なんにもないもの
マーマ おなかの中で 聞こえたよ マーマの声
マーマはぼくに優しく話しかけてくれたね ぼくとってもうれしかったよ
マーマの思いがつうじたよ ぼくは愛されて生まれてくるんだね
ぼくが生まれてくる世界は何でもあるんだね
ぼくが安心して寝られるように 丈夫なベッドや ふかふかの布団
楽しそうなおもちゃ かわいい服もたくさんあるんだね
何でもある中で ぼくは生まれてくるんだね
でも マーマ ぼくがほしいもの
そう マーマ ぼくがほしいもの
それは なんにもないもの
空は一つ どこまでも高く 青く澄み切った青空
空は終わりなく どこまでも 続いている
海も一つ どこまでも深く 透き通るような海
海は終わりなく どこまでも 続いている
大地も一つ どこまでも広がる 緑の大地
大地は終わりなく どこまでも 続いている
国境もなければ 境界線もない
それは なんにもないもの
戦争もなければ 争いもない
人が壊すものもなければ 人が造るものもない
人が生み出す憎しみもなければ 人が生み出す悲しみもない
そう それは なんにもないもの
空も 海も 大地も 人の心も たったひとつ
あとは なんにもない
そう なんにもないもの
ねえ マーマ
そう マーマ
マーマのほしいものは何?