を覚えることはあっても、それ自体は珍しいものではなく。

よくある、普通のご家庭でした。


それが反転したのは十五の夏。

同じ女が彼女の前に立ったのです。


お前さえいなければ。


自分とよく似た容姿の娘は、彼女にそう吐き捨てた。

不倫の結果の異母姉妹。

それが彼女の現実でした。

彼女の母は蠍のように、男を誘い刺す女。

彼女の父は獲物のように、女に食われ死ぬ男。

哀れ、哀れ、哀れと嘆くか。

いやはやそうでもありませぬ。

それが正義と、彼女は思う。


さすれば私も魔性と成るか。


彼女に法はありませぬ。

彼女に倫はありませぬ。

彼女に毒は、どうでしょうかね?

顔似た女を嘲笑う。


揚々制せ、我が毒となり。


アスモデウスに血を結べ。

全て我が身の誘うがままに。


こうして、色欲の聖少女は生まれたのでありました。

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