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COAST MAN  作者: サクヤダ
オリジン
10/15

刺客

慶太達3人は息を切らし、「ゼェ…ゼェ…」と肩を揺らしながら膝に手をつく。瞬は大きく目を見開き、我が目を疑う。



「なんでお前らが!? どうやって!?」



 3人の姿を見ると警戒心が解かれ、身体が液状から元に戻る。Tシャツは警察に取られた為、上半身が裸の状態だった。

 すると、慶太と友美が無事に瞬に会えた安堵から言葉を漏らす



「めちゃくちゃ大変だったんだぞ! 俺マジで死ぬかと思った!」


「私も本当に死ぬかと思った! 流れ弾飛んでくるかと思って大変だったんだからね!」



 慶太達は銃声が聞こえた時、警察の視線が民宿に集まったのを見て移動していたのだ。その後も瞬が飛び出して警察に取り囲まれていた時に、警察の視線が瞬に向いていたのを見て移動し、瞬の後を追い掛けていた。

 その際に特殊部隊が発砲していた為、流れ弾が当たるのではないかと思いつつ走り抜けていた。

 そして、玲奈が瞬の元に走り出す。



「瞬くん!!」



 そのまま、勢い良く瞬に抱き着いて号泣する。



「ずっと心配だったんだよ!!」



 瞬は胸に飛び込んで来た玲奈を強く抱き締めて涙を流す。そして、玲奈の耳元でこう言った。



「ごめんな……こんな事になるなんて……でも、会えて良かった!」



 しばらく2人は抱き合った。その後、慶太の一言で身体を離す。



「おい! とりあえず早く逃げるぞ!」



 我に返った2人は気まずそうに下を向き、顔を赤らめる。顔を振って気分を切り替えた瞬は慶太の方を向き、質問する。



「で、この後どうするか考えてるのか?」


「詳しくは決まってない。でも、俺の車まで逃げられたら何とかなると思う!」


「でも、アイツらかなりの大人数だぞ」



 その場が少し沈黙すると、友美が口を挟み、瞬に案を出す。



「瞬の能力で何とかならないかな?」


「うーん、あまり期待するな、俺もまだ能力を使いこなせてない。とりあえず、逃げながら考えよう!」



 意見が一致し、瞬が走り出そうとした時、慶太が瞬に強く言葉を掛けた。



「瞬!! 俺達は瞬の為なら絶対諦めない! だから、お前も諦めるな!」



 少し驚くが、それを聞いた瞬はまた泣きそうになりながら力強く頷いた。そして、慶太達は瞬を含めた4人で移動を開始した。

 移動中、友美が気になっていた事を瞬に聞く。



「ねぇ、さっき撃たれてたけど当たらなかったの?」


「当たったぞ。でも、その時は全身が液体化しててダメージが無かった」



 慶太が目を光らせながら反応し、同様に気になっていた事を聞く。



「お前最強だな! てか、なんで上半身裸なんだ?」


「液体化の状態で服引っ張られたんだ、そしたら服がすり抜けて脱げた。俺にもよく分からん」



 玲奈は会話を聞いていただけだが、ある事に気付き、再び顔を赤らめていた。



「(さっきは気付かなかったけど、なにげに瞬の裸初めて見た……)」



 その後は追手の事もある為、逃げる事に専念し、周りや死角に注意を払いなが慎重に進んでいった。漁港にはコンテナや建物がかなり多い為、順調に警察の追っ手を撒いて逃げる事が出来ていた。

 しかし、4人がそう思ったのは束の間だけだった。それは突然の出来事だった。慶太の後ろで電気がバチバチと流れる様な音が鳴り、一番後ろを走っていた慶太が倒れた。



「ゔゔっ!!?」



 突然の電気の音と慶太の声に驚嘆する3人は後ろを振り返る。



「慶太!?」



 そこには、倒れる慶太と灰色のツナギを着ている女性が立っていた。その女性はスタンガンを持っており、肩ほどまであるボサボサの髪を風が揺らしている。目は瞬達を睨んでおり、この世の物ではないような目をしていた。しかし、それとは裏腹に手元は震えており、何かの迷いも感じ取れた。



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