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第6話 そのパンツ脱いで

「あなたの服……」


 そう言って、しばらく止まり俺をながめる鬼灯。

 服といっても。俺は自慢の一張羅、虎パン一丁なのだが。


「その服装と、今の白虎の話から推測するに、随分と古い時代から来たものだと仮定して話すわよ?」


 古い……時代…………?


「ここは西暦2150年の日本。鬼の一族は粛清されてからもう何百年も経っているわ。わずかに残った一族は人間の管理下の元ひっそりと生きているような状況よ」


 西暦……それは確か、西洋の者達が使っている年号のようなもののはず……。いや、それより粛清、管理下⁉︎

 あまりにも衝撃的な情報に、俺は言葉に詰まった。どうやら俺は、自分のいた時代から遥かな未来へとやってきているようだ……


「桃太郎はどうした……?」

「伝説の? それとも役職の?」


『桃太郎』とは、鬼の一族と人の一族を繋ぐ架け橋。役職の名前だ。

 伝説の、桃太郎にしこたまやられて改心したご先祖様達は、桃太郎を交渉人として、鬼と人とが共に生きることの出来るよう、取り引きや話し合いをしてきたのだ。


「役職だ」


「…………今はない。昔流行った疫病のせいで色々あって……。鬼も人もその数が激減したの。その時に無くなったらしいわ……」


「らしい、て──」

「この世に残る史実といわれる記録なんて……! 本当のことはその場にいた者にしかわからない。違う……?」


 俺の言葉を遮って、まるで胸の奥に燻る怒りを抑えているかのように、鬼灯は言った。その目には涙が浮かんでいる。

 きっと、俺には想像もつかない難儀や苦労があったのだろう……。


「ごめんなさい……。過去から飛んできた貴方に言ってもしょうがないのに……」


 こんな風に泣いている女を見るのは初めてだったし『愛しい』と思った。俺は立ち上がり鬼灯の元へ行き、頭一つ分くらい低い彼女の頭を頭巾の上からポンポン、と撫でた。


「赤、だ。鬼灯」


 大人しく撫でられているなと思ったら、鬼灯は、顔を赤らめて俺の手を取り、言った。


「そろそろ移動しないと。少しでもバレにくいように、そのパンツ脱いで着替えて」

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