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11、お約束

「うっひゃー、楽勝ですね! これ、私初めてのダンジョン攻略ですよ!? このままダンジョン攻略できちゃうかもですよ?」


 楽しそうに言うマギカ。 だが、確かにスムーズだ。


 初のダンジョン攻略なんて、下手したら一階層でスライムに囲まれてぼこぼこにされてもおかしくはないのだ。

 実際イリヤが挑戦をしたときは、たったの4階層で終わりだったのだし。


「確かに調子はいいが、調子には乗るな。オークは今のレベルでも雑魚ってわけではないし、無策で突っ込めば、この先必ず痛い目を見るぞ」


「はっは、笑わせないでください! 何体来たところでオーク如きに遅れは取りません! 他のモンスターも私たちの敵ではありませんよ!」


 がはは! と景気よく笑うマギカ。

 ……本当に調子に乗ってるね、こいつ。


「そうね! マギカの近接格闘に、私の回復魔法。ご主人様のダンジョン知識と的確な判断が合わされば、怖いものなんてないわ!」


 イリヤも乗っかる。

 無論、俺をヨイショすることも忘れない。


「……そうだといいんだがな」


 呆れて物も言えない俺は、諦観のため息を吐いた。


 何事もなく攻略が進めば、それが一番。

 しかし、……


カチッ


 浮かれて先行していたマギカの足元で、何かの機会の動作音が鳴った。


「……はれ?」


 マギカがキョトンとした表情で呟いた。


「バカが……」


 何事もなくダンジョン攻略が進むことなどありえない。

 好調なときほど、思わぬ落とし穴がある。


 マギカは罠にかかった。

【モンスタートラップ】

 罠にはめられた人間の周囲に、モンスターが召喚されるのだ。


「……ええ!?」



 マギカは、目を丸くして、


「きゃーーーー!」


 と、愉快な悲鳴を上げていた。


 マギカの周囲には、7体のオークが出現していた。

 早速、オークは丸太のように太い腕を振り回し、マギカに攻撃を加えた。

 マギカは何と防御に回り、致命傷を避ける。

 混乱しつつもあれだけ動けるのだ、中々の戦闘センスだ。

 

 しかし、先手を奪われ不意も突かれ、数の優位もない。

 近く破綻するのは目に見えている。

 それを理解し、無理矢理に攻めに転じるマギカだが。


「オーク7体くらい、……って、あれ!? [ストレングス]の効果が切れている!? それならもう一度……って痛い! 痛いです!」


 マギカの支援魔法の効果は、既に切れていたようだ。

 隙を突かれて、思い切りいたぶられるマギカ。


「くっう、助けて、アレーーーン! イリヤーーーー!」


 悲痛な叫びが聞こえた。

 助けてと言われましても。


 俺はもうお前を切り捨ててさっさと下の階層に向かいたいのだが。


「……一か八か。ここは、私に任せてください!」


 覚悟を決めた表情のイリヤ。

 なんだか嫌な予感がした。 


「やめとけよ……」


 俺の言葉を聞いたイリヤは、神妙に頷いた。


「……私が暴走した時は、この間のように放っておいてください」


 なーに言ってんのこいつ?

 言われずともそうするに決まっているだろうが。


「アレン様! どうかかの邪悪を打ち払う力を! 【イビルゲート】!」


 そして邪悪なオーラを纏った漆黒の腕が出現した。

 ……ていうか?

 俺の名前呼ぶのやめてくんないかな?


「行きます!」


 イリヤは額に汗を流しつつ、杖をオークの群れへと振りかざした。

 俺ではなく邪神イービルの力の片鱗、漆黒の腕がオークを捕まえ、千切って捩じって虐殺を行う。


 オークの血が周囲に飛び散る。

 マギカは全身、オークの血にまみれていた。


 酷い有様だ。


「やった! すごい、イリヤ! シスターなのにこんな邪悪な闇魔法を使えるなんて、あなた何者です!?」


 しかし、当のマギカはそんなことお構いなしに大喜び。

 ていうか、微妙に褒めてないだろ、それ。


「いつか、あなたにもお話することになるわ」


 そしてイリヤはもったいぶっていた。

 俺にもぜひもったいぶってほしかった。

 

 しかし、マギカが喜んでいるのも束の間。

 彼女に、漆黒の腕が迫っていた。


「……あれ、イリヤ。どうして私に向かって漆黒の腕が来ているんですか?」


 イリヤは無言だ。


「……あれ、イリヤ。なんで黙ってるのですか?」


 イリヤは黙り込んでいる。


「……あれ、イリヤ。あなたも漆黒の腕に捕まっているのはなぜですか?」


 もう一つの漆黒の腕に囚われたイリヤは、諦観の表情を浮かべている。


「……あれ、イリヤ。なんでそんな諦めたような表情を浮かべているんですか?」


 マギカの質問に、何一つ答えられないイリヤ。


「……ごめんなさい」


 ただ、一言謝罪した。


「……イリヤ? イリヤさん!? ……イリヤさーーーん!!!??!?!? 私今、命の危険を感じているのですが!? さっきのオークよりもよっぽどヤバい奴を感じているのですが!!??」


  ……あー、死んだわ、これ。

 俺は他人事のように、マギカとイリヤの断末魔の叫び声を聞いてから。


「っしゃあ! 足手まといもいなくなったことだし、ダンジョン攻略頑張るぞい!」


 張り切ってダンジョン攻略を再開するのだった!


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更新再開!!主人公のイケメンを差し置いて、友人キャラの俺がモテまくる!?!
友人キャラの俺がモテまくるわけがないだろ?
ぜひ読んでください(*'ω'*)

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