蝕まれる
あぁ、蝕まれる このこは一体どこから来たの?
最初は私の手のひらから真っ黒い重たいものが遠慮がちに垂れてきた。
それが何かを理解する前に反射的に両手ですくう。
そうした瞬間それは嬉しそうに私の手のひらを登り腕を駆け首を回り目を覆い隠し、その重たくて冷たい物で耳を覆って鼻を塞いで…。
あぁ、苦しい。
口を開けた。
舌の上をゆっくり通り舐め回すように歯茎を堪能して満足すると舌の根元まで降りてきた。
食道を通り器官を侵食しながら肺に入り込み血液に溶ける。
重たくて辛くて何度も嗚咽いて、膝をつきながら後ろに倒れ込みそれを取ろうと顔に爪を立て口を開き何度も引っ掻く。
私は死ぬ方法を探しています。