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19、凶悪なトラップ

 ゲロマシーンとなったマギカを、解毒魔法の使えるイリヤに任せた次の日。


「っかー、最悪だ。二日酔いだ。あー、こんなんでダンジョン攻略できるかってんだ」


 俺は町を徘徊していた。

 やはり解毒魔法の効き目は今一つだったのだろう。

 そもそも。マギカの馬鹿に付き合ったのがいけなかった。

 ギルドでは、おそらく奴が待っている。

 あいつもグロッキー状態だろうが、関係ない。思いっきり文句を言ってやろう。


 ギルドに入ると、テーブルの上に顔を伏せているエロい身体をした女がすぐに視界に入った。


「うっわー、二日酔いです、最悪です」


 もちろん、アホのマギカだった。

 俺も同じテーブルに着く。

 マギカが視線を上げ、互いに目が合った。


「「……」」


 文句を言おうとしていたが、怒るのもしんどいような気持になっていた。

 多分。マギカも同じだろう。

 今日のところは、このまま帰ろうか。

 そう思っていたところに、イリヤが現れた。


「ご主人様、ご気分はどうですか?」


「最悪、もう一生酒は飲まねぇと俺は今ここに誓うね」


 二日酔いになるたびに誓っているのは内緒だが。


「大変ですね。マギカも、そうなのかしら?」


「……はい、もう二度とお酒は飲まないことを私も誓います」


 お前も二日酔いのたびに言ってそうだな。


 俺たちのその言葉を聞いてから、イリヤはパンと手を叩き合わせた。


「そうですか、それなら早くダンジョンに潜らないと、ですね!」


 イリヤの言葉に、俺とマギカはげんなりと互いに顔を見合わせた。


「……おい、今ダンジョン言っても、すぐ死ぬだけだ」


「そうですよ、イリヤ。今の私はスライムとワン・オン・ワンでミンチ肉にされるくらい弱ってますから」


 流石にそうはならんやろ。


「ご主人様。私はダンジョンに入ったら、魔法が使えます」


「闇魔法で自殺して、死に戻って。二日酔いもリセットってことですか?」


「闇魔法と回復魔法もそうだけど。私が解毒魔法を使えるのを忘れてないかしら?」


 胸を張って、イリヤは言う。

 ……ん、つまり?


「魔力が満ちるダンジョン内ならば、私の解毒魔法で二日酔いをすぐに治癒することができると思います」


 イリヤが俺に笑みを向けてきた。

 今この瞬間だけ、イービル教に入信しても良いかもしれない、なんて血迷った考えを抱くくらい、眩しい笑顔に見めいた。


「「それだっ!」」


 俺とマギカは、二人そろって反応した。



 そして、ダンジョン内で早速解毒魔法を使ってもらった。


「おおっ、マジで二日酔い治った!」


「すごいです! これで、毎日が飲み放題です!」


 きゃははははは! と嬉しそうに笑うマギカ。

 二日酔いは解消されても、アルコールによって壊された脳細胞はもう取り返しがつかなさそうで、ちょっとかわいそうだった。


「さて、すっきりしたところで、気合を入れなおしてダンジョン攻略を進めましょう!」


「おう!」


「はい、イリヤ様!」


 俺とマギカはイリヤに素直に従う。

 マギカに至っては様付けをしていた。

 イービル教に信者が増えるのも、時間の問題かもしれなかった……。



「しゃおらぁぁぁぁぁぁああああぁっ!」 


 二日酔いも治り、絶好調の俺とマギカ。

 特にマギカは、今も雄叫びを上げながら、いつも通りにゴブリンから棍棒を奪い取っていた。


 今回も今のところ大きな罠や手ごわいモンスターと遭遇することもなく、順調に攻略が進んでいる。


「ふふん、楽勝でね。前回が20階層だったので、今回はダンジョン攻略達成しちゃうかもしれませんね!」


 と、マギカが笑いながら言ったところで、


カチリ


 アホが何かを踏んだ。


「ぶえぇ!?」


 もちろん、罠だった。

 下から、足元から生暖かな水(お湯?)が噴出し、マギカの全身を濡らしていた。


「え、ええ!? なんですか、これ?」


「何か毒とかあるんじゃないの、この罠?」


「あ、アレン!? まさか温い水をぶっかけるだけの罠なんてことは、ないですよね? 毒なら、はやく解毒魔法を……」


 マギカが慌てふためく。

 イリヤも解毒魔法の発動を準備するのだが。


「いや、温い水をぶっかけられるだけの罠だぞ、それは。しいて言えば食べ物を持っていたら腐る、とか。この罠踏んだらなんかイラっとするとか。そのくらいの被害しかない」


 俺の言葉に、マギカは疑うようなまなざしを向けてきた。


「……本当ですか?」


「本当だ。基本的には、無害だ。……まぁ、お前の場合? その頭のおかしなフリフリの服が体にぴったり張り付いてエロい身体のラインが周囲に見られる、なんていう被害があるのかもしれないが」


 俺は言いつつ、マギカを見る。

 水をぶっかけられたことになり、全身濡れているマギカ。

 衣服が張り付き、エッロイエッロイマギカのボディラインが分かる。

 しかも、白い衣装だからか下着の色も分かる。


「……前から思っていたが、お前結構攻めた下着を着けてるよな。誘ってんのか?」 


「ア、アレン! やめてください、そんなけだもののような、いやらしい目で私を見るのは! ていうか誘ってませんし……そもそも、前から思ってたって何ですか!?」


「いや、お前がモンスターを虐殺するときに、しょっちゅう見えてたから。むしろ、見せつけているのかと思っていたぞ?」


 俺の言葉に、スカートの裾を掴んで顔を真っ赤にしたマギカ。

 意外とそそる表情だった。


「く、屈辱です。こんなエロ魔人に視姦されるなんて……」


「なんだ、俺に視姦されるのがそんなに嬉しかったか?」


「そんなわけないじゃないですか、死ね! エロアレン!!」


 マギカは顔を真っ赤にして怒鳴った。

 ふぅ、やれやれ。

 こいつは何をほざいてやがるんだろうか?


 俺は呆れて、鼻で笑っちゃったね。


「ふん、バカが……俺は既に、1,000回以上死んでるぜ?」


 胸を張ってこたえる俺に。

 マギカは「何言ってんだ、こいつ……」みたいな視線を向けてくるのだった。


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更新再開!!主人公のイケメンを差し置いて、友人キャラの俺がモテまくる!?!
友人キャラの俺がモテまくるわけがないだろ?
ぜひ読んでください(*'ω'*)

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