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店員ではないのに、店員してしまいます

作者: 降井田むさし

店員をしたことはありません。

そういうバイトを、したことがありません。

だから、店員がやる仕事内容をあまり知りません。

だから、何も身についていません。

店員のスタイルは、何も身についていません。


なのに、なのに、なのに。

「いらっしゃいませ」って言いかけました。

携帯ショップで、席で対応されているとき。

8年ぶりの機種変更を、しているとき。

他のお客さんが、来店しました。


対応してくれていた店員さんが、入口に向かって「いらっしゃいませ」と言いました。


僕も続けて、「いらっしゃいませ」と言ってしまいそうになりました。

なんとか、言いませんでした。

喉前で止まったので。


「お疲れ様です」に「お疲れ様です」と言う感覚。

それに似ているでしょうか。

だから、反射的に言っちゃいそうになる。

的な感じですね。


店員でもない人が「いらっしゃいませ」なんて言ったらダメでしょう。

いらっしゃいませ、と思っています。

思ってしまっています。

でも、言ってはダメですよね。

お客さんが、ビックリしますから。


本屋で、本を直していました。

文庫本の乱れを、直していました。

雑誌の傾きも、直していました。

気になるので。


これは、店員精神とは別でしょうか。

乱れが気になるタイプなだけでしょうか。

違和感箇所を、放っておけないタイプなので。


アミューズメント施設の、倒れた看板を直そうとしていました。

それに、強風で道にハミ出そうになっていた大看板パネルを、戻そうとしていました。

あとから店員さんが、ずらずら来て直していました。


商品の商品名を、手前に向けたりもしました。

缶飲料とか、ペットボトル飲料とか。

立てるタイプの容器は、特に。

気になるのです。


スーパーマーケットで、落ちている食品もよく戻します。

結構、落ちていることがあるので。

キノコとか、お菓子とか、いろいろと。


店員さんに、商品の場所を聞いている客がいました。

僕も分かるよ、と思ってしまいました。

僕に聞けば案内できるよ、と思ってしまいました。


店員さんは、慣れてない感じでした。

分からない感じでした。

僕に聞いた方が、はやい。

そう思いました。

でも、出しゃばりはダメなので。

やめました。


冷蔵食品が、無冷蔵置き場に置いてありました。

常温の置き場に、置いてありました。

だから、冷蔵に戻しました。

マナーが悪い客がいるものですね。


気になるから直したい。

気持ちのままに進みたい。

それだけなのです。

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